藍凛@梅の忠実なる下僕

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止まった時間をもう一度・・・

「......○○。私、アイドルになった」 どこかで聞いたことある声。 「ごめん.....いきなりこんなこと言って」 あぁ、これは夢か..... 瞬時にそう認識できたのは、目の前に、いるばすのない彼女がいたから 高一の夏 俺の人生の中で、唯一にして最大の後悔をした日 どんなに願っても もう戻ることはできない ○○:ん、んぁ.....? いつの間にか、寝てたようだ。 欠伸をしながら目を開けると、俺は異変を感じた。 規則正しい振動 瞬く間に流れていく景色

    • 坂道神楽戦争 2話

      季節は春。 春の名物詩である桜が満開に咲き誇り、その桜の木の下を新品の制服に身を包んだ生徒達が歩いている。 ひとつのことが、新たに始まるこの日。 とある宿命を背負った少女が、ここ、『フリージア学園』に足を踏み入れようとしていた。 「ふぅ....今日から高校生、か」 目の前にそびえ立つ校舎を見つめながら、消え入りそうな小さい声でそっと呟く。 春の暖かな陽射しに照らされ、茶色味がかった長い髪が風に吹かれて揺れた。 少女の手には、先日自宅にて受け取った生徒手帳が握られ

      • ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 18話

        ライブから帰ってきたら、一つの些細な出来事があった。 それは、死神のさくらが実家(?)に帰ったということ。 ライブから帰ってきて寝ようとしたところ、枕元に一枚の紙が置いてあった。その紙には、 〝実家に帰ります〟 という、まるで別居を宣言した妻のような書き置きを残していったのだ。 実家って、尸魂界か? なんて一瞬思ったけど、まあ、それは置いておこう 時は、さくらが帰省?してから数日経ったある日。 ○○:ふわぁ〜、眠っ..... 目覚まし時計で強制的に目が覚めた

        • とある少女の初恋物語

          「おはよ〜」 いつもと変わらない朝。 朝食がのったトレイをテーブルに置いて、先に食べ始めていた友達に挨拶する。 「おはよう、ひいちゃん!」 ニコッと笑いながら、大阪弁で挨拶を返してきてくれたのは、田村保乃ちゃん。 入学してすぐの席順で、隣どうしになったことがきっかけで仲良くなった。 一人で福岡から来て、不安だった私に優しく声をかけてくれたのは、すごく嬉しかった。 「おはよ〜! って、ひかる。いつもより起きるの早くない?」 少し驚いたような顔でそう言ってきたのは

        止まった時間をもう一度・・・

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        • 僕は僕を好きになる
          1本
        • 中編 まとめ
          1本
        • さく、メイドになるってよ まとめ
          10本
        • ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 まとめ
          6本
        • 坂道神楽戦争 まとめ
          2本
        • Bless to You from the Saint
          4本

        記事

          坂道神楽戦争 1話

          「いい? これから何があっても、ーー達は家族やで?」 桜が咲き誇るとある日。 満開に咲く一本の桜の木の下に、2人の少女がいた。 「もちろん! 切っても切れない縁だね!」 関西弁で話す少女に、ちびっこ少女が満面の笑みで答える。 「そういうこと。って、○○、聞いてる?」 関西弁の少女が呆れたような表情をしながら、桜の木の上で横になっているーー○○と呼ばれた少年に問いかける。 ○○:ん....もち。聞いてるよ〜 「もうっ....その返事は聞いてへんかったね。せっかく

          僕は僕を好きになる

          "本番5秒前、4、3、2........" MC男:はい! 今週も始まりました 『おしゃれアルバム』!" MC女:今回のゲストは、国民的アイドルグループ〝Route46〟のメンバーで、最高の世代の一人、山下美月さんです! 美月:よろしくお願いしま〜す! 毎週日曜日の夜に放送される大人気番組。その収録が始まった。 今回の収録は、3年前から『最高の世代特集』という名前で特番として放送されていて、今年は私がゲストに呼ばれた。 ちなみに、今日はその特番用に4本撮りで私がラ

          僕は僕を好きになる

          さく、メイドになるってよ 13話

          みなさん、こんちには 新人メイドの遠藤さくらです! なんか戦いが始まろうとしていた前回ですが、何故こうなったかというと、それは少し前まで遡ります。 さくら:これお土産です。みなさんで、どうぞ セイデン王国の王都のお店で買ってきたお土産(ほとんどお菓子)を机に上に広げた。 美月:あっ、これ有名なお店のやつじゃん! 遥香:美月さん! こっちのお菓子、高いやつですよ! 美月:おっ、かっきー、ありがとう! かっきーが見つけたお菓子をパクッと食べてる美月さん。幸せそうな

          さく、メイドになるってよ 13話

          さく、メイドになるってよ 12話

          さくら:ただいま帰りました〜 王宮に帰ってきた私は、○○様達と一緒にお部屋に戻ると、 「「「○○(様)!!!」」」 さくら:うわっ! ビックリした.... くじ引きに負けて留守番していた美月さん達に迎えられた。 ○○:みんな、どうしたの? 美月:どうしたのじゃないよ! 襲われたって聞いて心配してたんだよ!? ○○:あー、それね。大丈夫だったよ。美波と祐希、蓮加のおかけでね ○○様がそう言うと、三人ともお手本のようなドヤ顔になる。 美月:むぅ.... さくら

