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語源・由来・言語学系

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個人的に感心したnote記事のうち、言葉の出自に迫るものを保存します。
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#日本語

御中、御札、御用、御苑、御輿?

御中、御札、御用、御苑、御輿?

 記事は約4分強で読めます。全2335文字。

 大学進学が近くなってきて、書類を作成するときに宛先の「行」を「御中」に書き換えることが増えてきた。そういえば卒業式のために作った答辞には「厚く御礼申し上げます」というフレーズが出てきて、これを「おれい」と読むか「おんれい」と読むかで誰かと会話を交わした気もする。私たちの生活になじんでいる敬意の接頭辞「御」について、読みのあれこれを調べてみる。

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大晦日……?

大晦日……?

 記事は約3分強で読めます。全1470文字。

 下記の記事で予告していた「大晦日」の違和感の話をしておきます。時系列の関係から記事投稿が遅くなりましたが、お楽しみいただけると嬉しく思います。

「晦日」とは まず漢字から見ますと、晦日というのは「晦」の日という訳ですね。晦とは何かと言いますと、これは訓読みを「つごもり」と言いまして「月籠もり」を指しております。150年以上昔、まだ太陽太陰暦だった

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東雲、東宮の読みの由来

東雲、東宮の読みの由来

 記事は708文字。約1分で読めます。

東雲 読み方は「しののめ」。これは昔、篠竹で編まれた採光窓の編み目のことを「篠の目」と言ったことに由来します。篠の目から取れる光はあまり明るいものではなく、これが日の出ごろの薄明に対する例えとして用いられました。また、枕草子にも「紫だちたる雲の細くたなびきたる」とある通り、未明を象徴するものは朝焼けに照らされた雲なのです。このことから、「しののめ」と呼ばれ

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我孫子の読み方に対する納得の理由

我孫子の読み方に対する納得の理由

 この記事は896文字。2分弱で読めます。

 我孫子という地名をご存知でしょうか? 全国各地にある地名ですが、市区町村名としての我孫子市は千葉県北西部にあります。さてこの地名は「あびこ」と読むのですが、不思議な読み方だと思われる方もいるかもしれません。しかし、実はこれは特別な読み方ではないのです。今日は我孫子という漢字と「あびこ」という読みの関係性をお伝えします。

我→あ 現在の日本語で一人称

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