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足はパンパンやる気はマンマン


毎日更新79日目。

今、僕は新幹線に乗っている。

大阪に帰るためである。

と言っても実家に帰るわけではない。

ちょっと大事な用事があるのだ。

元々は実家にも帰る予定だったが、現在の状況を考えて、今回は親には会わない事にした。

この用事についてはまた後日書けたら書きたいところである。

とりあえず今は新幹線の中である。

非常に快適。

三列席のA席に座っているのだが、B席とC席は新横浜を出た後も誰も座っていない。

やったで!

もろたで工藤!

三列で座ってるの自分だけはもろくど案件やで!

空いてるのを狙おうと早起きした甲斐あったで!

6時起きなったけども!

ただ一つ、快適な中で気がかりな事が。

新幹線は関係なく完全に自分の事なのだが

足がパンパンなのだ。


足がもうすっごくパンパンなのだ。

稀に見る筋肉痛なのである。

非常に辛い。

自分で原因は分かっている。

話は昨日の午後に遡る。


昨日僕は15時にバイトを終え、真っ直ぐ家に帰る事にした。

明日から大阪に行くので、荷物を用意もしないといけないし、その後は家でゆっくりしたいと思ったからだ。

駅に着き、自転車に乗り、家へと向かう。

帰る途中にふといつも行く弁当屋さんが目に入った。

そこは量が多くて安くて美味い、最高の弁当屋さんである。

今日の晩飯はここの豚焼肉弁当にしたい、そう僕は思った。

しかし時刻は16時半。

買うにはまだ早い。

とりあえず一回家に帰るか。

ただ、家に帰ってしまうと昼寝してしまう可能性がある。

弁当屋さんは20時まで。

間に合うか分からない。

しかも今寝てしまうと夜寝れなくなって次の日に響くかも。

そう考えた僕はちょっと時間を潰す事にした。

ちょっと時間を潰してから弁当を買って、早めの晩飯を食べ、用意をして、早めに寝るのだ。

完璧である。

しかもちょうど最近やりたいと思っていた事があった。

それは

自転車に乗って近所を探索する事である。

引っ越して一年半。

もっと自分の住んでる町に何があるか知りたいと思っていたのだ。

しかも時刻は夕方。

僕は夏の夕暮れが凄い好きなのだ。

夏の夕暮れはいい。

恋しさとせつなさと心強さが感じられる。

思わず1994年に大ヒットしそうになる。

てか、改めて調べたら恋しさて書いていとしさなんやな。

気温も風があって少しだけ涼しいので、自転車で辺りを散策するにはもってこいだ。

僕はいつもは行かない方向へ自転車を走らせ始めた。


僕の家の周りは基本住宅街なので、特に何があるわけでもない。

しかし、いつもと違うルートに行くだけで、かなりの新鮮味がある。

加えて天気も気温もいい。

僕は自転車に乗ってて、あまりに気持ちよくて、テンションが上がってきた。

テンション上がり過ぎて、何か写真を撮ってみた。

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めっちゃ電柱。


撮った時はうわ〜いい写真!と思っていたが

今見ると何の写真やねん感満載である。

電柱を修理する業者の「修理完了しましたよ写真」か。

こうして何故かテンション上がりまくってきた僕はどんどん自転車を走らせていった。

いつの間にか全く行った事ない場所まで来てる。

しかしぶち上がってる僕は止められない。

ますますペダルを踏み込む。

もう辺りは全然知らないところ。

これ帰れんの?

弁当屋さん戻れるの?

でも今はそんなのどうでもいいのである。

とにかく遠くへ行きたいのだ。

僕はいつの間にか「旅人」のテンションになっていた。

2006年以降の中田英寿もこんな感じだったのだろうか。


気の向くままにどんどん自転車を走らせる。

そしていい空を見つけてはたまに写真を撮る。

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やっぱりめっちゃ電柱。

あなた電柱マニアの方ですか?


思い返せば遥か昔、高校二年生の夏、ちょうど今ぐらいの時期にも同じ事をした事があった。

あれはラグビー部の夏合宿の前日。

めちゃくちゃハードな夏合宿に行くのが嫌だった僕は、前日のオフに現実から逃げるようにひたすら自転車を走らせた。

今回と同じ様にどこに行くかは決めず、とにかく気の向くままに自転車を漕いだ。

あの頃、ラグビーはしんどいし、クラスで人気者にはなれないし、当時の僕なりに行き詰まっていたのだと思う。

どうも僕は人生に行き詰まるとひたすら自転車を漕ぐ習性があるようだ。

どんな習性やねん。

今の行き詰まり方はあの頃の比じゃない。

詰まり過ぎて破裂しそうである。

ちなみに高二の自転車の結末は壮絶だった。

変な場所行き過ぎて、どうやって帰ったらいいか分からんようになってた時

前から猛スピードで突っ込んできたおばちゃんの自転車と正面衝突し、お互い吹っ飛び、地面にバウンドした。

奇跡的にお互いケガが無くすんだので、急死に一生を得たのだが、めちゃくちゃ危なかった。

あれ以来、自転車の運転中は本当に気を付けるようにしている。

そして次の日から夏合宿に参加したのだが、初日から高熱が出て、結局3日目には下山。

検査の結果、マイコプラズマ肺炎というウイルス性の肺炎だった。

おばちゃんとバウンドして肺炎。

自転車での現実からの逃避行の結果は散々だった。

そして僕は20年ぶりに同じ事をしている。

大丈夫か、これ?

