【詩】オレンジ

”これは君にしかできないことだよ"
"だから早くあいつらに火を点けて"
ぼく一人のためだけにある鉄塔から
今日も人体に有害な電波が出ている
体温が下がる飲み物ばかり飲むようになって
それからすべてが幻になった
美しい人やものが世界から消えていくたびに
なんだか賢くなったような気がするんだ
夜のせいかな
そのうち放火事件が起こるこの町でも
赤と黄を混ぜればオレンジになる
それだけで生きていけると思った
昇っているとみせかけて墜落しているぼくたちは
途中で色が変わる虹みたいに綺麗だろう