スプーンノート

スプーンの機能はすくうだけではないのです。量を測ったり、かき混ぜたり。緻密さと異なる物…

スプーンノート

スプーンの機能はすくうだけではないのです。量を測ったり、かき混ぜたり。緻密さと異なる物同士をつなぐ役割があります。そうなりたい。これは端くれ建築学生の設計ノート/HaN's Works: https://www.instagram.com/nibun_no_san.archive

マガジン

  • 設計ノート

    設計の苦悩を綴っています。他者の意見に惑わされながら、自問自答。その繰り返し。今まで言葉にしてこなかった日々を文章にすることで自分自身と対話しています。それをただ傍観してもらう形になります。 今まで悩みを共有できるサイトが指の数ほどしかありませんでした。僕みたいに悩む誰かに役立てばと、その1つのサイトになればと。そう思い更新頑張ります。

  • 子安浜オデッセイ-台湾記

  • 気ままな思考

  • 言葉の解体

最近の記事

11 子安浜オデッセイ inspire

今日は、僕が1位を取れないワケを説明していこう。 - 才能があるのに売れないミュージシャンがいる。よく聞く話だし、それで悩んでいる人も多いはず。 周りはこう言う。「センスも、オリジナリティもあるのにね」 でも、芽が出ない。彼は自信をなくし、自分を疑う。 なんでだろう。ずっと考えていた。その理由を探る必要がある。 - 好きなバンドがいる。彼らが僕にとっての、始めてのライブだった。名古屋の小さなカフェ&バーが会場。丸テーブルで飲み食いしながら聴ける。内壁は煉瓦。柱の陰

    • 10 子安浜オデッセイ 建築新人戦

      子安浜-続編 さて、今日は、大阪で行われた建築新人戦での話だ。いつも文章が硬いので今日はゆるくいこう!あと、書かれていることはただの事実。何も面白くないで!笑笑 index 夏休み前 アジア選出 新人戦当日 繰り返される悪夢 - 夏休み前 よーし、新人戦だすぞー。しかし、テストと提出期間が被っている。クマったな〜。少しずつ準備を始めよう。 そう言いつつ結局出したのは、期限の前日。マジ、指定のファイルとか何?まず名古屋にはそんなもん売っとらんのだ!amazonは売り切

      • 09 子安浜オデッセイ 序章

        この建築は、学部 2 年で制作した自邸。それを新人戦、台湾で行われたアジア新人戦、院試のポートフォリオで、何度もなんども自問自答しながらブラッシュアップしたものである。未だにこの建築は、 作った自分でも説明不可能な事象が多く、言葉にすればするほど迷宮に入る。 この建築の一番魅力的な部分は、僕の言語力では表現できない。論理的に分解するほど、建築自身とは乖離していくのだ。 でも、そこがいいのではないかとも思う。この距離感が、建築の本来の姿であると。みんなにもこの迷宮で、ぜひ混

        • 08 ピストル

          「環境は歴史だ」 これは西沢立衛がいった言葉らしい。小耳に挟んだだけなので、本当かどうかは分からない。でも、こんな事を言えるのは一人しかいない。 最初聞いたとき、正直よく分からないなあ。と思った。だって学校では、環境と歴史の授業は分かれているんだもの。同じ回路では考えられない。しかし、強烈に耳に残った。 限定しないこと この言葉の意味不明さが僕をずっと悩ませることになる。前に紹介した青木淳のセリフ「人に伝えるとき、言葉は忘れた方がいい」を思い出した。まさにこの魔術に近い

        11 子安浜オデッセイ inspire

        マガジン

        • 設計ノート
          4本
        • 子安浜オデッセイ-台湾記
          3本
        • 気ままな思考
          3本
        • 言葉の解体
          3本

        記事

          07 設計ノート3 全てがラビリンス

          建築の授業は、与えられた敷地で行う。本当にそれでいいのか。そう考え始めたのはこの課題からだ。 - 敷地は、愛知県の有松。歴史的な町家が並ぶ町だ。ここにコミュニティセンターを建てろという課題だった。 さて、何をとっかかりに設計するか。伝建築を○○にして…では、勿論ナンセンス。あと有松絞りという伝統があったな。今考えれば、それによって生まれる産業ネットワークを考えるだろうが、当時にそんな脳味噌はない。 ひとまず、コミュニティセンターというプログラムから攻めるか。 コロナ

