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なんだろう

301
自分でも不思議に思う詩のような、エッセイなのか…内容もなんなのでしょうか?と思うような作品です
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2023年1月の記事一覧

こわくて聞けない

こわくて聞けない

母があの世に旅立って、わたしは仲の良かった近所のおばさんは元気なんだと
時折気にはなっていた

どこかで羨ましくもあり
生きていることにホッとしている
二つの心があった

ひとり暮らしのおばさんを
わたしと同じくらいの娘さんが
時々様子を見に来ているようだった

ところがところが
わたしが家を空けている間に

おばさんの家はもぬけの殻になっていた

えっ
どうしたの

この間会った時には
「家に遊

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無意識のうちに

無意識のうちに

人を傷つけるつもりはなくても

無意識のうちに傷つける

わざとならばまだまし

意識していないのが一番怖い

それをやっていたのが私

場をわきまえない

そこで聞くとダメだしが飛んでくる

いつもいつも暖かい大きな母が私にはいたから

私はぬくぬくと守られて来たから

でも本当はちがう

守られるもののない

つらさを

お日さまのような暖かさを

失ってみたら

ようやくわかった

無意識に

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大丈夫?

大丈夫?

大丈夫?と言って欲しいときに

気遣いの言葉をわたしは言えない

逆なでをするような言葉を吐く

それも無意識に

そういえば昔々におやさまにも言われていたっけ

「この人うるさい人やなと思たら邪険な言葉が出ます
人を大事と思いなはれ、大事と思ったら大切な言葉が出ますやろ
言葉というのは大事なものや」

と確かそんなお言葉だったと思う

言葉はおっかない、おっかない

どうしたら優しい言葉を出せる

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見上げると

見上げると

雲の上には何があるんだろう

天国があるのかな

天使がいるのかな

母が暮らしているのかな

ふしぎな、ふしぎな感覚にとらわれる

母が旅立ってから

よくよく空を見上げている

あの雲のなかには

天使たちが暮らす街が有りそうな

あるのかな

あったらいいな

上弦の月

上弦の月

母が肉体という衣を脱ぎ捨てて

魂だけになってから

四十九日が過ぎました

昨夜は上弦の月でした

母がおやさまに掴まって天国の花園に行ってから

二度目の上弦の月

月がとても美しい夜でした

星も輝いていました

もう泣かない

少しだけわたしの気持ちも落ち着いてきたかな

と思ったけれど

やはりまだまだ無理でした

母の冷たくなった手を思い出すと

それだけでつらくなります

もう還って

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マスク

マスク

外を歩く時

冷たい空気にあたると

急に泣きたくなる

なぜだか唐突に母のことを思い出す

そうすると涙が止まらない

鼻もすする

恥ずかしいけど

どうしようもない

そんな時

あぁマスクをしていて助かった

マスクなしなら

あの人なぁに

何で泣いているのと思われる

ちょっとだけ、ちょっとだけ

マスクにありがとうと言いたい気分

氷の世界

氷の世界

頭の中では井上陽水の「氷の世界」が鳴り響いている

吹雪、吹雪、氷の世界

風がびゅ~びゅ~吹きすさび身も心も凍ってしまいそう

10年ぶりの大寒波

テレビでは水道管の凍結に気をつけてと話している

凍てついた心

いまの私にお似合いだ

母の死を認められず

私の心も嵐のようだ

小さな骨壺が有ろうとも

母とは思えず

止まったまんま

いるんだよね

いるんだよね

昨夜のこと

もう寝ようって

布団にもぐる

流してもいない

トイレの水が

ジャーっと流れる

えっ?何事

布団をはいで起き上がる

トイレの水は止まったけれど

そういえば…

玄関の鍵を閉めたっけ

確認のために見に行くと

あぁ、やはりやはり

鍵は掛かっていなかった

そう言うことか

いつもいる
姿は見えないけれど
守ってくれている存在がいる

ありがとう
教えてくれて

お母さ

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なんでこんなに恵まれていんるだろう

なんでこんなに運がいいんだろう

わたしはどうせ幸せにしかなれない

どうせ全て上手くいく



と思って生きればいいのね…

暴走列車

暴走列車

もういないことはわかっているはずなのに

ふとした瞬間に

涙があふれ号泣する

なんだろう

この感じ

そこにお母さんがいたら

わざとらしいと言われるはず

わざとじゃない、わざとじゃない

嗚咽に号泣

お母さんを返して

お母さんを返して

お母さんを返して

と繰り返す

ひとりの部屋でわめいている

なんだかむなしい、なんだかなぁ

お父さんの遺影にも

お母さんを返して

と訴える

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いったいなあに?

いったいなあに?

スターシードなる言葉を初めて知った

この地球ではない

他の天体からやって来た魂のことらしい

えっ?そう言うこと

それならわたしも当てはまるよ

小学五年の時に夢を見た

不思議な夢

今でも覚えている

他の星から

飛行機のようなものに乗って

仲間と共にやって来た

飛行機のなかにはわたしと同じような人たちが

地球に向かい

地球を救う魂がいっぱいいたような

その夢は今でも心にこび

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ボーナスタイム

ボーナスタイム

「ほんとはね

去年の今頃にばあちゃんは

死んでいてもおかしくなかったよ」

当時のことを一部始終見ていた息子に言われた

息子の仕事は患者さんに寄り添う医療従事者

一般人とは異なる視点を持っている

わたしの骨折では

お母さんとの時間の猶予をもらったのか

この一年はボーナスタイムだったという

「母はばあちゃんのことを一所懸命にやったよ」
と息子に言われ、ハッとした

そんなことはないだ

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おとひめさま

おとひめさま

母は最近、昔話をしてくれた

「小学校の(低学年の)時に(学芸会で)おとひめ様をやったのよ」

えぇ~、そんな話しは初耳だぞ

そんなこと言いもしなかった

恥ずかしかったのかな

それでも「おとひめ様をやったのよ」

と言っていた

自分でもなんで私が…
と思っていたのだろうか

本当は目立つことが大嫌いで

地味な性格なはずなのに

髪をヘナで染めていた

本人は目立つからイヤよ…

と言って

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産まれる

産まれる

遠くで鳥がさえずっている

暖かいお日さま

今日は誕生日

なんで生きているんだろう

首にへその緒を巻いて仮死状態で

産まれ出た

おそらくね

お母さんのところへ産まれ出たかったんだよね

わたし

お母さんのあったかい心

上から見て
「あっ、この人だ」と感じたんだろう

この人じゃないとダメって…

わたしの背負えきれない大きな因縁とやらに負けないで

いろいろな苦難にも一緒に立ち向か

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