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読書日記

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エッセイや食をテーマにした本が多い傾向 𓌉𓇋 ‎
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#日記

鮭颪は恋し温和な海波の近くで

鮭颪は恋し温和な海波の近くで

雪国からとても遠くへ引越しをした。少しずつ違うところがあるからか、パラレルワールドにでも来たみたいで、不思議な感覚に日々囚われながら過ごしている。
灼熱のビビットカラーな景色を横目に、涼しい部屋での読書は非常に捗った。お供の珈琲は後味が軽やかだったり爽やかなものを。珈琲氷を作ってみたりとアイスコーヒーが絶品すぎる夏だった。

随分前のことだけれど、毎日図書室に通う学生だった。学校の書庫は常に静謐で

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薫風緑樹のわたる微睡みに浸る日々

薫風緑樹のわたる微睡みに浸る日々

新じゃがいもに新玉ねぎも買い、道の駅で出逢った山菜で天麩羅パーティを、余ったフキノトウでばっけ味噌を作り、今年は春の食材をたーんと楽しんだ。

今年はじめての新玉ねぎは、好きな料理家さんの今井真実さんのレシピで堪能させて頂く。食材そのものが持つ甘さにバターのまろやかさ、優しさを体現したスープに、毎年春が来たらたくさん作ろうと心に決めた。

ことことと食べものを火にかけている時間が好きだ。鍋の傍らで

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鮮やかに変化する陽春とオールドレンズ

鮮やかに変化する陽春とオールドレンズ

季節が移り変わると旬のものがとても強く恋しくなる。

雪が残る少し前のこと、産直に並ぶ初物の苺に心を奪われた。週末だったからか量り売りなどもしていて、甘く馨しい香りのする苺…、気が付けばじっと誰よりも時間をかけて選んでいた。家に帰って水に晒して啄んでみれば、甘酸っぱい春の訪れでいっぱいになった。

浅利の押し寿司を観た夫は食べたいな…とぽつり。
食への熱量や関心の度合いが似ていて、夫婦揃って食べる

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氷や雪の結晶の静謐な小さな世界

氷や雪の結晶の静謐な小さな世界

わたしが住む雪国には膨大な量の雪が降り積もった。
先日夫となった彼は日々雪掻きに奮闘してくれている。

今日も珈琲を淹れて待っていて、と残してひとり雪と向き合っていてくれている。
無力ながらも珈琲が美味しくなるようにといつも以上に丁寧に淹れるように心掛けた。

𖡼.𖤣𖥧𖡼.𖤣𖥧

◎せいいっぱいの悪口 - 堀静香

数多あるSNSの記事で紹介されていた本書。
タイトルに強く惹かれ、次の

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