伊藤栄之進

砂を数え終わるまで雲をつかんで待っててよ

伊藤栄之進

砂を数え終わるまで雲をつかんで待っててよ

    最近の記事

    ハートにファイア

    ときどき訪ねて来る厄介な客人の凪。 これがやって来ると心がうんともすんともで、文化的な何かを摂取する窓口が閉ざされるっちゅうか、本もダメ、音楽もダメ、映画も何もかもダメ。 受けつけない。 それらを受けつけない状態だと仕事も捗らないどころか、手につかない。 こんなんで心を落ち込ませるほど若くもない。 色々試みるけど結局は風待ち。 諦めは一番手前の引き出しに。 そんな中で42歳になりました。 小栗上野介、尾崎放哉、川島芳子、コルトレーン、ロバート・ケネディ、クリス

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      • とんとん

        前回の更新がいつだったか。 その間も呼吸なりなんなりはしているので私は生きている。 子猫が二匹ほど家族に加わる。 日々はネコスタグラムなインスタグラムになってしまっている。 まあ良し。 神奈川某所で取材を終え、ひとり蕎麦を啜っている最中に奈良の出来事が起きた。 そのまま天園へひとりハイキング。 山中でもそのことを考えていた。 だからか、転けた。 久しぶりに野うさぎを見たからトントンか。 うさぎ あし とんとん シートン あれは仲間に危険を知らせるサ

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        • 生きてきたぶんだけ訃報も届く。 好きだった人たちのそういった知らせがなする寂しさはいつか自分自身に巡って来るその順番の時の為の屈伸運動みたいなところもあるのかもしれん。 その列はベルトコンベアーなのかロケット鉛筆なのか。 なるべく割り込まないようにしようと思うし割り込むんじゃねえぞと強めに思う。 アーリントン墓地のような景色が浮かんだのは多くの人を好きになってきた証かな、 花。

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          • セルリアン

            儀式的なタスクを幾つか消化してからでないと仕事をするモードに切り替わらないのでそうしている。 朝まで頑張らねばならぬのだが頭がいまいちシャッキリしない。 天気のせいかしら。 そういえば先日ふらりと大阪に行って来た。 南蛮文化館に行きたかったのだ。 5月と11月にしか開いていない。 数年前、おそらく『静かの海のパライソ』に取り組んでいたときに存在を知って、ずっと行きたいと思っていながらなかなか行けず、ようやくタイミングが合致した感じ。 他に人もいなくて、受付のお母

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            • あ〜

              昼過ぎに起きて仕事部屋に来て、とりあえず風呂に入り「あ〜」っつって。 髪が乾くまで音楽聴いて「あ〜」っつって。 腹が減ったので天ぷらそばを食いに行って「あ〜」っつって。 スーパーに行って買い物してスタバ行ってアイスコーヒー買って仕事部屋戻って飲みながら「あ〜」って言いながら今これを書いている。 眠くもないし腹もくちくなったし、あとは仕事をする以外はやることが無い。 仕事以外にやることが無い状況まで自分を追い込んでいるとも言える。 怠惰とも呼べる。 打ち合わせをし

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              • ふらりと大阪に来てみた。 急いて流れているふりをして其の実澱み濁っている川は端から川面を眺めているかせめて笑って川藻になるか。 藻でいい。 藻がいい。 も。 藻的役割と藻的立回り。 私はそうすることにする。 藻はそうすることにします。 そういえば先日ANGAへ行って来た。 ANGAと山口洋とTOKIE。 好きなものが三つ。 好きなものが三つ藻。 これは行けってことだとお藻た。 ウッドベースを奏でるTOKIE様はただただ美しかった。 二十年前は通った

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                • 今これ

                  気がつけば三ヶ月以上更新していなかった。 千葉に越し、何かあるときだけ浅草の仕事部屋に通っている。 PCは仕事部屋に置いたまま。 長文を書くルーティーンと目的を掴めないまま、今これを書いている。 昨日の夜はオンラインサロンで、そのまま仕事部屋で眠ってしまって、起きて、今これを書いている。 アウトプットの難しい時代。 時代なのか個人的なことなのか。 虚と実の、虚の方面に対する興味がエンプティ気味だ。 これは良いことだと思っている。 色んなことが剥がれて、よりシ

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                  • 場所

                    田原町の家での最後の夜だ。 本当は全て片付けて雷門の仕事部屋で朝を迎える予定だったのだが、まあ終わらん。こんな駄文を連ねている場合ではないのだが、朝までダラダラ映画を見ながらやれるところまでやって、あとは引越し屋さんにぶん投げようと思う。 前職が引っ越し屋の営業マンだった矢崎がかつて居た会社に頼んでいるので、甘える。そういえば、前の家からここに越して来た時も同じ会社にお願いしたんだった。あまりの本の多さに若干キレていたらしい。蔵書は既に仕事部屋に移したので今回はキレないで