すでにどこ走ってるか全くわからんようなってるけど。


まあ、とはいえ、時代は令和。

昔と違って今はGoogleマップという最強のアイテムがある。

どこに行こうが、帰れなくなる事はない。

行けるとこまで行ったれ。

僕はさらに自転車を走らせた。


最近の僕は尋常じゃない行き詰まりを感じていた。

東京に来て2年。

何も前に進めていない。

今、自転車のペダルをいくら漕いでも自分の人生が前に進むわけじゃないが、それでも何か前に進みたいのである。

そんな事を考えながらさらに自転車を漕ぐ。

すると目の前に

「光が丘公園」という大きな公園が現れた。


光が丘公園。

練馬区最大の都市公園。

行った事はない。

僕はこういう公園は大好きである。

迷わず公園の中に自転車を進めた。


まずは両側にある巨大な木々が天井の様に覆い被さっている、長い舗道が現れた。

向こうから茶色のダウンジャケットを着たキムタクが歩いてきそうである。

自転車で走ってる人も多く、木々の下を自転車で駆け抜けるとめちゃくちゃ気持ちいい。

基本的に公園内のどの道も自転車で移動出来るので、僕は全体を周ってみた。

すると、とにかく広い。

めちゃくちゃ広い。

代々木に住んでた頃、よく代々木公園に行ったが、あそこより遥かに広いんじゃないか。

とりあえず写真を撮ってみた。

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わからん。


広さがわからん。

何でズームで撮ったんや。

全く広さが伝わらんやないか。

とにかく僕はひたすら自転車を走らせた。

マイナスイオンを感じる。

体が浄化されている気がする。

そんな事を思いながら走らせていると

「陸上競技場」という巨大なグランドがある場所が見えてきた。

そこは競技の時にも使うのかもしれないが、今は一般の人達が走ったり、ボールを投げたり、思い思いに遊んでいた。

僕は自転車を止めて、ぼーとそれを見る。

グランドの中にはラグビーボールを使ってる人達もいた。

ラグビー部だろうか。

さっき高二の夏合宿の事を思い出してたのも相まって

ふと20年前の自分の姿が重なる。

あの頃は才能無いながらも必死に練習を頑張っていた。

20年前。

もう20年も前なんや。

何かグランド見てたら、ついこの前の気するのに。

信じられへんな。

あの頃は若かったな。

もう戻られへんのか。

何か悲しいな。


そんな事を思いながらグランドを見ていると、ほんの少しだけ涙が出てきた。

これがもしNHKのドキュメント72時間なら最後の方にインタビューされる人生色々あったおじさんである。

しかし、僕は思い直した。


いや、ちょっと待て!!

これじゃ完全に人生諦めたおっさんやんけ!

俺まだ何も諦めてへんから!

東京来て色々あったけど全く諦めてへんから!

まだまだずっと安西先生状態やから!

グランド見て泣くのはもっと後でいいねん!

てか、そもそもそんなラグビーに思い入れないやろ!

現役の時、ラグビーそんな好きちゃうかったやん!

何を全国大会行ったぐらいの感じでグランド見てんねん!


僕は思い直し、涙を拭き、再び自転車を漕ぎ始めた。

自分を鼓舞するように激しく漕ぐ。

まるでEXILEのパフォーマーの人達がジムでバイクトレーニングをしてる時のようである。

そんなパフォーマー漕ぎをしながら、僕の心の中は燃えていた。

今はまだ泣くところじゃない。

泣くのはもっと後でいい。

まだ何も終わっていないじゃないか。


自転車のおばちゃんとすれ違う時、細心の注意を払う。

もうバウンドしないし、バウンドさせない。


こうして僕は公園に行き、何故かやる気を取り戻して帰ってきた。

ちなみに帰りはGoogleマップを使ったら20分ちょっとでいつもの駅に戻ってこれた。

すげえぜ、Googleマップ。

てか、光が丘公園て結構近くやったんや。

今度また行こ。


そして話は現在に戻る。

僕が今足がパンパンになっている理由。

理由は2つ。

まず1つは長時間自転車を漕いだから。

そしてもう1つは

1日に2回パフォーマー漕ぎをしたから。


僕は昨日の朝、バイトを遅刻しそうになってパフォーマー漕ぎをしていた。

たださえ過酷なパフォーマー漕ぎ。

それを2回もしたら筋肉痛は必須である。


と、noteを書いていたら新大阪に着いたようである。

では、気を付けて行ってきます。

それでは、また明日。




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