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みりんづくしのみりんツアー(愛知)に参加して食べ物の見方が変わった

みりんのメーカーを巡り、
みりんを知って、
みりんを味わえるツアー
「とことん みりんツアー」@愛知県碧南市に参加しました。

ツアーのガイドは調味料のスペシャリスト
下倉樹さん
調味料のメーカーさんを数多く回られ、みりんの魅力や知識も豊富な下倉さんの説明付きです。
知識だけでなく、お人柄もとてもすてきな下倉さんなので、参加者は、他の調味料講座で彼女の虜になったリピーターの方ばかりでした。
そんな私も、以前オンラインで講座を受講し、画面越しでも、お人柄と知識の深さにすっかりファンになり、リアルでお会いしたくて、はるばる参加しました。

ツアーは、約4時間でみりんの魅力に触れることができます。
全国的にも少ない本格的なみりんのメーカーが、愛知県碧南市には4社あります。
その4社全てを回り、作り手の方から、種類や作り方、歴史、味(試食やランチ)、使い方など盛りだくさんのことを知れる、みりんの魅力いっぱいのツアーです。

ツアーの概要は
1.九重味醂(ランチ付き)
2.角谷文次郎商店(みりん粕漬け体験つき)
3.小笠原味醂
4.杉浦味醂

(各メーカー試飲や試食あり。近隣なのでほぼ徒歩で移動)

ツアー内容

約4時間でランチ付なので、各メーカー滞在は約30分くらいです。
(ランチは約1時間)
ゆっくりじっくりという方には少し早く感じるかもしれませんが、
ぎゅぎゅっと4社を堪能したい私には十分でした。

ツアーの中では
みりんの
・種類の違いや特徴
・材料や作り方
・歴史
・使い方(レシピのプレゼントやみりん粕漬け体験あり)
・試飲(おみやげあり)
・作り手の思い
・洋食やスイーツへの利用
などなど 興味深い内容が組み込まれ盛りだくさんでした。

結論
みりんについて私は全然知らなかった
本格的なみりんってこんなにおいしいのか
(え!?飲むの!?って思っていたけど、これは飲みたくなるわ)
買う物を選ぶ視点が変わった

正直、参加するまでは、そこまでこだわりのなかったみりん。
とりあえず、”みりん風”ではなく”本みりん”を買っておけばいいかなレベルの知識でした。
むしろ、みりんがなければ、砂糖と酒でよいかというこだわりのなさ。
でも、工場見学も発酵調味料も好きな私。
今回、参加できてよかった~。詳細は以下です。

********
当日は、名鉄碧南駅に集合。
(電車を乗り継いで約2時間‥)

名鉄の赤い電車

駅から歩いてすぐ

1.九重味醂(株)

250年余りと歴史が最も古いみりんメーカー。
外観からして歴史を感じます。立派な歴史的建造物です。
入る前から圧倒されました。

歴史を感じます

ここでは、作り方と歴史(展示室あり)の説明、
ランチとショッピングを楽しみました。

みりんの種類の違いや材料、本みりんでも材料が違うことも知りました。

みりんの違い

特に通常のペットボトル入りと、瓶入りの本格的な本みりんの材料の違いについては、あまり考えたことがなかったので、
作り手の方の大切にされている思いと共に知ることができて、
大変勉強になりました。
この地域の醸造の歴史や、みりんはもともとは甘いお酒として飲まれていいたことも興味深かったです。

展示室写真OKとのこと

一般の方も見学できるそうです。

お待ちかねのランチ。
併設されているレストランで、他の方のお話によると、人気でなかなか予約がとれないとのこと。
その日も満席でした。

みりんづくしランチ

見た目にもきれいで、いろんなところでみりんが使われていて、
旨味と甘味が伝わってきてとってもおいしかったです。

ショップも充実していて、みりんやリキュール、甘酒など試飲もできます。
ここで初めてみりんを飲んで、衝撃でした。
みりんで晩酌しているという下倉さんの話も半信半疑で聞いていて、
飲むとか考えられなかったけど、
何とも美味しいこと!
通常の本みりんでもおいしいですが、ここでしか買えない
たいそうな本みりんを(私は呑む用w)思わず買っていました。

本みりん

あとは、お目当てのみりん粕をゲット。
みりん粕は、作る工程で必ず出ますが、他の飲食店に卸していたり、一年に一度仕込みのメーカーだと、春すぎでないと入手できないそうです。
一年中作っている九重味醂では購入できると聞いて、以前食べていつか欲しいと思っていたので、今回購入でき、使うのが楽しみです。

そこから歩いて10分くらいのところが

2.角谷文次郎商店

こちらも、全国的にも知名度のあるみりんです。

お土産付き

和食だけでなく、フランス料理のデザートや、イタリア料理のソースにも使われているとのこと。
ここでは、新しいキッチンスタジオで、みりん粕づけを体験しました。
みりん粕とお味噌を混ぜてお肉を漬けてお持ち帰りです。

