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採用がうまく行っていた時、そこには優れたオペレーションのプロがいた

いくつかの会社で採用を担当しました。そして採用がうまくいっている会社・うまくいかず苦戦している会社、どちらの会社も経験しました。
採用がうまく行っている会社は、平均年収が高い・優秀なプロダクトがある・採用戦略が確立されている、などと言われることが多いです。もちろん採用活動を行う際、これらの要素のおかげで助けられたことはありました。しかし、うまく行っている時でもきれいな戦略があったわけではなく、日々試行錯誤の繰り返しでした。うまくいっているかは後から振り返ってわかることが多く、やっている時は必死で取り組みましたし、幾度となく失敗をしました。

ではうまくいっている時は何がよかったのか?それは、採用チームの信頼度でした。採用チームが周囲から信頼されている時の採用活動は実にうまくいっていました。そしてその時は、とても信頼のおける方が採用オペレーションを担っていました

ということで、今回のnoteでは、採用オペレーションに関わる方がどのような動きをしている時に採用がうまくいっていたか?を紹介します。

採用オペレーションとは何か

採用オペレーションの主な業務は次のとおりです。

  • 人材の募集(人材要件の確定、求人票作成、求人票の掲載)

  • 母集団形成(会社説明会集客、人材紹介会社からの推薦、スカウト)

  • 選考(面接選考、適性検査選考、合否協議)

  • 内定通知、クロージング

採用オペレーションとはこれらの対応を、採用管理システム・メール・ Excelやスプレッドシートなどのツールを使用しながら行います。

採用業務は複雑なことは少なく、そして、利用するシステムもユーザーにわかりやすく作られています。

また、就活生だった頃は自分自身が採用される立場でした。就活していた頃の人事担当の仕事ぶりを思い出すと、採用はわりとイメージがつきやすい業務です。そういう理由もあり、とても覚えやすい業務であり業務理解のハードルも高くはありません。したがって、業務を理解し独力で日々のオペレーションを行うまでそれほど長い期間はかからないことが多いです。
ただし次の2つの業務特性があり、これらに対応できる力が必要です。

選考にかかわるステークホルダーが多い

業務には、採用候補者・採用したい部門のリクルーター・面接官・人材紹介会社の営業担当そして採用候補者という具合に、とても多くの方が関わっています。関わる人が増えると業務が複雑になりコミュニケーションの難易度も増します。一人ひとりに正しく情報を伝える・正しい情報を収集して違う人に伝えるようなシチュエーションが増えます。

スピード感を持ち対応する必要がある

優れた候補者は、他社からも高い評価を受けています。他社選考が早く進んでいる場合はその進捗に合わせて自社の選考を進める必要があり、スピード感を持って対応する必要があります。

どういう雇用形態の人が多いか

採用オペレーションの一つ一つの業務は決して難しくはありません。採用オペレーションができる人は、自社内にもたくさんいると思います。にもかかわらず、採用オペレーション担当者を正社員で賄うケースはそれほど多くありません。専属の派遣社員を雇ったり、RPO企業などにアウトーソーシングをしていることが多いです。正社員が担当している場合でも、一緒に働くメンバーは非正規雇用の方が担うケースも多いです。

この理由は主に2つあります。ひとつは、特に新卒採用は季節労働的な場合が多く時期によって繁閑の差があることです。忙しい時期に有期雇用者を追加する方がリーズナブルです。
しかし近年の新卒採用は通年化しており、季節労働の側面はどんどん弱まってきています。にもかかわらずオペレーションを派遣社員や業務委託に頼り続ける理由はなんなのでしょうか?

その理由は、採用オペレーション担当は誰でもできる仕事ではないからなのです。関わる人も多くスピード感も大事な仕事、誰でもできるわけではないです。採用事務が円滑に進むことが極めて重要であり、そのためには採用オペレーション担当者には絶対に優れた人を配置すべきだというることを認識していて、社内よりも社外の方が優れた人が多いというのを暗黙の理解としています。

採用オペレーションが上手な人の共通マインド

ここからは、僕が採用がうまくいっていた時に一緒に働いていた人がどんなことをしていたかを紹介していきます。
採用業務は、マニュアルなどで決められた事務処理を行うだけでなく、マニュアルにはない細かい作業が発生します。そして、マニュアルにはない部分をに率先して取り組んでいる人が採用業務を支えていました。

ワンチームを意識していた

採用活動には必ず計画があり、採用人数の目標や期日をもとに動いています。そして目標達成に向けて採用チームが一生懸命取り組んでいます。

採用オペレーションが上手な方はこのような状況を理解し、目標を一緒に達成する仲間意識が高く、みんなで一緒にがんばろうというスタンスを持っている方でした。

実際、採用は結構忙しい仕事です。業務量も多かったり、候補者の方によっては夜しか対応が困難だったり・・・時間外勤務の発生しやすい仕事です。また、スカウトなどは地道にコツコツと合いそうな候補者を調べたり、一人一人の職務経歴書を見ながら文面をアジャストしたりといった、集中力がいる仕事も多いです。みんな大変な思いをして仕事をしている環境ですが、そのことを理解し自分もその一役を担うんだというつもりでやっていただける方がいた時、採用がうまくいっていました。

リズムを作り、リズムに相手を巻き込んでいた

採用はとにかくスピードが命。良い候補者に出会えたら、良いリズムで選考結果を連絡し、熱が冷めないうちに次の面接をセットします。そしてお互いが良いリズムに乗りながらアトラクトし、クロージングに持っていく必要があります。

候補者だけではなく、社内の面接官もリズムに乗せる必要があります。面接合格者から良い感想をいただけた場合は面接官にも共有し、面接官自身の本気度を上げる。この積み重ねが現行部門の面接官が採用活動に興味関心を持ち、やりがいを持つことで、前向きに採用活動に従事してもらえるようになります。

採用オペレーションが上手な人はリズムの作り方・リズムの乗せ方が上手い方でもありました。

オーナーシップを持って業務を回していた

関わる人が多いと一人ひとりのパーソナリティの幅も増えます。いろいろな性格の方々と同じ仕事をすると、どうしてもうまく伝わっていない誤解が生じてしまう・・・。そのままにすると、選考スピードが落ちてしまったり、相手とのトラブルになることがあります。最悪の場合大事な候補者の機会損失にもつながりかねないです。

採用オペレーションが上手な方は、問題が起きた場合次にどうすれば解決していけるか、自分の力で考えて行動できていました。イチイチ上司に指示を仰いでいては時間はかかるし負担も増える。自己判断で進めるべきこと・上司に相談したほうがよいこと、これらを自分で判断して対応を進めていました。

一つ一つの仕事にオーナーシップを持って取り組んでいれば、自分で意見や判断軸を持ち仕事ができます。自分で解決すべきか相談すべきか、自分で意見や判断軸を持つことでだんだんわかってきます。こういったことが自然とできている方がいると、採用がうまくいっていました。

信頼のおける採用オペレーションのプロを配置・育成しよう

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

採用業務の大部分はオペレーションです。オペレーションの質を高めることは、採用の大部分の質を高めることにつながります。そしてオペレーションは人が担うもの、素晴らしいオペレーションのプロにJOINいただくことで、採用活動の質が高まります。ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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