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古傷は外傷を治すだけでは、完治とはいえない

古傷は外傷を治すだけでは、完治とはいえない
オーストラリアのモナシュ大学の研究

事故に遭うことは誰にでも起こる
道端で転ぶことから、高所から落下したり、車に轢かれたり、危険はどこにでも潜んでいる
怪我で済んで、外傷が治っているのに古傷が痛むことがある

研究者は16歳以上の時に大怪我をしたことがある66人を集めた
怪我の内容は、胸部や腹部の怪我、頭の怪我、整形外科のみ、など
怪我の状況は、交通事故、高所からの落下、など

参加者の大怪我から3年後、4年後、5年後にそれぞれインタビューを行った
インタビューは経験豊富な面接官による半構造化面接の形式で行われ、参加者の状況をより深掘りすることができた

※半構造化面接とは、
最初は事前に決められていた質問を行い、途中からは面接官の裁量によって自由に質問をする形式
柔軟にコミュニケーションが取れるので、より深く相手の人間性を理解できる

インタビューの結果、参加者は大怪我をした後から、目に見えて運動量が減っていた
運動量が減ることで、体重が増えたり、不健康になったりしていた
そのため、ネガティブな感情も多く見受けられた
外傷は治っているのに古傷が疼くのは、ネガティブな感情が関係している可能性がある

さらにインタビューを深掘りすると、参加者がどうして運動しなくなったのかも判明した
どうやら、運動不足の原因は恐怖らしい
「また怪我をするのではない?」「もとの自分に戻れるのか不安」という一種のトラウマが形成され、運動することに躊躇していた

参加者の多くは運動不足であり、心の傷は回復していなかった
大きな怪我をした後には、外傷を治すだけでなく、心の傷を治す必要がある
心の傷を治さない限り、真の意味で全快とはいえないだろう

身近に大怪我をした人がいたら、励ますことも大事だが、一緒に運動することのほうが大事かもしれない
また、自然はメンタルにいいので、自然に連れ出すなども有効だろう

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参考文献
Adaptation, self-motivation and support services are key to physical activity participation three to five years after major trauma: a qualitative study
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S183695532030062X

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