告知・宣伝〜出版までの行程を見てみよう(7)
崖っぷち作家のニジマルカです。
「出版までの行程を見る」7回目です。
6回目はこちら。↓
出版までの行程
1.アイデア出し
2.企画書づくり
3.企画会議
4.執筆
5.推敲・改稿
6.校正
7.イラスト・デザイン
8.印刷
9.告知・宣伝
10.発売
今回は、9.告知・宣伝です。
発売が決まったら
発売が決まったら、随時、宣伝や告知をしていきます。
最近では、作家自身がtwitterやインスタなどのSNSを使って、宣伝や告知をすることが多くなってきました。
編集部が告知するよりも、作家自身がした方が効果があると思われているからです。
担当さんからtwitterなどのアカウントを作るよう言われることもあります。
自分も言われてtwitterだけやっています。
発売日は?
発売日がいつになるかは、特に言われないことも多いです。
ですから、アマゾンに情報が載ったのを見て、「あ、来月出るんだ」と知ることもあります。
また、発売日は書店に並ぶ日なので、「何日」とはっきり言うことは難しいです。
地域や書店の都合によって1、2日遅れることもあるからです。
ですので、そこを気にする作家さんは「何日ごろ発売」とツイートしているはずです。
9−1.宣伝
お金の掛かる宣伝は、出版社が適宜やってくれます。
新人賞受賞作は、他の受賞作と発売月を合わせて一挙に出す場合もあります。
通常、受賞作は他の作品より優遇されます。
帯にも「新人賞受賞作」と謳われますし、書店用のポップも作ってもらえると思います。
(ポップを使うかどうかは書店さんの判断です)
キャンペーンなど
受賞作でなくても、発売のタイミングによってはキャンペーンをやってくれる場合もあります。
何冊かを合わせて「夏の〇〇キャンペーン」とか銘打ってやるやつです。
書店でしおりをもらえるとか、何冊か合わせて買うと特典がもらえるとか、そんな感じが多いと思います。
こういったものは作家側は報告を受けるだけなので、あとは自分で告知するなりして、認知を上げていくしかないです。
アニメ化などの場合はさらに大掛かりなことをしてくれるようです。
グッズ販売やコラボカフェ、またテレビCMも打ってくれます。
動画宣伝も増えた
最近ではYoutubeで動画を流して宣伝することも多くなりました。
とはいえ、そういった動画を見て、本を買おうと思う人がどれくらいいるのかはよくわかりません。
出版社によっては、宣伝番組を持っている場合もありますね。
自分はほとんど見たことがないですが、基本的には売れている作品や推している作品を紹介するのだと思います。
(新人賞受賞作はざっと紹介されるのかもしれません)
宣伝してくれるのは大変ありがたいことなので、自身でもツイートするなどして拡散に努めます。
9−2.告知
SNSなどを使った告知は、作家自身でもやっていくことになります。
宣伝や告知にも関係しますが、サインは必ず書く機会があるので、受賞したらすぐに作っておきましょう。
サインを作ってくれる会社もあります。↓
だいたい1つ1万円くらいのようです。
私自身は自分で作りました。
おすすめの方法は、ペンネームと同じ字を使っている俳優さんやミュージシャンなどのサインを真似ることです。
芸能人のサインを画像検索などしてみると、イメージが掴めると思います。
何十冊かまとめてサイン本を作るよう言われることもあります。
出版社から箱で送られてくるので、サインして送り返せばいいです。
首都圏に住んでいる作家さんは、編集部に行ってサインするよう言われるようです。
色紙やポップを作って欲しいとか、特典用の短い小説を書いて欲しいとか、そういう依頼が来ることもあります。
出版社に頼まれたことは全部やりましょう。
その他の営業活動
地元の書店を回る作家さんもいますね。
挨拶してサイン本を作ったり、色紙を書いたりといった営業活動をするようです。
本を買うのはネットではなくやはり実店舗なので、書店さんに応援してもらえるのは心強いことです。
とはいえ、効果がどの程度あるかと考えると、正直な印象ではほぼ誤差にしかならないと思います。
(少なくとも500〜1000部くらい動かないと、たとえば重版するかどうかといった判断にはまったく影響しません)
ですので、私自身はやったことがありませんが、書店員さんと仲良くなるのは悪いことではないと思います。
SNSでの告知
新刊の告知は、だいたいの感じでいうと、2週間くらい前から発売日付近まででいいと思います。
最初に情報を出したときが一番リツイートされるので、1ヶ月も前からやると、どんどん拡散力が弱まっていく印象です。
告知できる新情報がたくさんあるなら、だいぶ前からやっても興味を引っ張れるのかもしれません。
宣伝や告知で売れるか?
私自身は、SNSでの告知を見て本を買ってくれる人はごくわずかだと考えています。
宣伝も本腰を入れたものでない限りは、ほとんど意味がないのではないかと疑っています。
ですので、告知や宣伝をして売れると考えたことはありません。
告知や宣伝でがんばるくらいなら、最初のアイデアを読者に刺さるものにした方がよほど売上に貢献できると思います。
もっと言えば、「最初のアイデアとそこから導かれるタイトルとあらすじしか売上に影響しない」というのが私の考えです。
(シリーズものなどの場合は、前巻の内容が次巻の売上に大きく影響します)
私がいるエンタメジャンルでは、読者は賢く、きちんと自分好みのものを吟味して買っているように見えます。
広告に釣られて買う読者は少ない印象です。
ですから、読者に刺さるものをきちんと出せば、ちゃんと売れると考えています。
今回のまとめ
出版までの行程を見る7回目「告知・宣伝」でした。
1.作家自身が告知や宣伝をするのが常識になってきた
2.サインは作っておく
3.出版社に頼まれたことはぜんぶやる
4.書店回りはほぼ意味がなさそう
5.2週間前〜発売日くらいまでを目処にSNSで告知していく
6.宣伝や告知で売れることはないと考えた方がよさそう
7.最初のアイデア、タイトル、あらすじしか売上に影響しない(持論)
次回は「発売」です。↓
それではまたくまー。
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