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脳卒中患者だった理学療法士が、「note」を始めた理由。

はじめまして。

脳卒中患者だった理学療法士の小林純也です。


普段は、千葉県の回復期リハビリテーション病院で勤務しつつ、「脳卒中フェスティバル」というイベントの代表をしています。

(脳卒中フェスティバルはコチラ↓)


現在、こちらの文章を書いているのが平成31年2月11日の朝6時30分。

昨日、家族(妻と娘)で、東京ディズニーランドに行き、ご飯を作ったりお風呂に入ったりとあーだこーだしていたら、疲れてリビングで寝落ちしてしまい、右半身がガビガビに固まった状態で書いています。

なんで右半身だけ氷点下-30度で濡れタオルをブン回したみたいにガビガビかというと、

タイトルにもある通り、私が脳卒中(脳梗塞)を経験しているから。

ちなみに、これが私の脳画像。退院時にもらった紙のデータをスキャンしてるから、画質が悪いですね。


どこに梗塞部分があるかわかりますか?


「ここかな?」と思ったアナタ。


おそらく正解です。



この赤丸に囲まれた部分。


色が白くなってますよね?


この部分が梗塞部位です。


自分の脳画像を見て、「脳梗塞=黒くなる」と思われている方もいるかと思いますが、画像の撮り方によって変わるんですね。 


13年前、23歳の若さで発症したこの体は環境変化に敏感で、寒い日は強張るし、低気圧の日は痺れが強まるし。

まあデリケートなんですね。

このnoteは、そんな脳卒中を経験してから、リハビリの専門家である理学療法士となった私が、これまで体験してきたことや学んだことを書いていこうと思います。

なんでそんなことをするのか?


それは、健常者と脳卒中経験者との間には、見えない「心の溝」が存在していて、それを無くしていきたいから。

これね、「そんなことないよ!」って思われる方も多いと思うんですけど、いやはや脳卒中を経験した方の大多数は感じているんですね。


肌感で言うと、95%くらいの脳卒中経験者は、溝を感じたことがあると思います。


退院してからは、ただでさえ色々なギャップにさいなまれます。


今まで当たり前に出来ていたことが出来なくなる体験が多すぎるんですよね。

例えば、発症前は上り下りできた階段を使うことが難しくなり、


エスカレーターを利用しようにも勝手に進んでいく床面が怖くて、


エレベーターを選択するものの、どこにあるかが分かりづらかったり。


信号を渡るにも凄く気を使い、渡り切れなかったらどうしようと考えるあまり、まだ青なのに止まり、次に青になるのを待ってみたり。


もっと言うと、脳卒中特有の後遺症のせいで、朝起きてから夜寝るまで、日常生活の一場面一場面で、喪失体験が多すぎるんです。


これは、ある意味で年間罹患者数20万人、総罹患者数150万人ともいわれ、要介護(日常生活で他人の助けが必要となること)の原因疾患第一位である、脳卒中特有のものかもしれません。


環境的なギャップだけでも、こんなにしんどいのに、これに金銭的な問題や周囲の人に対する不安まで追い打ちされたら、なかなかのしんどさです。


残業が終わり「はー、やっと仕事終わって帰れるぞっ」て時に、上司から「あ、これもやっといてー。今日中ね」っていわれて、それがまあまあの課題だった時よりキツイです。

事実、脳卒中を経験された方の約4割の方が、外出できる身体能力はあるのに、閉じこもりになるとさえ言われています。

これって、かなり外部環境の影響が大きいことを示していると思うんですよね。


せっかく助かった命。しかも、あの地獄を乗り越えたのに、もったいなさすぎる!!


それに、例え障がいがあっても、そして障がいの程度が重度でも人生を謳歌している脳卒中経験者って確かにいるんです!!


このnoteが、少しでも脳卒中を経験された方や医療。介護職の方々の助けとなれば幸いです。


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