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町屋ラボ リノベの記録その1 建物の内覧

2018年4月1日。
初めて桶屋(旧古川邸)の内部を見学することになりました。


内覧の経緯

建物外観。前棟は平入り、一階前面に雁木と木製建具、二階はガラスの雨戸・戸袋が。

この年、新潟市では「水と土の芸術祭2018」が開催されました。
そして当時は、芸術祭と同時開催の市民プロジェクト
「小須戸ARTプロジェクト2018」に向けて準備中でした。

プロジェクトの詳細はまた別の機会にご紹介しますが、
簡単に言えば、地域にアーティストを招き、滞在制作や作品展示をしてもらう
アーティスト・イン・レジデンス(Artisit In Residence:AIR)と呼ばれる取り組みです。

この年のプロジェクト実施に向けて、アーティストの南条嘉毅氏と共に、
今後地域を訪れるアーティストの滞在拠点となるスペースを整備できないかと考えており、そのために活用できる物件を探していたのです。

建物に話を戻します。

この建物は管理人の実家の親戚が所有していました。
その親戚は近所に新しい家を建てて住んでいるので、
この建物は30年近く空き家になっていました。
そこで、先ほどの計画を伝え内部を見せてもらった、という訳です。

内覧時の写真

内覧時の建物の様子を写真で振り返ります。
(だいたい5年前、今となっては懐かしい…。)

廊下に沿って部屋や中庭が配され、最奥に水回りがまとまるシンプルな間取り。
通り土間に後から廊下を貼ったのか、木の色が違います。写真右手は通りに面した6畳の板の間。
6畳板の間の奥には増設された小部屋が。クリーニングの取り次ぎで使ったものと思われます。
古いミシンや机もありました。大きな板は裁ち板と言い、和裁で使ったものだそう。
その奥の部屋は神棚、床の間のある8畳の和室。ある程度片付いています。
中庭周りの様子。建具のガラスは汚れ、一部は壊れて薄いベニヤ板で塞がれた状態。
天井には雨漏り跡も…。庭はヤツデが伸び放題です。
奥の部屋は6畳の和室。片付いて見えますが、布で隠された天袋や押し入れにはモノがいっぱい…。
手前に小さな小便器。奥に和式便器の暗く狭いトイレ。
当然、ボットンです。
タイル貼りの浴室。使えるかなぁ…。
最奥の台所。水道が使えるかどうかは確認が必要…。
二階はモノでゴチャゴチャの物置状態。

写真でもわかる通り、空き家だった建物には相応に埃が積もり、
手付かずの庭は荒れ、建具も一部壊れたり雨漏りも見られる等、
傷みもありました。

とは言え、手の付けようがないほど朽ちているわけでもありません。
残置物も何とかなる範囲に見えました(二階を除く)。

何より歴史を感じる建物ですし、
所有する親戚の理解も得られたこともあって、
この建物を活用することになりました。

ちなみに予算は…、ザックリ25万円

そしてスケジュールは、
借用決定が4月末で芸術祭に合わせた公開は7月半ばの2か月半

ひとまずこの条件で動き始めました。

で、何がどこまでできたのか。

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