パターナリズムと患者の自己決定権ー安楽死を題材に
1パターナリズムの医療昭和以前の日本の医療はパターナリズムであった。つまり、偉いお医者さんが患者の病気を吟味し、判断して最上の価値、すなわち「生き続けること」を目指すのだから患者は一切考えたり判断することなく、ひたすら医師の指示に従え、というものであった。
もちろん医師はその時の医療水準に従って最善のことを患者に提供しようとした。当時は「がん」にかかるともう助からない時代でもあったから、「がん」の病名を告げると患者が絶望して闘病への気力をなくすかもしれない。だから例えば胃が