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お湯が沸くのを待ちながら

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お湯が沸くのを待つ間にも読める超絶短編小説集 思いつくまま書いた話をUPしていきます。 何かを待っている、ほんの隙間に読んでくれると嬉しみ。
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#高校野球

超短篇小説6 "欠かせない存在"

超短篇小説6 "欠かせない存在"

「おい、榎本から聞いたぞ。
お前野球部辞めるんだってな。」

そう俺に言ってきたのは同じく野球部の小松。

「そうだよ。なんだ榎本のやつ言いふらしやがって」

「なんで野球部辞めるんだ??」

「理由なんてどうでも良いだろ」
俺はあしらうようにそう言った。

「お前のお父さん倒れたんだってな。
もしかしてそれが理由か?」

「榎本のやつそんなことまで言いふらしやがったのか」

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超短篇小説1 "約束"

超短篇小説1 "約束"

俺はとある野球強豪校の野球部員。
小学生の頃からずっと4番バッターでどんな投手でも打ち崩してきた。
この強豪校にもスカウトされて進学した、所謂野球エリートである。

そんな俺だが小学生の時に一度も打つことの出来なかったやつが1人だけいる。
その投手は女だった。
何度対戦してもその女のストレートにバットを掠らせることすらできなかった。

そんなある日、そんな宿敵である女が親の転勤で遠くへ引っ

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