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「坂井聡著 知的障害や発達障害がある人とのコミュニケーションのトリセツ」読んでみた。

「今から上げるような悩みをあなたはお持ちですか?」


・周囲にいる人が私の話を聞いてくれない。
・言葉に反応はするが、ずれた内容ばかりされる。
・相手が何を考えているのか想像できない。

上にあげた悩みは誰もが
一度は経験したのではないでしょうか?

もしかするとあなたの話し相手は
「発達障害」や「知的障害」
持っているのかもしれません。

「いや、そうはいってもしゃべってはいるし……」

もし、あなたが
「言葉を話せる=コミュニケーションが取れる」
とお考えなのであれば今日、ここで
その考え方は捨ててください。

先日紹介した細谷功氏の著書
「無理の構造」でも触れている通り、
コミュニケーションという物自体そもそも幻想です。

本心という物は自分にしか分かりません。

しかし、それでも仕事のやり方や
次にとってほしい動き等、
どうしても伝えないといけない事はあり、
そこが伝わらないから悩んでいるのですよね。

もし言葉で伝えるよりも効果的な方法があれば
知りたくありませんか?
話すよりもいい方法は今回紹介する↓

「坂井聡著 知的障害や発達障害がある人とのコミュニケーションのトリセツ」

という本に書かれています。

著者について


まずは著者の坂井聡氏について簡単に解説します。

坂井氏は現在香川大学教育学部教授を務めていますが、
それ以前には小学校長、幼稚園長、福祉施設長等を
務めており、臨床心理士の資格も持つなど
まさに子供心、発達心理のエキスパートです。

「え、子供心?」

あなたは今首を傾げられたかもしれませんが、
本書の内容は大人同士のコミュニケーションでも応用出来ます。

便利な方法について

さて、本書で解説されている便利な方法、
それは「構造化」という物です。

構造化とは「伝える内容を視覚的かつ段階的に示していく事で
結果として行動を促していくという物です」
例えば更衣室が分かれていたり、

横断歩道で信号が青になったら渡るなどがあります。

つまり、社会の中で私たちが生活する内に
知らず知らず作られていた取り決めの方法を
応用しましょうという事です。

具体的には?


具体的にはどうするのかと言いますと

例えば学校で音楽室に行ってほしいのであれば
「おんがくしつ」と書かれたカードを見せて伝える事です。

一見すると思い通りに動かしている様にも思えますが、
著者は「分かりやすく伝えることが最優先であり、
無理やり言葉で伝える方が問題を起こす」

述べています。

もちろん構造化は相手を管理する手段ではありません。

本の中では著者の大失敗談も掲載されており、
構造化に魅了されたあまり、
手痛いしっぺ返しを食らっていました。

構造化の目的は管理ではないので、
相手の意思を無視しないようにしてください。

構造化の解説以外にも
著者が現在の支援、福祉について思っている事や
家庭での応用方法についても書かれています。

他の人が思っていることを知るという意味でも
あなたが悩んでいるなら読むべきです。

私の感想


ではここから私の感想ですが、
「構造化という物を知り、応用したいと思ったと同時に
現在の福祉がどれだけ問題を抱えているかも
よく分かった」と思いました。

構造化はここまで色々触れてきましたが
問題点については本の終盤で

「大きな音を立てるとパニックになる生徒がいるので
あえて大きな音を立てて慣れさせるようにしている」

という大問題な指導をしている「特別支援学校の教諭」
出てきた事で非常に印象に残っています。
通常学校どころか特別支援学校においても
大きな問題があるというのが現実です。

相手に言葉が伝わらず悩んでいるのであれば
一度今回登場した構造化を試してみてはいかがでしょうか?

まとめ


まとめると今回紹介した

「坂井聡著 
知的障害や発達障害がある人とのコミュニケーションのトリセツ」は

・話が伝わらず悩んでいる。
・障害当事者と家族。
・仕事柄関わる先生や福祉職員。

あなたが上記のいずれかに当てはまるのであれば
ぜひ読んでいただきたいです。

日常演舞の投稿、
本日は本来日曜日に投稿しようと思っていた
読書感想がダメになってしまったので
改めて投稿いたしました。

明日またお会いしましょう!!

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