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週刊レキデンス

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2021年8月の記事一覧

週刊レキデンス ~第10回~ 糖尿病の初期の RCT は一体いつ?

週刊レキデンス ~第10回~ 糖尿病の初期の RCT は一体いつ?

糖尿病の治療に対して、インスリンが使われるようになりました。
ただこの時点では、「糖尿病の犬」に対して「膵臓抽出物≒インスリン」を投与したことで、血糖値が下がった。 というだけです。果たして、これがヒトに投与した場合、同様の結果を得られるのでしょうか?

DCCT試験が初期の大規模臨床試験?(糖尿病の場合)インスリンを人に投与して問題ないのか?同様の結果が得られるのか?という疑問について、現在であ

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週刊レキデンス ~第7回~ インクレチンってなんだろう?

週刊レキデンス ~第7回~ インクレチンってなんだろう?

ここ10年くらいは、DPP4-阻害薬やGLP-1作動薬等のインクレチン関連薬が次々に開発、承認、発売されています。そんなインクレチン関連薬は一体いつから注目されてきたのでしょうか? 今回はその疑問と最近のインクレチン関連薬について調べてみました。

インクレチンとは?DPP4-阻害薬やGLP-1作動薬はインクレチン関連薬と呼ばれます。それではインクレチンとは何なのでしょうか? 
インクレチンとは、

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週刊レキデンス ~第8回~ GLP1作動薬 注射と経口

週刊レキデンス ~第8回~ GLP1作動薬 注射と経口

前回は、インクレチンの歴史を遡ってみました。
インクレチンについて振り返ってみましょう。インクレチンとは、食事により腸管から分泌されるホルモンのことであり、それにはGLPとGIPがあります。このインクレチンは、血管を通って膵臓にたどり着き、β細胞からのインスリン分泌を促す事が出来ます。図1にまとめてみますとこの様な感じでしょうか。

この動きを補助的に行っていくのがGLP-1作動薬、またインクレチ

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週刊レキデンス ~第9回~ 糖尿病治療の始まり

糖尿病の歴史はどの様にして始まったのでしょうか?

日本で一番最初に糖尿病が報告された人物は、藤原道長と言われています。(1)

学生が見つけた?では、遡ってみましょう!時代は今から152年前である1869年です。 
当時、ドイツ ベルリンで、ある一人の学生が膵臓にある塊を発見しました。しかし、その当時は、まだその塊と糖尿病の関係性は解明されていませんでした。その塊を発見した彼が没した数年後、フラ

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