          07 設計ノート3 全てがラビリンス

          06 設計ノート2 計画できないもの

          これは人生で2回目の設計。 計画できないものを計画しようとした話。 この課題をやっていた時が、一番トンガっていた。口を開けば、「カオスを作る」しか言っていない。先生たちには、「そんなモノはできない」と言われながら。 課題は学外スタジオ。敷地は大学近くのデルタ地帯。敷地の形状以外に、面白いものはない。そこで見えざる構造に頼ろうと考えた。 地面の下を通過する鉄道、住宅街に迫る山、川によって変形される街区。どれも敷地からは見えない。でも、これらは確実に敷地の3辺を構成していた

          06 設計ノート2 計画できないもの

          05 設計ノート1 初めての設計

          これは学部2年の話。 「原点にして頂点」という言葉がある。僕の場合、頂点というべき建築は未だにできてないけど、最初の作品で自分の方向性がほぼ決定した。してしまった。 トンガリコーンの由縁 無意識に事を起こしているほど、人をイラだたせるものはない。渋滞の先頭に立つものは、どうやって自分を認識するだろう。前を向いて走っているのだから、後ろは見えない。ルームミラーでもせいぜい1、2台。 まさに、2年生の僕だ。建築のケの字も知らない奴。 でも、「みんなとは違うことをしたい」とボ

          05 設計ノート1 初めての設計

          04 レヴィ=ストロースと銀シャリ

          あなたは、呪いや都市伝説を信じていない。僕も同じ。でも、便利なんです。 今日は、レヴィ=ストロース愛を語る回。代表作『野生の思考』の具体の科学を僕なりに紹介しようと思います。彼は、ブリコラージュという言葉を発見したことでも有名です。他にも世の中の見方が180度変わる話が盛りだくさん。是非一読してもらいたいもの。 ただ、あまりにも面白すぎるので、麻薬的な力を持ちます。どっぷり浸からず、ドライに捉えて欲しいのです。私がいうのもなんですが。 では早速、具体の科学とは何か。 「

          04 レヴィ=ストロースと銀シャリ

          03 言葉の解体3 破壊の女神

          「面白い人は最初に言葉がない」 「手を動かしていくうちにだんだんと見えてくる。それまでは感覚的に作るしかない。一旦やりきった後に、客観的に見ることで言葉が生まれるのだ」 「ただ、それを人に伝えるときは、再び言葉を忘れた方がいい」 これは前々回紹介した青木淳の発言である。 - とある卒制の話。 僕はビルの隙間や高架下、暗渠や古墳が好きだ。いわゆる都市の裏側、正直よくある発想である。「しかし卒制だし、好きなことをやるのが一番だよな。」 ダンチ職人で味をしめていた僕は

          03 言葉の解体3 破壊の女神

          02 言葉の解体2 解剖学

          「面白い人は最初に言葉がない」 「手を動かしていくうちにだんだんと見えてくる。それまでは感覚的に作るしかない。一旦やりきった後に、客観的に見ることで言葉が生まれるのだ」 「ただ、それを人に伝えるときは、再び言葉を忘れた方がいい」 これは前回紹介した青木淳の発言である。 - このブログはタイトルにある通り、自分の設計言語を破壊してゆく事になる。それは使い慣れた武器を捨て、裸体で戦場にでるということで、勇気がいる行動だ。だがその前に、自分の失敗談を少し聞いて欲しい。

          02 言葉の解体2 解剖学

          01 言葉の解体1 忘却とキメラ

          大学院の新しい友とオンラインで顔を合わせる日々。リモートはどこか寂しい。 でも、その悲観的な態度はよくないのかな。こんな状況でも頑張ろうとしている世の中に、僕はおいてかれている…と自分を惨めに感じた。 しかしながら今、いつになく建築業界が活気づいている。本来聞けなかったはずの講演会も参加できちゃったりして、お得な気分になる。 - 先日、藝大の学部向けの講演会があり、外部も参加できた。住宅課題前という事で、青木淳が企画したのである。 発表者は修士で母の家を設計し、卒業

          01 言葉の解体1 忘却とキメラ