          さく、メイドになるってよ 12話

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 17話

          どうも、みなさん。こんにちは あやめです 6月8日生まれで双子座。ついこの間10歳になった、ピチピチの小学4年生です 今まで、まともな出番がなかった私だけど、今回の物語りは私が主役なんです それでは、どうぞ! あやめ:ん.....んんんっ〜! 去年、蓮加ちゃんに新しく買ってもらった目覚まし時計のアラーム音で私は目を覚ました。 時刻は朝の10時をちょっと過ぎたくらい。部屋の窓からは、暖かい陽射しが差し込んでいる。 私は、まだ眠たい目を擦りながらベッドから降りた時

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 17話

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 高校生編 〜委員会決め〜

          ○○:(........めっちゃ気まずい) 現在、乃木高は放課後。 部活やら何やらで校庭や体育館が賑わっている分、校舎の中は比較的静かだった。時折、3階の音楽室から吹奏楽部の演奏が聞こえてくるくらい。 そんな中、○○は図書室にいた。 別に本を読むために来た訳じゃない。○○の愛読書はジャンプをはじめとした漫画であり、小説はからっきし。そのため、○○がここに来る理由は一つもない。 そして、今の図書室には、本を借りに来る人も読みに来る人も皆無。○○ただ一人だけの図書室。

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 高校生編 〜委員会決め〜

          さく、メイドになるってよ 11話

          美波の前に、突如として現れたアークリッチ。 クルルド:も、もう終わりだぁ..... 頭を抱えて項垂れるインテリ眼鏡(笑)のクルルド。 美波:与田、下がってて。私がやるから 祐希:い〜や! 祐希がやる! 梅の方こそ下がっててよ! 泣きべそをかいているクルルドを余所に、アークリッチを前にしても一ミリも怯んでない美波と祐希。 リッチ:人間ゴトキガが我に歯向カウナド、許スマジ! 怒りを露わにしたアークリッチ。黒いモヤのようなものが形を成していき、漆黒の槍と化す。そして、

          さく、メイドになるってよ 11話

          Bless to You from the Saint Ⅲ

          ━━プリフィカトリ本部 バチカンの中心に位置するサン・ピエトロ大聖堂。 その隣にあるシスティーナ礼拝堂の地下にあるのが、エクソシスト達が集まるーー対悪魔組織〝プリフィカトリ〟の本部。 先程、朝食を食べ終えた○○達が来ていたところでもある。 そこをエクソシスト達が慌ただしく行き交いしており、そこの中心で腕組みをしながらモニターを見ている〝プリフィカトリ〟の長官ーーアダム・ダイナム。 アダム:観測班、状況は? "アリス様が向かった美術館周辺は、すでに終結に向かっていま

          Bless to You from the Saint Ⅲ

          祓い、護る者たち 43話

          松村:いくちゃん! あとちょっとやで!! 七瀬達の戦場から反対側のエリアで繰り広げられている松村隊と生田VS神格級霊魔の戦いは佳境に差し掛かっていた。 生田:術式展開〝万象聖歌〟ッ!!! トドメを刺すために、再度術式を発動。瞬間、眩い純白の光が周囲に拡がり、辺りを包み込む。 生田:ーー第六曲〝凍てつく世界と哀しみの唄〟!! ハッキリとしたよく通る声で、術の言霊が響き渡る。すると、周囲の気温が一気に下がり、地面に霜が降り始める。 そして、次の瞬間、吹雪が発生した。荒

          祓い、護る者たち 43話

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 高校生編 〜自己紹介〜

          入学式が終わり、教室へと戻ろうとしていた○○が連れて行かれたのは職員室ーーの隣にあるカウンセラー室と呼ばれている部屋だった。 ○○:用って、何ですか? 近くにあったソファに腰掛けた○○は、ただ一言、新内に問いただす。しかし、新内は○○の質問には答えずに、真新しいサーバーを使ってコーヒーを入れている。 新内:はいこれ。あっ、砂糖とミルクいる? 両手に持ったコーヒーのうちの片方を○○の前に差し出す新内。 ○○:いや、ブラックで大丈夫です 新内:おぉ〜、大人だね〜笑

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 高校生編 〜自己紹介〜

          さく、メイドになるってよ 10話

          「いきなり、斬ると言われましてもね。とりあえず私の話を聞いてもらいましょうか」 対面してわずか5秒での斬殺宣言。しかし、そんな美波の言葉にも余裕の笑みを崩さずに返答するインテリ眼鏡な男。 美波:話、とは? 「そうです。私達はーーへぶしっ!!?」 何やら話し始めたインテリ眼鏡だったが、それ以上話すことなく姿を消した。代わりにインテリ眼鏡がいた場所には拳を突き出した与田の姿が。 美波:与田、何してるの? 祐希:なんかムカついたから殴った 拳を握った状態で「えっ、何か

          さく、メイドになるってよ 10話

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 16話

          ライブが終わって、俺達3人はアポ無しで楽屋へと向かっていた。 ステージ裏では、ライブ終わりだというのに黒いTシャツを着た大人達が慌ただしく駆け回っている。 背中に白い文字で〝STAFF〟と印字されてるから、ライブ関係者なんだろう。 ○○:てか、奈々未。お前、楽屋の場所って分かってんのか? 奈々未:さぁ....? 深川:いや、「さぁ....」って....分かってる訳じゃなかったんだね 奈々未:まあ、歩いてればそのうち着くでしょ なんて言いながら呑気に歩いている。

          ハイスペックな兄、転生したら妹の子供だった件 16話