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今日は”敬老の日” 人生100年時代に向けて高齢者の自立が必要だ

今日は敬老の日です。「国民の祝日に関する法律(祝日法)」によれば、

多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う。

日として制定されています。もともとは9月15日で固定されていましたが、2001年(平成13年)の法改正で9月の第3月曜日となりました。(2003年から施行)

超高齢社会においては高齢者にも”自立”を促す必要がある

昨日総務省から発表された、9/15時点の65歳以上の人口は総人口の29.1%の3640万人となりました。

日本人の約3.4人に1人が65歳以上という計算になります。世界的にもこの数字は突出しており、いかに日本が超高齢社会になっているかが分かります。昨年あたりから「人生100年時代」といったワードが出てくるようになりました。医療技術の発達などで100歳まで生きる人が増えることが予想されます。そうなると、現在の”65歳定年”という状況を維持しようとすると35年も老後生活を送る必要があります。一昨年に「老後2000万円問題」が浮上しましたが、35年も送ろうとすると2000万円でも悠々とした生活は難しくなるでしょう。

そのため高齢者に求められるのが”自立”です。つまり、高齢になってもリカレント教育などを受け再就職などで社会に貢献することが求められることを意味します。実際に、15歳以上の就業者の総数(6676万人)に占める高齢者の割合も過去最高の13.6%です。今年4月施行の改正高年齢者雇用安定法でも、70歳までの就労機会の確保を企業の努力義務として定めており、すでに人生100年時代に向けた”自立”が始まっています。

また年々増加する社会保障費に対しても抑制する対策が必要です。そのためには上述した高齢者の就業機会を増やして所得を増やすことで医療費負担を引き上げていくことが直接的な効果として期待されます。ただ就業機会を増やすとしても高齢者自身の健康状態が万全でなければ意味がないので、高齢者の体力向上&十分な医療提供も求められます。

高齢者の”社会的つながり”がクレームの減少に⁉

現役世代からして高齢者にはどのようなイメージを持っているのでしょうか。今までは「何でも知っている知恵袋のような存在」といった感じだったと思います。しかし近年は「悪質なクレーマー」といったイメージを持ち始めた人もいるかもしれません。もちろん高齢者全員が悪質クレーマーと言ったわけではありませんが、高齢者人口が増加している中で、過度な要求をするクレーム件数は確実に増加しています。

企業からすればクレーム対応には突発的な費用が発生します。悪質クレームが今後も増加すれば費用が増加し企業の利益を圧迫することにもつながりかねません。

ところで、悪質クレーマーは社外の一般人だけとは限りません。上述のように就業機会が増えるとなると社内の人間の中にも悪質クレーマーが生まれる可能性があります(すでに生まれているかもしれません)。世代による価値観の違いやデジタル化の発達による機械操作の不慣れさなどによって年下の上司部下に対して要求(アナログ化への回帰・面倒な仕事の押し付けなど)をしてくることが考えられます。企業としては自分で何とかしてもらいたいと思うものの、無碍にすることもできないため仕方なく対応してあげているのが現状です。

こうした悪質クレーマーによく見られる特徴として”社会的なつながり”が少ないことが挙げられます。特に定年退職した男性に多く、○○教室といった場所に通う人の多い女性に比べて社会的なつながりが少なくなります。そうすると孤独感が強まり、感情をつかさどる脳内の前頭葉が衰えてしまいます。やがて自分で感情をコントロールすることが難しくなり、少しでもカッとすることがあるとそれが暴発して悪質クレーマーに変化するのです。

また、上述したような高齢者への就業機会を増やしていくとしても、高齢者のそもそもの社会的なつながりが少ないと再就職といった実際の就業機会の増加にはつながりません。

こうした課題の解決のためには現役世代の人間や企業からのアプローチ(企業説明会の開催など)だけでなく、高齢者自身がつながりを求めて自発的に行動する(趣味を見つける&究める・就職フェアに参加するなど)ことも大切です。

昨年12月大阪のねじ専門商社に勤める90歳の女性社員が「世界最高総務部員」としてギネス世界記録認定されました。

認定された玉置さんはPCを駆使しながら仕事をする一方、さらに新しい知識を身に着けるための勉強も欠かしていないと言います。玉置さんのように自分から何事にも挑戦していくという姿勢がこれからの日本社会にとって必要な精神なのかもしれません。


日本人の平均年齢が48.4歳となり、高齢化がさらに進む日本社会。高齢者を社会の一員として支えていくのは現役世代だけでなく、高齢者自身でもあるのです!

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