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アナグマ ユーモラス
アナグマ(ニホンアナグマ)はイタチ科で、イタチ、テン、オコジョ、カワウソなどと同じ仲間になる。
地面の巣穴に棲み、ずんぐりした姿がクマに似ている。足は短めで、俊敏には動かない。
森の中では、視力よりも嗅覚を頼りにミミズなどを探している。
奥日光でアナグマを見るのは、休眠を終えて子育てをする春に多い。人を警戒してこちらをじっと見ていて、こちらが動いたら逃げて行く。また、目立たない耳だが音にもよく反
中禅寺湖周辺の春 花と虫と鳥
2024.04.29 中禅寺湖の北側遊歩道を歩くと、木々が芽吹きアカヤシオとヤマザクラが咲き、夏鳥の賑やかなさえずりが聞こえてきた。今年の奥日光は冬鳥が少なかったので、鳥のさえずりが一段と華やいで聞こえる。
そして4日後、ヤマザクラは咲き続けていたが、アカヤシオのほうは散って葉のない枝になった。この後、枝先に5枚輪生する葉が生まれ秋に紅葉する。アカヤシオは学名に「nikoense」(栃木県の日光を
サンショウウオと奥日光
4月になり奥日光を歩くと、流れのない水場にクロサンショウウオの卵嚢がひっそりと沈んでいる。水中に落ちた枯れ枝などに産み付けられた不思議な塊に魅入ってしまう。
クロサンショウウオは、日光戦場ヶ原の湯川で発見され、当初は「ニッコウサンショウウオ(日光山椒魚)」と呼ばれていたようだ。しかし、仙台産の標本による「クロサンショウウオ(黒山椒魚)」が、ニッコウサンショウウオと同種でしかも新種発表が早いと判明し
カタクリとヒカゲツツジの山と男体山
宇都宮市の郊外にある古賀志山(583m)は岩場が多く、変化に富んだトレイルが沢山あって楽しい。春浅い頃には、カタクリの咲く野趣あふれる小道を歩く。沢の流れを聴きながら、湿り気のある山道を辿るのも心地よい。
カタクリが咲き、続いてヤマザクラやアカヤシオが咲く頃には、「二枚岩」から「標高点559m(地元呼称 斑根石山)」を巡り、岩陰に咲くヒカゲツツジを見に行こう。
少し休んで遠くを見渡すと、春霞に煙る
カワガラス 竜頭ノ滝の忍者鳥
「カワガラス」(河烏、カワガラス科、全長22cm程度)は留鳥で、春でも冬でも観察することが出来る。4月後半は「カワガラス」の子育ての時期になり見る機会が少し多くなる。渓流に似合う鳥で、見れば見るほど興味が増してくる鳥でもある。
最初の段階で、「カワガラス」だからカラスだろうと誤解することもある。カラスの仲間ではなく、渓流や水辺を好み、水生昆虫や小魚を食べている鳥になる。英名は「Brown Dip
奥日光の冬のニホンジカ
ニホンジカによる食害は深刻で、奥日光でも林床を覆うミヤコザサや貴重な植物が消えつつある。センジュガンピ(ナデシコ科の多年草)が千手ヶ浜の千手堂付近に咲いていてほしい、と願って探しても全く見つからない。小田代ヶ原のクガイソウ(オオバコ科の多年草)はシカの侵入防止柵でようやく復活してきたが、コヒョウモンモドキ(タテハチョウ科、幼虫の食草がクガイソウ)は消滅したままだ。
ところが不思議なことに、ニホンジ
冬から春へ セリバオウレンの群生を見る
セリバオウレン(芹葉黄連、キンポウゲ科、高さ10cm程度)は、冬の終わりに咲き始める白い金平糖のような花で可愛らしい。奥日光では数株しか見たことがないが、木漏れ日が林床に影を落とす杉林など、条件の良い場所では群生するセリバオウレンを見ることができる。
セリバオウレンは、セリの葉に似ているからセリバ、オウレンとは生薬名でもあり、利用する地下茎が黄色味を帯びていることで付いたようだ。
栃木県日光市下板
オオワシは来季も中禅寺湖に来るだろうか
寒い季節になると、オオワシ(大鷲)の中禅寺湖への飛来情報が気になってしまう。
今季は雨不足の影響で、中禅寺湖の湖岸は極端に後退し、中禅寺湖から流れ落ちる華厳ノ滝では、水量調節や夜間停止などの対策がとられている。そして、湖の変化に伴うかのように、オオワシは観察ポイントの菖蒲ヶ浜には、ほとんど現れていない。
オオワシは、中禅寺湖の西に位置する千手ヶ浜や西ノ湖で、昨年の11月や12月に目撃情報があり、飛
朝の光で浮かび上がる「貴婦人」
奥日光・小田代ヶ原には、有名な一本の白樺の木があり、枝を広げた樹形が美しく「貴婦人」と呼ばれている。
十数年前に望遠レンズで「貴婦人」を見ていて、樹幹の下方に黒い部分があることに気がついた。心配して問い合わせると、樹勢を回復させた痕跡とのことだった。樹齢は白樺の平均を遥かに超えていて、横に伸びた細い幹が折れ美しいバランスが少し崩れたときもあった。それでも春になれば変わらずに新緑の芽吹きや垂れ下がる
単独行動を愛する静かなアオシギ
寒い冬になると、奥日光の湯川上流などにアオシギ(青鷸)が渡来し、浅い水流域で水生昆虫などを細長い嘴で採食している。シギ類では珍しく山間部の渓流や湿地を好み、体を上下に揺らす特徴がある。日本の各地では単独の行動が主で、英名も「Solitary Snipe(独りぼっちのシギ)」になっている。
日本名の「青鷸:アオシギ」は、体下面などの羽毛が青みを帯びるとして名付けられた。淡い灰色を青としていた時代
キンクロハジロは、ワルいカモ?
キンクロハジロ(金黒羽白)は、中禅寺湖のほか全国に冬鳥として渡って来る。オスの体は白と黒のツートンカラーで、冠羽を頭の後ろに飾るように垂らしている。オシャレはこれだけではなく、顔や頭の羽は単に黒色ではなく、光が当たると光沢のある深い紫や緑色に見える。嘴は青灰色で、体の白黒にアウトフィットしてきれいだ。嘴の先の黒もポイントになっている。
面白いのは、普段は丸い目が、ある時は睨むような目に見えることだ
雪の日のイタリア大使館別荘記念公園
奥日光の中禅寺湖畔は、明治中頃から昭和初期にかけて外国の別荘が建てられ、国際避暑地になっていた。中禅寺湖にヨットを浮かばせた古い白黒写真を見たことがある。現在では英国大使館とイタリア大使館の別荘は、復元と整備を経て一般公開されている。
イタリア大使館別荘は12月から3月末まで休館している。それでも冬は、大使館に付随した記念公園が静かなので行ってみるとよい。
タイミングが難しいが、雪の日に訪れると