Nobby

「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」(幸若舞「敦盛」より) 気づくと、…

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「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」(幸若舞「敦盛」より) 気づくと、その50年を過ぎています(汗)。だから一瞬一瞬がボーナスステージ、サドンデスだと思って生きています。

最近の記事

職場の隅の哲学者

若い頃、仕事にやりがいを感じずにグレかけていた自分に、30歳くらい歳上の先輩が言ってくれた。 先:「ふーん。おまえはバカだなぁ。」 の:「なんでですか?」 先:「朝起きて、今日やる仕事がある。これに勝るシアワセなんてないね。」 の:「そんなもんですかねー」 先:「そうだ。高望みするからグレるし、グレるから自分ができることすら視えなくなるんだ」 タバコの煙をぷはーっとはきながら話をしてくれた先輩の姿は、今でもその時の周りの風景と共に脳内に強く残っている。 しばらく前に職場の話し

    • 伴走してくれたのは、ナゴヤの街だったこと

      伴走するためのテザーロープを握っていたのは自分だけれど、42㎞を通じて移動しながら沿道で声を張り上げて応援してくれた仲間達、ビブスに書かれた名前を見て「たっちん、頑張ってね♪」と声をかけてくれた女性ランナーたち、つまり街全体が2万人近くの女性たちを伴走した日、それがウイメンズマラソンなのだと思う。 10㎞過ぎからスイッチが切り替わり、1㎞7分10秒前後の安定したペースで最後まで走り、ゴールした後、「頑張ったよね!」と涙を流すたっちんをハグしながら思わずもらい泣き。ランナーで

      • 褒められるより、かけがえのない達成感がいい

        先週末、いつもの伴走練習会に、ワラーチで繋がった方が伴走体験にやってきました。その方がこれから伴走の世界にハマっていくか、楽しみに見守りたいと思いますが、後日、彼のSNSにこんなことが書いてありました。 「ある方は言った。『余裕綽綽で目が見えず耳が聞こえない人を助ける』という状況にしたくない、と。より力をつけてから伴走を考えていたのだけれど、この言葉にハッと心を打たれた。イーブンでいいんだと。ともに高め合えばいいんだと。緊張感の中で成し遂げてこそ、かけがえのない達成感がある

        • ヌゲバワカル。ヌゲバカワル。

          週末はワラーチ作りや試作にあけくれた二日間。いつもの喫茶店に同じ会社の若い仲間たちに集まってもらい、一足ずつ気持ちを込めて作る。会社の仲間たちからは材料費も頂かないのが一応マイルール。 「仕事の成果で返してくれればいいよ」ということにはしているけれど、実のところ本当の気持ちはちょっと違う。未来の仲間に教えてもらった渋沢寿一先生の本: 人は自然の一部である ”日本人は「仕事と稼ぎ」という概念を作りました。山村では仕事と稼ぎの両方が出来て一人前なのです。「稼ぎ」とは、自分たち

        職場の隅の哲学者

          選択肢があること、先に進めること

          おはようございます。今晩から寒波が到来するようで、朝の時点では気温こそそれほど下がっていないものの、空気の中に冷たい風がマーブル状に紛れ込んでいるのを感じる朝です。いつもと違うジョグコースで1㎞続く長い坂を登って暖まった身体にあたる冷たい風が、サウナから出た後の水風呂みたいで気持ちいい(笑)。 QoL(Quality of Life)という言葉が用いられるようになって久しいですが、言葉が出てきた当初、自分にとって「高いQoL」とは、「選択肢があること」・・・多すぎず少なすぎ

          選択肢があること、先に進めること

          あたたかさも いたみさえも

          穏やかで雲ひとつない暖かな元旦の朝、初日の出とともにお日様の暖かさを感じます。素足だからこそ感じる暖かみがあるのなら、素足だからこそ感じる痛みもある。分厚いゴム底に覆われた靴より、きっとワラーチの方がそんな気持ちを感じられるのだろう。「ワラーチ、作ってみたいな・・」「愛用のワラーチ、直したいな・・」という声は、そんなひとの気持ちが言葉になって現れてきたものなのかもしれない。 なーんて感じた優しい気持ちの朝。 May the huaraches be with you. 素敵な

          あたたかさも いたみさえも

          生きているという実感

          「青菜炒めを食べられたらいいよ(笑)」・・その言葉をそのまま受け止めて、彼らの宿の近くの中華料理屋に入ったのはこれが初めてでなく、3年前に彼らがFord F350を改造したキャンピングカーで国内の幾つかの素敵な場所でイベントをやって回った最終目的地が名古屋だった時も、やっぱり兄貴のリクエストは同じでした。 今回、厳しい暑さの中を4日間、一日70〜80km自転車で走ってきた兄貴と姉貴は64歳と63歳。「なんで名古屋なの?」。。。出発前も、その途中も何度も受けた質問について、兄

          生きているという実感

          しごとのいぎにきづかされたこと

          次女が大学を卒業して、某製造業のソフトウェアエンジニアとして働き始めました。そんな次女の入社初日の夜のおはなし。 私が帰宅して食卓につくなり、ため息をつく次女。 私「どうだった?」 次女「えー?疲れた(笑)」 私「疲れたって、まだ入社式とちょっとした導入教育くらいでしょ(笑)」 次女「だから疲れた。立ってるか、座ってるかだから」 私「いずれ現場実習が始まるから、そいつはキツイけれど、楽しいと思うよ」 次女「うん、工場実習楽しみ。でもさ、パパ」 私「なに?」

