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【読書メモ】"子どもの心の育て方”  児童精神科医佐々木正美著

私が妻子と別居することになって以降、当時は2歳9か月だった息子の子育てについてきちんと学びたいと思い、最初に手にとったのが「子どもの心の育て方」という本だった。
この本を読み終えた時、これまで私が持っていた子育て観が瞬く間に崩れ、
衝撃と共に腑に落ちた感覚と後悔の念に駆られたのを今でも覚えている。
今まで自分の思い込みだけを頼りに子育てをしており、それが息子にとって良い影響ばかりをもたらすものではなかったと痛感したからだ。
それ以来、自分が悔しくてやりきれず、佐々木正美医師が書いた子育ての本のほとんどを読み漁った。

私自身、子どもの頃に原家族から虐待やネグレクトを受けて育っている。
本来は両親から愛情を注がれ、両親の子育てを見て感じて体得していくものだと思うが、私にはその経験がまるっと抜け落ちてしまっている。
だから誰よりも子育てのイロハを勉強する必要があるし、私の中に眠る誤った価値観を塗り替えていく必要がある。今はそのことをきちんと理解している。

何よりも、私の大切な子どもたちには、私のような生きづらさを抱えた苦しい人生を歩んでほしくない。
そのために、いま私には学ぶべきことが山ほどあるし、これから挽回してやれることも無限にあるはず。

今日、約半年ぶりにこの本を読みなおし、改めて多くのことを学んだので、きちんと記録に残しておきたいと思い、note上に読書メモを残すことにした。
親として子育てをする身として、特に大切だと思ったこと、私が大切にしたいと思ったことを本から引用し、自分の過去を振り返り、今後子育てをするうえでどのように生かしていくかをまとめていく。


乳幼児期にやり忘れたから「手遅れ」などということはありません。何歳からでもやり直すことはできますし、またそうしなければなりません。p.136

本の最後の章に書かれていたこの言葉に、本を読み終えた私は救われた気持ちだった。
今は3歳半になった息子に対してもっとこうしておくべきだった、あとのときの言動は失敗だったと思うことが山ほどある。
佐々木先生いわく、人に対する信頼感と、自分に対する誇りや自信といった感性は、なるべく早いうち(~3歳まで)に育まれた方が良いとのこと。もしそれができなかったとしても、人間というのは何歳になってからでも、必要なものはやり直しも学習もできる。乳幼児期にやり忘れたことをやり直そうとする場合、その原則は何歳になっている人にも乳幼児期のようにやること。

だから私は次に3歳半になる息子に会った時には、息子をこれでもかというくらい甘やかしてあげたいと思っている。
一度は欲しいものや食べたいものを何でも買ってあげる。ガチャガチャがしたいと言えば気のすむまでやらせてあげる。ほしいミニカーを買ってあげる。何をやっても褒めてあげる。「パパは〇〇くんが大好きだよ、パパにたくさん甘えていいんだよ」と何度も声に出して伝えてあげたい。

それによって息子は、パパに無条件に受け入れられ、パパに本当に愛されていることを信頼し、自分の価値を実感してくれるはず。
もちろんエンドレスに金銭を与えることはしない。息子はたくさん受け入れられ、愛されることによって、自然と物欲ばかりに頼らない子に分別のある子に育つと私は信じているから。

私自身も幼少期に親との間で愛着形成がうまくいかなかったので、現在進行形で幼児期から生き直しをしている。時に子どものように無性に甘えるかのように、カウンセリングで受容してもらったりしている。
今からでも、パパと新たな信頼関係を築くのは遅くないと私は信じている。
私の子どもには、私が子どものころのような寂しい思いは絶対にさせない。それが私の親としての一番の役割だと思うから。

「𠮟られてもすぐに忘れる」「失敗しても同じことを繰り返す」これは幼児期の子どもの大きな長所です。p.22

3歳の終わりごろ、トイレトレーニングもだいたい終わったということから、子どもたちは非常に活発に活動するようになり、生き生きとした好奇心にあふれた探索活動を開始し、親としてはケガをしないか、迷子にならないかを心配になることが増えると、佐々木先生はいう。
そのころには「叱られても失敗しても、すぐそれを忘れる」という「長所」を持っているのだそう。
長所なのだから「いくら叱っても同じことをする」「翌日にはケロッとしている」と嘆くことはないのだそう。

幼児期の子どもは身体を動かすことでモノを考えているから、身体を動かさないと知恵もつかない。飛び降りてみることで、高さの概念を知り、降りたときの痛みも知るということなのだろう。
自分の子どもの頃も同じだったと思う。小さい失敗を繰り返すからこそ、「取り返しのつかない失敗」を避けられるようになったのだと思う。
子どもは、失敗や叱られたことを「忘れる力」があるから、小さい失敗を繰り返すことができるのだという。

私は一度だけ息子のお尻を叩いて大声で叱ったことがある。
目の間にあるごはんのお皿を床に何度も故意に?落そうとしたからだ。
その時、息子の立場にたち、なぜお皿を床に落とすのかを考える余裕などまったくなかった。ただそれは子どもであっても許されるものではないとしか思うことができなかった。
その時の私は、間違いなく恐怖心を与えることで、罰そうとしていた。

でも私が大声で怒ったことによって、同じ失敗を繰り返すことができなくなり、ごはんを食べなくなる可能性だって十分にありうる。
それは親が怒るのを恐れ、萎縮をしてしまうということ。それこそ、息子の自尊心に傷をつける結果にだってなりうる。
それをきちんと理解した今、私は当時の言動を心から反省している。

次に息子が同じことをしたとき、パパは次のような言動を取りたいと思う。

  • 「〇〇くん、パパとママはそんなことをしたら悲しくなっちゃう。大好きな〇〇くんにはそんなことをしてほしくないなぁ」といった具合にこうしてほしいと伝える

  • 「〇〇くん、お食事を床に捨てたら、一生懸命に作ってくれたママが悲しんじゃうよ? パパもママもこんなに美味しそうに食べているんだよ? 〇〇くんも一緒に食べてみない?」といった具合に、アイメッセージで親の希望を伝える

私の考えたポイントは、息子の行動を否定するのではなく、アイメッセージで親の気持ちを柔らかく伝えること。
子どもって本能的に親が悲しむことはしたくないもの。だから親の想いをきちんと息子には伝え、同じ目線に立って見本を見せるようなイメージ。

これらの対応に唯一無二の答えがあるわけではない。その子によってうまく対応を変える柔軟性こそが大切なのだと思う。
これからは、息子と娘がたくさん失敗できるように、失敗しても肯定的にとらえ、子どもたちの学びを見守ることができるように意識を変えていきたい。

最後に

今日は読書メモという形で、私がよく参考にしている精神科医の佐々木正美先生の本からの学びを書いてみた。
ただ子育ては通り一遍のものではないし、その子、その時によって柔軟に対応を変える必要があるのだろう。今回私が改めて学んだことは、子育てをするうえでの土台となる部分だと考えている。

頭で理解するだけでなく、子どもとの生活の場で実践できるように、いま私に与えられた時間を有効に使い、準備をしていきたい。

佐々木正美先生の著書の中で、私がおすすめする本のリンクを以下に記載します。






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