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冬から春へ セリバオウレンの群生を見る

セリバオウレン(芹葉黄連、キンポウゲ科、高さ10cm程度)は、冬の終わりに咲き始める白い金平糖のような花で可愛らしい。奥日光では数株しか見たことがないが、木漏れ日が林床に影を落とす杉林など、条件の良い場所では群生するセリバオウレンを見ることができる。
セリバオウレンは、セリの葉に似ているからセリバ、オウレンとは生薬名でもあり、利用する地下茎が黄色味を帯びていることで付いたようだ。
栃木県日光市下板橋の杉林に咲いていたので、3月9日に撮影した。ここは戦国期の山城、板橋城跡(443m)の南東側の山麓になる。

細長い花弁に見えるのが萼で、その萼の間にあるのが花弁とのこと。雄花は雄しべが花火のように広がっている。©nishiki atsushi
こちらは中心に黄緑色の雌しべが付き、両性花と思われる。©nishiki atsushi
木漏れ日の林床に、白い花が静けさを楽しむように咲いていた。©nishiki atsushi
セリバオウレンの咲く杉林から、古城址のある山頂まで登ると、北北東に、日光国立公園に含まれている高原山(左から鶏頂山、西平岳、釈迦ヶ岳1795m)を望むことができる。©nishiki atsushi
北西側は、男体山(2486m)や大真名・小真名山、女峰山(2483m)など、日光連山の展望を楽しむことができる。今回は灰色の雪雲で曇っていた。見えている雪の斜面は、赤薙山へ続く尾根道で、ここから女峰山に登る道のりは上級者向けになる。雪雲の下の中禅寺湖は、雪交じりの強風で鉛色に激しく波立っていることだろう。©nishiki atsushi

空nyan! 山頂からは、日光の大谷川(だいやがわ)から土砂や砂礫が堆積した「今市扇状地」も展望できる。
……扇状地と三角州の違いについて習ったりしたね!


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