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                    • 『中島鉄砲火薬店』を終えてからこっちのこと。 もはや矢崎の所有物と化している愛車を半年ぶりに運転する。いつの間にか初心者マークが外されていた。来週で浅草の家を引き払うので運転する機会も増える。なんせ千葉に戻るので。車で通いか、生意気だな。こんな人生は想像していなかった。 四十路男が飛んだ。まあ、それぞれの人生だ。思い出そうとしても最早アリクイしか思い浮かばない。記憶の中にアリクイが増えていく。みんなアリクイになっていく。元々アリクイだったのかもしれない。俺はアリクイではな

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                      • 中島鉄砲火薬店

                        どうやら無事に千秋楽を迎えることが出来そうです。 ありがとうございました。 言いたいことは過去の自分が作品に詰め込んでくれている気がするので取り立てて何か書きたいことがあるわけではないのですが。 楽しい日々でした。 『スタンレーの魔女』の公演期間中に唐橋さんに「読んでもらいたい本があるんです」と。そんなところから始まったんですよね。 そのときはいつ上演出来るかなんてまだ見えてもいなかったんですけどね。 SETさんが劇団協議会さんとの企画でこの作品を再演したいと申し

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                        • 普通

                          無事に初日の幕が開く。 この「無事に」というのが如何に難しいか。 身内や友人が関わっている舞台の中止や延期の報が続く。 稽古初日の顔合わせの挨拶で「ただ普通に演劇を作ります」と宣言した。 ただ普通に演劇をやることがとても難しい時代だから。 少々気の抜けた宣言になってしまったんだけど自分としては眼差しを上げた目標のつもりで。 このまま眼差しを上げたまま千秋楽を迎えたい、普通に。 明日も普通に演劇をやります。 普通に当日券もあると思います。 普通にお待ちしており

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                          • 遊び

                            演劇、play、遊び。 始めた頃に覚えたことを頑に信じているところがある。 遊びなんですよ、演劇なんて。 遊びなんだから真剣にやる。 なんて先人の言葉を信じている。 自分の場合は信じるところから始まっている。 当たり前だと思っているんだけど案外マイノリティだったりもする。 まあ別によそ様のことはどうだっていいんです。 自分は自分の信じた遊び方で遊ぶだけ。 遊びにだけはね、ちょいと自信があるんです。 一緒に遊びたいと思う人たちに集まってもらって一ヶ月ほど遊び

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                            • ケケケの

                              書き物に追われていない年始というのも久しぶりな気がする。そんな気がするだけで実際はそんなこともないのかもしれないが。 この家に越して来てから五年が過ぎた。忙しかった五年、という感覚も錯覚なのかもしれない。 越して来たばかり頃、執筆に疲れて夜中に駆け込んだファミレスも今はもう無い。なんかパンダの店になってた。 そんな生活も変わる。 来月、東京から離れる。浅草の事務所と仕事部屋は残す。 去年は控えていた散歩を再開している。東日本橋から上野までぼんやりと歩いた。目的がある

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                              • あけましておめでとう

                                年始や誕生日に誓って書き始めて、そのうちその覚悟も廃れて滞ることをわかっていながら何十回目かの同じ過ちを繰り返そうと思います。 妻の実家へ行き、己の実家へ行くという十年以上続いていた元日のルーティーンも今年までなのだということに帰宅してから気がつく。 実家のベランダから元日の富士山が見えることにだって住んでいた頃に気づいていたのかどうか怪しいものだ。 気づきなんてものはいつだって後に遅れてからのものだし、それは遅いか、もっと遅いかの差なのでしょうよ。 自分の言いたいこ

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                                • 無意識

                                  『中島鉄砲火薬店』の年内の稽古が終わる。 充実した日々を過ごさせてもらっている。 稽古が楽しいのだ。 ちょうど十年前に書いた本の再演。 実は、稽古初日の本読みまで読み返さずに挑んだ。 書いた物語を読み返すことはまず無いので自分としては珍しいことではないんだけど演出家としては駄目なやつね。 「こんな物語だったんだ」とか、過去の自分の能力とか文体とかに驚いた。 もはや他人が書いたような、そんな新鮮な感覚を得た。 十年前のあいつ、結構才能あったんだな、と。 それで

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                                  • 遮断

                                    個人的作業の頂が見えてきたので少しだけほっとしている。 元々は登る予定の無かった山。 人から渡されて、登り方の工夫次第で楽しめる気がしたので引き受けたわけだけれども。 静かな直感と対話しながら一歩ずつ一歩ずつ、ね。 そんな日々。 まあ、それにしたって生活はデタラメになった。 夕方頃に起きて、朝に寝る。 散歩をする余裕も心にはなくて、歩かないから、まあ太った。 受け取る余裕も無いから、一日に一度の矢崎との通話が外の世界との関わりで、それ以外のほとんど全てを遮断し

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