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「元気いっぱいの無職」終演

Twitterのbio欄は、2024年4月から「元気いっぱいの無職」と記載していた。
それまでは確か、「M2 社会学」みたいな表記だったと思う。

修士課程を出たのでbio欄になんて書けばよいのかわからなくなり、まあひとまず「無職」だろう、と思ったのだが、それだけだと面白くない。
そう思って「元気いっぱいの無職」と書いてみたのだが、あまりに正しく、過不足のないこの情報は大変しっくり来た。

私も勿論そういうわけで「元気いっぱいの無職」という自称を気に入っていたのだが、思いのほか評判も良かった。私のことを説明するのに人が「元気いっぱいの無職、の子!」という風に話していたのを聞いたり、直接この文言をえらく褒めてもらったりもした。

無職は無職でも、私ほど活動的な無職がいるだろうか、と思うほど、有難いことにあれやこれやと誘っていただき、自分自身の学びも諦めることなく(むしろ修士課程の時より捗った)、そして新たな出会いの多く続いた3か月だった。本当に幸せな無職だった。

とはいえ残念ながら、「元気いっぱいの無職」は昨日で終幕となったことを皆さまに報告しなければならない。
この気に入っていた一人称を失うのは非常に悲しいけれど、私は嘘をできる限りつきたくないので、きっちり諦めることにする。

7月から勤めることになり、まあそんなに安定したものではないのだけれど、「無職」と名乗るにはあまりに遠くなってしまった。

今でも勿論、労働なんかしたくないとは思っている。
私は生計を立てるために生きてるんじゃないし、ましてや働くために生きてるわけでは決してない。それだけは絶対に忘れずにいようと思う。
私の人生がまずあって、その脇に仕事だとか結婚だとか、そういうことがポロポロ落ちている。私はそれを気ままに拾ったり拾わなかったり捨てたりすることができる。それは社会の圧力ではなくて、私の気の思うまま、私の自由な選択による。

別にこれからの仕事を適当にやろうという話でもない。
私はタイミング、潮流のようなものに、適宜身を任せてみるという方針を取っている。縁ってそういうものだと思う。
「社会」には抗ってはいるのだけれども、身の周りの変化や誘いや、そういう出会いのようなものには流されていたい。ひとつの場所に居着くのもそれはそれで良いのだけれど、変化の兆しが見えたら飛び込んでみてもいいはずだ。変化は恐れるべきものではないし。

お仕事も縁があったものだと思うし、ひとまず精一杯頑張ってみる。
まだ当分、職場で私は使い物にならないただの迷惑メーカーになるのだろうけれど、少なくとも周りの人たちはみんな素敵で賢くて優しい。

職場の皆さんの名前が書かれているところに、わざわざ枠を足して私の名前の欄が作られていたのを見た時、なんだかほっとした。私とまだ一度も会っていない状況で、ここにいる人たちは私という新参者がやってくるのをしっかり準備して待っていてくれていたことに、とても嬉しくなった。
こんな変な時期に就職する謎の無職期間を携えた文系院卒なんてほとんど爆弾のようなものであるにも関わらず(もちろん私が爆弾である可能性は全く捨てきれない)、こまごまとした小さな歓迎が見えて安心した。
「出迎えてくれる」って素晴らしいことなんだな、と思った。

さて、問題はこれからのTwitter(及びその他諸々)のbio欄である。
直近で会った人たちに「来月から働くんです」と言うと、「え! じゃあ「元気いっぱいの無職」じゃなくなるの!?」と何度言われたことか。
別に働くからといって自認が「労働者」になるわけではないし、これからも「元気いっぱいの無職」マインドを忘れずにはいたい。

色々、と~っても悩んだ末に、今後は「居候」というワードを使っていこうと思う。なにか枕詞が欲しいけれど、まだ悩み中。ひとまず「自由気ままな居候」にしておこうと思う。

「居候してるんです~」と話すと、「ルームシェア? シェアハウス? 同棲?」だとか色々聞かれるけれど、ルームシェアでもシェアハウスでも同棲でもなく、本当に「居候」としか言いようがない。
大学の後輩の家に居候して、家主よりいい暮らしをしている(家主は私の部屋を見て「文明が来た」と言っていた)。
この状況もなんだかヘンテコで面白いので、気に入っている。「居候」という自認はかなり強くある。しかもかなり好き勝手に暮らしているし、本当に自由だ。問題は色々あるけれど、少しずつ改善していこうと思っている。家主と相談しながらね。


そういうわけで、「元気いっぱいの無職」、これにて終演です。
この文言をきっかけにフォローしてくださったみなさま、本当にありがとうございます。無職ではなくなるけれど、これからも元気に自由に、物事に関心を持っていたいと思いますので、今後ともどうぞよろしく。

自由気ままな居候より。

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