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つな木 Challenges|Nikken Wood Lab

大庭 拓也
日建設計 設計部門
アソシエイト アーキテクト

「つな木 Challenges」 連載開始!

日建設計の木質・木造の開発研究を行うチームNikken Wood Lab(以下Lab)は中大規模の木造プロジェクトを進める傍ら、極小木造の可能性を探る「つな木」の研究開発を進めています。これは木材利用促進を面的に広げると同時に、コロナ禍におけるライフスタイルの変化や医療現場への対応、またパブリックスペースの利活用や地方創生など、現代社会が抱える諸課題に対して社内外のコラボレーションによりゴールを目指す取り組みです。
今年はそのトライアルフェーズとして多彩な「つな木 Challenges」を計画しており、この記事を皮切りに各トライアルの連載記事をLabのメンバーより発信させて頂きます。

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図1 Nikken Wood Labメンバー(左から 大庭 拓也、松丸 真佑美、石澤 英之、高橋 恵多、大和田 卓、江坂 佳賢)

Challenge1 つな木ワークショップ|とくしま木づかいフェア

日時:2020年10月17日(土),18日(日)
場所:あすたむらんど徳島
コラボレーター:徳島県庁、とくしま木づかい県民会議、徳島県木材協同組合連合会

今年6月の徳島県庁ワークプレイスの「つな木」リノベーションに引き続き、10月に行われるとくしま木づかいフェアにて県民の皆様との「つな木ワークショップ」を計画しています。ワークショップにおいて製作されたユニットは、同月に行われる「ジャパンコーヒーフェスティバル2020」の店舗として転用し、つな木による「コトづくり」と「フレキシビリティ」についての実証を行う予定です。

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図2 同じ材料で6つの用途で利用できる「在宅つな木」(フェアで製作予定)

Challenge2 つな木仮設医療ブース|足利赤十字病院

日時 2020年10月27日(火)
場所 足利赤十字病院 講堂
コラボレーター 足利赤十字病院 院長 小松本 悟 先生

コロナ禍の緊急対策として、つな木による仮設医療ブースを足利赤十字病院の講堂にて組立てトライアルを行います。つな木のコンセプトである「日常時と非日常時の両立」を念頭に、医療ブースを製作した後は同じ部材を用いたカフェブースやベンチへの組み換えを行い、院内で利用して頂く予定です。

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図3 (左)院内のカフェやホールにおける家具や什器として、(右)臨時の仮設病棟として

Challenge3 つな木デモストレーション|HOSPEX Japan

日時 2020年11月11日(水)-13(金)
場所 東京ビッグサイト 西1・2ホール(東京国際展示場)
コラボレーター 一般社団法人日本医療福祉設備協会、一般社団法人日本能率協会

医療・福祉施設のための総合展示会であるHOSPEX Japan 2020にて、つな木仮設医療ブースの組立てデモストレーションを実施します。誰でも参加できるイベントですので、多くの方につな木を体験して頂くことを期待します。

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図4 HEPAフィルタユニットにより最低限の気流と空気質を制御(デモストレーション予定)

Challenge4 つな木野遊び|ポロシリ自然公園

日時 2020年10月30日(金)-11月8日(日)
場所 スノーピーク十勝ポロシリキャンプフィールド
コラボレーター 一般社団法人野遊びリーグ、株式会社デスティネーション十勝

野遊びSDGs を掲げられているスノーピークの後藤健市氏とのコラボレーションにより、ポロシリ自然公園において「つな木ドーム」をトライアル設置します。地域の資源や食、人材の新しい関係性を模索する試みで、つな木のシステムを活かした新しいカタチにも挑戦します。

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図5 つな木のシステムを活かしたドーム

Challenge5 遊休施設・遊休地 × つな木 

コラボレーター 募集中!

昨年10月に実施した「OUTDOOR LOUNGE」の発展形として、遊休地を活性化する試みを社内外のコラボレーションで検討しています。つな木の「可変性」、「新陳代謝性」へのチャレンジになります。

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図6:組合せにより様々なふるまいを可能にするつな木ユニット

Challenge6 防災 × つな木

コラボレーター 募集中!

仮設医療ブースに加え、災害時における防災ブースとしての活用を検討しています。日常時はベンチや棚などとしての利用しているものを、災害時に組み換えることにより防災ブースとして活用するもので、保管スペースを最小化しつつ、災害に対して迅速かつ経済的に対応することを目指しています。

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図7:(左)公共空間等における家具や什器として、(右)臨時の避難ユニットとして

オープンイノベーションへ向けて

Nikken Wood Labでは現在自治体や民間企業とのコラボレーションにより、上記のチャレンジの他にもたくさんのトライアルを計画しています。
多彩なチャレンジを通して、多くの皆様と出会い、たくさんのことを学びながら、未来を考える機会にLabメンバー一同ワクワクしています。つな木プロジェクトとのコラボレーションをお考え頂ける皆さまには、ぜひお声がけ頂けましたら幸いです。

共同開発チーム
・株式会社日建設計(Nikken Wood Lab):企画、デザイン
・三進金属工業株式会社:クランプ製作、ユニット販売
・江間忠木材株式会社、株式会社篠原商店:木材調達
・協力:キョーラク株式会社(膜製作)

※「つな木」は、2020年10月現在、特許・商標登録の出願中です。
※「つな木」関連の note 記事へのリンクはこちら。


大庭

大庭 拓也
日建設計 設計部門
アソシエイト アーキテクト
「つくればつくるほど生命にとって良い建築」をマニュフェストに、都市・建築の木質化に従事し、その実証実験として「つな木」プロジェクト等を推進中。 社内に自主的組織「Nikken Wood Lab」を発足し、代表を務める。
有明体操競技場、選手村ビレッジプラザ、渋谷区北谷公園などを担当。
林野庁長官賞、グッドデザイン賞、JIA25年賞などを受賞。



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