みりん粕と味噌を混ぜて漬ける

家で焼いて食べましたが、旨味も甘味もあり、お肉も柔らかくておいしかったです!
みりん粕の使い方も知れて万々歳でした。
他にもみりんの特徴を活かした料理の紹介や、みりんの使い方を丁寧に教えていただき、みりんの良さを生かした料理ができそうです。
こちらでは、試飲だけでなく、本みりんや充実したレシピ本まで頂きました。(HPでもレシピが見れます)

3.小笠原味醂

ご夫婦で経営されているとのことで、日本一小さな味醂屋とおっしゃっていましたが、
伝統的な作り方で、年に一度、丁寧に作られている印象でした。
営業活動なしで、口コミで知れ渡り、海外からも受注があるそうで、他の方の話でも、なかなか手に入らないとのこと。

味比べ

人気の「一子相傳 小笠原味淋」は、コクがあって、とてもおいしかったです。
澄んだ琥珀色もきれいです。

澄んだ色

このみりんを牛乳で割るカルーアミルク風は、斬新だけどもっと飲みたくなるほど。

みりんを割る

特に、このみりんで作るめんつゆの試食は、シンプルな材料なのにお店の味!
レシピも下さり、買ったこちらのみりんで絶対作ります。
陽気な社長のお人柄もよく、また春すぎに買いに伺いたいなと思いました。
ちなみに、碧南市のふるさと納税の返礼品にもなっています。

4.杉浦味醂

こちらでは、まさに仕込みの最中を見学させていただきました。
蒸し上がったもち米と、昨日できた米麹を合わせる工程。
見たことのない量の熱々のもち米の迫力と、お米の甘い香りが漂う、まさにリアルならではの体験でした。
麹を作ることもある私にとって、身近な材料にウキウキです。

蒸したもち米

杉浦さんのみりんは、甘さの強さが特徴で、スイーツなどにも使われているとのこと。
キャラメルや、パン、マドレーヌのオリジナル商品だけでなく、カフェなどでも使われているそうです。
試食させていただきましたが、これがみりんの甘さ?と驚きでした。

TVで紹介されたこともあり、最近は需要が伸び、増産したりと大忙しのようでした。
ここでは、特に甘さの強い3年熟成のみりんを購入しました。

あいざくら3年熟成

商品開発や、作り方など新しい挑戦を楽しまれているようで、活気を感じました。

感じたこと

ツアーを通して、
みりんって、こんなにおいしいものなのか。
そして、この美味しいみりんで作るから、あとは醤油と出汁だけで料理ができてしまうのか。
その秘密は、材料にこだわり(品種や国産)、手の込んだ工程と期間を経て、丁寧に作られているからなのか。
と強く感じました。

そして、この「国産」という考えにも、ハッとしました。
私は、「国産」にそこまでこだわりもなく、受給率や農薬の問題などの情報も収集はしていますが、リアル感に乏しく、まぁ国産の方がいいかなレベルでした。
値段によっては、輸入品だってよく使うし。
でも、今回、お店で売っているみりんのほとんどが輸入米が使われていることに改めて疑問を感じました。
外国産米の安さや、貿易摩擦解消のために輸入しないといけなくしている現状、そして、米余りで減反している国内は、ますます生産量は減るシナリオを描いていることに矛盾を感じました。
海外の農家を守って、自国の農作物を衰弱させているのか。
もう、米作り日本ではないのです。
わが家は自分たち用の米は自作していていて、米を身近に感じるので、余計に違和感があります。

結局は、国産を大切にすることは、作り手の農家を守るだけでなく、
近い将来の自分たちの食糧難と直結している。
その危機感から、いまさらですが、初めて自分事としてとらえました。
農家という自分とちょっと離れたところという感覚になりがちですが、
作る人も、作る仕組みも、材料もなくなる問題は、
明日の自分たちの食事と強くリンクしているのです。
安易に安いモノを選び続けることの恐ろしさはここにあります。
今さらですが、自分事として、国産を選ぶことの意味を考えました。

このように、みりんの良さだけでなく、
自分の食べているものについても考える機会になりました。

とはいっても、仲良くなった参加者の方とおしゃべりしながら、
「あぁ、今日はみりん晩酌かな(笑)」とかウキウキしながら電車で帰りましたよ。

たくさん買ったな(笑)

実は、ツアー日は予定で行けず諦めていたのですが、いろんなラッキーが重なり、直前のキャンセル空きに滑りこみで申し込め、それこそラッキーでした。

今回は、愛知県ツーリズムの模擬ツアーだったそうで、
今後もこのような体験ツアーが企画されているようなのでご利用ください。
(「あいちツウリズム」で検索?)

すてきな企画、メーカーの方々、ガイドの下倉さん、担当者方、ありがとうございました。


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