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草露白の爽やかさと移ろい



青竹を連想させる生き生きとした夏の緑も好きですが、植物が様々な色に染まりゆく秋はより好みなのです。

温かい飲み物と甘いものを傍らに読書が捗る秋。
新しく買ったお皿に季節の上生菓子を乗せて。
黄身餡の優しさよ。とろんと口角が緩むのが分かる。


𖤣𖥧𖥣。


◎北欧とコーヒー - 萩原健太郎

北欧。一度は行ってみたい憧れの地。
ムーミンの珈琲に纏わるエピソードにこころを鷲掴みに。多くの人々に愛される北欧デザインのカップ&ソーサーも、カラーでたっぷりと紹介される。珈琲を介して、空間を大切にする北欧の文化を味わえる一冊。

森と湖の国とされるフィンランドのやかんコーヒー。
もう少し暑さが落ち着いて森や海に足を運ぶときに、スナフキンの作っていた野趣溢れる魅力的な飲みものを作って飲んでみたいと常に考えていました。

彼にプレゼントして貰ったお気に入りのホーローのドリップポットがある。鶴口からとろとろと柔らかな湯が回り落ちていく美しさにはいつも感心させられます。今日はすっきりと雑み無く淹れることが出来、彼をとても喜ばせることに成功したので、大満足な休日となりました。

従兄弟からお土産にと貰ってからだいすきになった、PRESS BUTTER SAND。
様々なお味があることをお恥ずかしながら最近知ったのですが、檸檬はすっきりした味わいでどんな日にもぴったり。珈琲以外にもお茶のお供に最高だったのでご紹介。


◎遠慮深いうたた寝 - 小川洋子

陶器を思わせる青と白の装丁にわたしは一目惚れした。
多くの作品も溢れる本作。掌編のような洗練された美しい言葉たち。綴られた温かな日常に寄り添うようにして、わたしは日々少しずつ読み進めた。

百年でも二百年でも小説は、書かれた時のままの形でそこにあり続ける。にもかかわらず、読み手の成長や社会の変化によって、見せる姿が違ってくる。

読者の働きがあってこそ より

小川洋子さんの文章はこころに浸透してくる。現実から離してくれる様な、たくさんの言葉たちに触れ、また小川洋子さんの物語を読みたくなる。

読み終えてしまうことがとても勿体無いと感じ、ページを捲る指先が何だかいつもより慎重になる。


◎異邦人 - 原田マハ

季節が移ろう京都に少しづつ受け入れられてゆき、身も心も変容していく。美しいものというものは人の心を狂わし惑わす様に、強く惹かれ心を揺さぶられた作品でした。

少し前、国立西洋美術館の「自然と人のダイアローグ」の展示を見てきた。近くでゆったりとアートに触れることが殆どなくなっていたので、感動はひとしお。そこでわたしは様々なものに、またこのように接する機会が出来ますようにと強く願った。

ゆったりとした時間が流れていた

京都の四季が描かれる本作。わたしは京都に訪れたことがないので、非常に行ってみたい魅惑の場所になりつつあります。原田マハさんのアートを題材にした作品やエッセイは、書く文章や世界観が余りにも素敵で、どっぷりと浸からせて頂いています。


𖤣𖥧𖥣。
 

まだ夜が残る時間帯に目が覚めることが多いこの頃。

古い窓を静かに開けてひんやりとした朝の空気を感じることが最近の日課になりつつあります🧺🕊

お湯をゆっくり沸かしながら、お布団の中で微睡みながら、虫の声に耳を傾けます。夜と朝の狭間はとても美しさを感じる時間だなとひっそり考えます。大好きな秋の季節もすぐそこですね。

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