イケメンで遊び回る20代を過ごしてみたかった
山本文緒 著『きっと君は泣く』の小説を読んで。
※内容はグダグダです
僕は 20代の頃全くと言っていいほど遊んでこなかった。
20代の前半には iPhoneが普及していて、ゲイ系の出会い系マッチングアプリも出始めていたので、そのうちの一つに登録して出会いを求めたりしていた。
実家は田舎の方だったので人が少ないということもあってか、いつフィードを見ても同じような顔が並ぶばかりで代わり映えがしなかった。
たまにはメッセージのやり取りをしてリアルすることもあったけれど、イケメンではないこともあって、初対面したときは相手の顔に残念な表情が浮かぶのを何度も見てきたので、ますます自分の外見に自信がなくなっていた。
この小説に主人公・椿のように整形をして生まれ変わりたいと何度思ったか知れない。
椿は可愛がってくれた祖母に整形資金を出してもらって美人になれたのだけど、僕にはそんな存在がいなかったので整形することは叶わなかった。
イケメンではないということもあり、どうせリアルをしたところでモテないだろうと思っていたので、こんな顔でも好きだと言ってくれる人が現れると、この機会を逃してはなるものかと思って付き合ってみたりもした。
もしイケメンに生まれてきていたとしたら、学生時代から女子からもチヤホヤされるような容姿をしていたら、僕は遊び回っていたかもしれない。
それは今となって言えるわけで、当時はどうなっていたかわからないけれど、少なくとも自分の容姿は周りに受けるんだと自信がついていただろう。
マッチングアプリでもメッセージがたくさんきていたら、色んな人とリアルしてたくさん経験をしていただろうと思う。
引く手あまたな人は次から次へと候補が現れるし、キープする相手もたくさんいるだろうから、誰かが離れていっても特に気にすることもないだろう。
ただ、この人は遊び人だと有名になってしまえばしまうほど、自分が本気で恋した相手が現れたときに、相手に信じてもらえなかったり、経験豊富なところに引いてしまわれたり、ただの遊び相手として軽く扱われてしまったりして、なかなか恋が成就しなさそうだな、というイメージがある。
実際のモテまくっているイケメンはどうだかわからないけれど、もし自分の相手がそんな人だったとしたら、恋愛関係になったとしてもすぐに遊び回って浮気もバンバンされるんだろうな、と思ってしまうので長続きしないだろう。
遊び人は遊び人で、本当に恋をしたときが大変なんじゃないかと思ったりする。
椿は凛として佇み、おばあちゃんになっても女性としての美しさや強さを持っている祖母に憧れていた。
そんな祖母も、物語の最後の方では意外な一面が浮き彫りにされて裏の顔を覗くことになるのだけど、自分がこうなりたい、というモデル像が近くにいることは羨ましいなと思う。
いつまでもジェントルマンで大人の男としての余裕と気品を保ち、服装もバシッと決めて精錬されている男性に憧れている。
とはいえそんな男性はなかなかいるものではなく、映画化ドラマの中でしか存在しない。
イケメンでなくても雰囲気イケメンを目指したいので、そういうのを教えてくれる人に出会ってみたい。
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