山種美術館を訪ねて ~ 花 flower 華 2024 ~
きょうは、美術を楽しむ日。
3月の終わりに、東京広尾にある山種美術館を訪れました。
いつも季節にあわせた特別展を企画する山種美術館、この時期はやはり
花!
ですね。
フライヤーには、私が大好きな奥村土牛の<醍醐>
そういえば、
初めて山種美術館を訪れたときにもやはり<醍醐>が展示されていました。そこで初めて土牛さんを知ったのです。
もう一年経つのかと思うと、感慨深いものがあります。
🌙
それでは、さっそく作品を見ていきましょう。
展示室へ入ると、桜・牡丹・木蓮といった花々が咲き、そこはまるで花園のよう。特に入り口付近は、春の香りがしてきそうな柔らかな色合いの作品が並んでいます。
山種美術館では毎回1つだけ【撮影OK】の作品がありますが、それが今回は
奥村土牛の <醍醐>
だったのです!
なんというサービスでしょう。
もちろん撮影してきましたよ。
どうぞ、こちらをご覧ください。
ふんわり優しい土牛さんの桜。
1972年制作とあるので、御年83歳の作品です。
いま見るとあまり違和感なくスッと入ってきますが、当時としては桜の木全体ではなく部分を切り取ったこの構図は、かなり珍しかったようです。
よ~く見ると、地面には散った桜の花びらが繊細に描かれていますね。
83歳でこの絵を・・・その気力と集中力には驚かされます。
やっぱりすごいなぁ土牛さん。
🌙
春のつぎは夏の花園に移ると、ある作品が目に入ってきました。
あれ?
この絵は!
じつは前回の企画展に訪れた際に、ミュージアムショップで目に留まった絵葉書を2つ買い求めたのですが、なんとそのうちの1つが展示されていたのです。
思わぬ贈り物にびっくりしました!
この美しい青に、引き寄せられました。
ただ、そこに咲いていた花を描いたというこちらの作品
ただ、咲いている
ただ、絵が好きで
このところ、「ただ」という言葉がこころに響きます。
決して後ろ向きでない、「ただ」
わたしも何か見つけられるかな。
🌙
同じ夏の花でいちばんインパクトがあったのは、
川端龍子(1885-1966)の<八ツ橋>
尾形光琳の燕子花図屏風を彷彿とさせる大きな屏風絵は、戦時中たびたび空襲に合いながら描き上げたというもの。そんな時代背景とは対極にある豪華さが、とても印象的でした。
🌙 🌙
つぎの秋の花園では、
土牛さんの<桔梗>に、この朱色の縁の額装が似合うのはどんな部屋だろう?と妄想しながら、しばらくうっとりと見入りました。
あぁ、美しい。
そして冬、ここで再び贈り物が。
先程の2枚の絵葉書のうち、残る1つの作品までもが展示されていたのです。
椿、好きなんです。
ぷっくりとした蕾、幾重にも重なった花びら、艶やかさと厚みを感じさせる葉、いいですね~。
ここまででもう既に満足なのですが、
じつは今回一番楽しみにしていた作品は、この先に登場します。
さあ、では呼吸を整えていきましょうか。
🌙 🌙
荒木十畝(1872-1944) <四季花鳥>
とても大きな、軸装の花鳥画。
色鮮やかなその美しさと華やかさに、うわ~と小声で呟きました。
作者の荒木十畝は、最近わたしが気に入っている池上秀畝の同門で、師匠”荒木寛畝”の養子でもあります。
今回の企画展で出品されると知り、とても楽しみにしていました。このタイミングで見られるとは、これもまた贈り物ですね。
横山大観らの<新派>に対して二人は<旧派>に属しますが、師匠の死後、十畝は尾形光琳の作品に学んだうえ西洋の写実法も取り入れて、新たな装飾絵画を模索したようです。
その成果が、この華やかな花鳥画というわけですね。
古くささは感じません。
ただ、美しいです。
お花見のしすぎで、もうお腹いっぱいです。
最後は、いつものお抹茶と和菓子で〆ましょう。
目も、お腹も、こころも、
ごちそうさまでした。
そして気になる次の企画展は、、
楽しみです🌙
お気持ちありがとうございます。大切に使わせていただきます。