          しごとのいぎにきづかされたこと

          Yさんのこと

          どんな年齢でも性別でも、偉い人でもそうでない人でも態度が全く変わらず、暖かい、というか「分厚い」感じで接してくれる人でした。出逢ったのは、私がワラーチとか裸足に本格的に凝り始めたころだから、もう8年くらい前。少し強面、笑うと可愛くなる笑顔の持ち主。当時すでに色々な大会を、かなり再現度高い飛脚の恰好(草鞋、褌、入れ墨のシール)で楽しそうに走っている姿をみて声をかけたところ、逆に僕のワラーチに興味を示してくれて、根掘り葉掘り聞いてこられ、すぐにその後作らせていただくことになり、そ

          Yさんのこと

          インクルージョン〜包摂性について思うこと

          たくさんの誕生日メッセージに心がポカポカの夜です。 今日はカナダの生物学者David Suzuki著「いのちの中にある地球〜最終講義:持続可能な未来のために」を読み返していました。 よくネットで引用される彼のQuote: “The way we see the world shapes the way we treat it. If a mountain is a deity, not a pile of ore; if a river is one of the ve

          インクルージョン〜包摂性について思うこと

          みえるとみえなくなる

          このあいだ、伴走仲間(晴眼者のガイド)から、面白いから読んで見るといいよと: 「視界良好<1><2>」河野泰弘著 視界良好―先天性全盲の私が生活している世界 視界良好〈2〉視覚障害の状態を生きる を紹介されました。 先天性全盲の著者が「捉えている」モノは、Vision(視覚)で環境認識することが当たり前になっている晴眼者のモノとかなり異なること、触覚や聴覚というモーダルから感じる入力で頭の中により複合的な認識が形作られているという著者の表現を読むと、視覚に頼っている自分の脳

          みえるとみえなくなる

          What Starts Here Changes the World

          連続ジョギングチャレンジは今朝で1644日目。ジョギングと言ってもキロ4分で飛ばすわけでもなく、1時間たっぷり汗をかくわけでもない、老人徘徊にちかい(笑)緩いペースなので、実際のところ、走ることそのものは大したことはないです。「すごい!」と言われるたびに、「いや、大したことないよ・・」と答えるのは、本当にすごくないジョギングだからです。 ただ「すごくない『自分』を変えたい」という思いだけは昔も今も、特に柄にもなく偉そうな名刺を持つことになって以降は、より強く思うようになってい

          What Starts Here Changes the World

          Youの視点

          おはようございます。早朝、街が起きる前の表情を眺め、香りを感じながらの徘徊ジョグが楽しい、旅先の朝です。 仕事や事業をしていると、「お客様目線で」、「Youの視点で」考え、動くことを啓発される機会が大なり小なり多くあると思いますが、この言葉は多くの場合に誤解を引き起こしているんじゃないか・・。それを感じることが最近立て続けにおきたので、きょうはこのことを書いてみたい。 英語の表現で言うところの「put on one’s shoes」、その本来の意味は、「その対象物に自分自

          Youの視点

          How are you?

          おはようございます♪いい天気の週末でしたね。金木犀の香りが一段と強くなった感じ。香りを感じながらぼんやり散歩する平凡な週末。 ずっと一緒にやってきたベーシストが米国ミシガンに赴任したため穴が空き、Covid19も一段落したので人数を絞ってライブをやりたいのだけれど、ベースどうしようね・・と考えあぐねていたら、練習スタジオの掲示板に「やぁ、僕はアルフレッド。ポップス、ジャズ、ロック、どんなジャンルでもベースを弾きます。声をかけてくださいね!」という英語の張り紙があるのに気づき

          How are you?

          押してダメなら引いてみな

          おはようございます。冬の訪れを早朝裸足ジョグで踏み出す足裏、まさに肌で感じる毎日です(笑)。 不整地20km強を1キロあたり5分を少し切るペースで走っても足裏は無傷。「象の皮膚みたいな足裏になっていませんか?」とよく聞かれます。でも触っていただくとわかりますが(笑)、おそらくほとんどの方の足裏よりも柔らかい。表面の角質はやや硬めですが、その裏にたっぷりとした脂肪層ができている印象。あと10世代くらいこういう生活をすると、私の子孫には肉球ができている気がします(笑)。 裸足

          押してダメなら引いてみな

          共に走る

          おはようございます♪爽やかな朝ですね。 久しぶりに晴天に恵まれた週末の日曜日は、主催しているランニングクラブのメンバーと一緒に京都のマラソン大会に参加してきました。特にコロナ禍になって以降、一人でマラソン大会に参加する機会はぐっと減り、ほとんが伴走、ペーサー。結果的には「思い切ってスピードを上げる」という走り方をほとんどしていませんでした。 今回はメンバーもそれぞれ走るものの、私は単独で裸足20kmの部に挑戦、気温が30℃以上まで上がる10月とは思えない天気の中をスタートし

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