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お湯が沸くのを待ちながら

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お湯が沸くのを待つ間にも読める超絶短編小説集 思いつくまま書いた話をUPしていきます。 何かを待っている、ほんの隙間に読んでくれると嬉しみ。
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2020年4月の記事一覧

超短篇小説12 "くれない?"

超短篇小説12 "くれない?"

ある青年はある理由で人生に絶望し、
今日ビルの屋上から飛び降りようとしていた。

青年は賭けとして友人4人にこのビルの屋上の住所と今日この時間だけをメールで送っていた。

その時間になっても誰も来ない、、、

青年は飛び降りようとした、その時、、、

青年の友人Aが来た。
友人Aは言う
「自殺するならお前のそのブランド物の財布をくれない?」

青年はガッカリしながら財布を渡した

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超短篇小説11 "異世界"

超短篇小説11 "異世界"

異世界に行く方法、という記事を見つけた。

いかにも怪しい記事ではあるが、私はその記事のやり方で異世界にいけるか試してみた。

理由は簡単である。
私はこの世界にはいたくないから、かと言って死ぬ勇気まではないので、いつもネットなどで異世界へ行く方法を探している。

○×○線の電車の終電は0:30らしいが、
終電後ある駅で待っていると0:59に電車が1本くるらしい。

それに乗れば次の朝

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超短篇小説10 "死神"

超短篇小説10 "死神"

私は死神。

死の淵にいる人間の最期を見届ける立会人である。

人間は死神というと恐ろしい存在と思っている人が多いかも知れないが、そんなことはない。

私達死神は死の淵にいる人間に今までの人生の記録、つまり走馬灯を見せるという使命がある。

しかし、最近困ったことがある。

最近の人間は医療技術というものを身につけたことにより、死の淵にいた人間が息を吹き返すということがある。

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超短篇小説9 "穴"

超短篇小説9 "穴"

目の前には大きな穴がある。
昨日まではこの道にこんな穴は無かったはずである。

その横には看板があり
"この穴のに入れば幸せな世界に出会えるだろう"と書いてある。

当然、こんなものに入る馬鹿はいない。

その町の大地主である私は言う、こんな穴は埋め立ててしまえと、

しかし、どれだけ土を入れても一向に穴が埋まる気配はないとこの町の大工は言うではないか。

その穴ができてから10日ほどした時で

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