理解

元気いっぱいの無職/『回遊』という雑誌(ZINE)を作っています

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最近の記事

日記:大学というところと人間

大学っていいところだな、といつも思う。 大学院を修了してからも、何度か大学へ行く。 正門からすぐ近くに院生室があるので、友達にさらりと挨拶しにいく。大抵さらりとは済まなくて、楽しくなって長居してしまう。 それから院生室のある建物を出て、圧倒的な緑を放つ木々の間を歩く。 6年前、学部に入学して初めての授業の日、高校の頃の友人たちとクラスが離れてしまってひとりぼっちになった私は、広い教室を一瞬で見渡して、良い感じの――自分と同じ感じの――女の子たちが座っているあたりに腰を降ろ

    • 日記:散漫と散文、京都

      なんだか京都に縁がある。最近急に。 そういうわけで、いろんな人と会う約束を合わせて京都に行った。 私はさも神戸にいるかのようにネット上で振る舞っているがこれは完全に嘘である。神戸からうんと離れた片田舎にいる。だから私にとって京都は遠い。 いい場所であることは勿論知っている。私は中学生のころ森見作品を読み、「大学」たる場所を妄想し心躍らせていた。 そううまく行くはずもなく、というか私は単純に頭が良くないので進学先を選ぶことはできず、加えて私の血に脈々と流れるマイルドヤンキー

      • 本当は生活なんてどうでもいいけど、毎日服を着る

        本当のところは、生活なんてどうでもいいと思っている。 毎日何かを食べるとか、顔を洗うとか、風呂に入るとか、そういうことは全然したくない。 自分の信条や思想・思考のほうが自分の身体よりも、何百倍も重要だから、実を言うと生活なんて放っておいてしまいたい。 でも今の私は、身体がないままに思考することは不可能なので、身体を健康に、清潔に維持するために毎日毎日、来る日も来る日も「生活」している。 観念的な世界に生きようとしている友人がよく、メタバース上での生命維持を話す。固有の体な

        • 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』考察ー甲南読書会vol.15 https://note.com/konan_biblio/n/n2883d276860e 書きました!

        日記:大学というところと人間

        • 日記:散漫と散文、京都

        • 本当は生活なんてどうでもいいけど、毎日服を着る

        • 宮沢賢治『銀河鉄道の夜』考察ー甲南読書会vol.15 https://note.com/konan_biblio/n/n2883d276860e 書きました!

          私の大学院生活(文系地方私大修士課程の一例)

          学部3年生になった時、突然コロナ禍なるものがやってきて、大学に行くことを禁じられオンライン授業が始まった。 ついでに働いていたバイト先もコロナ禍の影響を受けて閉店し、私は働かない上に大学にも行かない人間になった。 当時の私はさほど大学に愛着もなかったので、「定期代が浮いたな」と思った。 その浮いた定期代約5万円で本を買った。 岩波文庫の白と青、講談社学術文庫にちくま学芸文庫、ブルーバックス、その他新書諸々、読みたかったけどあまり手元には置いていなかった本たち。 本を読んで、

          私の大学院生活(文系地方私大修士課程の一例)

          過去の女性の語り、今のフェミニズム―『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』を読んで

          『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』(2023,花束書房)、この本が私の手元にやってきたとき、その装丁の美しさに、凝らされた工夫に驚いてしまった。 学術書に多いA5サイズの本書は、カバーと本体が一体化している。これだけ聞くとよくある教科書と同じ点だが、表紙・裏表紙が内側に折り込まれ、そでの部分が存在している。見返しが2枚付いた状態で、その一枚目にカバーのように、一体化した表紙が折り込まれているのである。 そして表紙側のそでには北村兼子の写真が、裏表紙側のそでには

          過去の女性の語り、今のフェミニズム―『未来からきたフェミニスト 北村兼子と山川菊栄』を読んで