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東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた 数に強くなる本 人生が変わる授業

みなさん数字は得意ですか?
ぼくはマトン(羊の肉)と同じくらい苦手です。
2022年から施行される予定の高等学校指導要領(案)には、統計関連の教科内容が多くなっているそうです。これは、現代が人類史上最も「数字がものを言う時代」だからでITの技術が進歩し、機械学習のニーズが高まることによって、数字が判断と予測の基準となる世界が急速に広がっているのがその理由。
そこで今回の推薦書は“東大→JAXA→人気数学塾塾長が書いた 数に強くなる本 人生が変わる授業”です。

本書は、準備篇、教養篇、技術篇の3つに分かれていて“準備篇”の中で数字に強い人の条件というのがあり、

1. 数字を比べることができる。
2. 数字を作ることができる。
3. 数字の意味を知っている。
と定義されています。

“数字を比べることができる”とは、たとえばビックカメラなどの家電量販店で定価1万円の商品を買いたい場合、Aという店では20%割引で、Bという店では20%ポイント還元だとします。A店では1万円の20%割引だから、2000円安く買えます。一方のB店では1万円の商品と2000円分のポイントを手に入れたわけだから、1万2000円分の「価値」を1万円でかったことになるため、1万2000円に対して、2000円の割引をしてくれることになるからB店の割引率は17%ぐらいにしかならない。計算式にすると、2000円÷12000円。もし20%の現金割引と同じになるには25%のポイント還元と結構違うわけです。
このように数字は非常に強い説得力を持っていると本書は語っています。

また“数字を作る”とはある作業でアルバイトを雇うとき、経験者が一人で行うには100日かかる仕事があるとした場合、経験者には1、未経験者には0.8と数値化することで、のべ60人の経験者と、のべ50人の未経験者が必要だと計算ができ、仕事の熟練度や気持ちの強さを数値化して対象が持っている数字を漏らさず見つけられる能力とありました。
こんな感じで日常生活に例えながら数字アレルギーを軽減することができる本書。

中でも面白かったのは、“数字には物語が必要である”という章。
アクサ生命が25〜44歳までの働く女性600人を対象におこなった調査で、結婚相手に求める理想の年収:平均552.2万円に対して、愛する人に求める年収:約270.5万円だそうでその差額281.7万円が愛の価格なのではないかとまとめられていて、数字の意味を考える時も、数字を作るときも、数字が持っているストーリーをイメージすることはとても大切でそうすることによって数字と親しむことができるなぁと。

古代ギリシャの人々は、宇宙は数の調和で作られていると考えていて
その中で、宇宙の調和の根源原理は「ムジカ」であり、その調和は「ハルモニア」であると
それが英語の「ミュージック」と「ハーモニー」の語源となったそうです。
そして数学(mathematics)の語源はギリシャ語の「マテーマタ=学ぶべきもの」とありましたが、音楽が、“音を楽しむ”と書くように、数学の“ガク”も“楽”になるのはいつのことやら、、、

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