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Stevie Wonder / Fulfillingness' First Finale (1974)
スティーヴィー・ワンダーの24歳にして実に17枚目(!)のアルバムは、神懸かっていた70年代前半の最初の黄金期三部作(ないしは四部作)のラストを飾る、その名のとおり”ファースト・フィナーレ”。
前年の交通事故で生死の境を彷徨い、再起不能の危機を奇跡的に乗り越えたスティーヴィーは、復帰作でもある本作で達観した人生観や宗教観に基づいた、スピリチュアルな音世界と壮大なバラードを披露。
レゲエ調だった
Bombay Bicycle Club / I Had The Blues But I Shook Them Loose (2009)
ロンドン出身、当時平均年齢19歳の4人組インディ・ロック・バンド、ボンベイ・バイシクル・クラブ(BBC)のデビュー・アルバムは、若き才能が疾走するインディ・ロックでありながら、同時に老練なまでの完成度を誇り、実験精神にも富んでいる秀作。
「リズム・パターンから曲を作る」というとおり、複雑なリズムと独特なコードによる独自の音作りが本作の時点で早くも出来上がっている。
15〜16歳頃から5年近くか
The Beach Boys / All Summer Long (1964)
初期ザ・ビーチ・ボーイズの集大成というべき通算6作目のスタジオ・アルバム。
ビートルズを初めとしたブリティッシュ・バンドのアメリカ進出から受けた刺激と”本場”のグループとして対抗心。長く続いた父の”支配”からの脱却。そして、ブライアン・ウィルソンの”理性が保たれた”ポップ・センス。
あらゆる意味でバンドにとって重要な本作は、サーフ・ロックとホット・ロッドの最後の煌めきを捉えた、究極の夏のポップ・
Elliott Smith / Roman Candle (1994)
1990年代を代表するシンガー・ソングライター、エリオット・スミスのファースト・アルバム。
友人と組んだバンド「ヒートマイザー」ですでにアルバム・デビューもしていたエリオットが、バンド用ではないアコースティック・ギター弾き語りの楽曲を、当時のガールフレンドに勧められて彼女の自宅地下室にてレコーディングし、デモ音源のままリリースされたという本作。
このレコードに収められたギターの一音一音やコード
The Prodigy / Music for the Jilted Generation (1994)
ケミカル・ブラザーズやアンダーワールドに先駆けてダンス・ミュージックとロックをクロス・オーヴァーさせ、いち早くブレイク・ビーツやドラムンベース、ビッグ・ビートを取り入れたプロディジーのセカンド・アルバムは、全英1位を獲得し、マーキュリー賞にもノミネートされたハードコア・テクノの傑作。
リアム・ハウレットを中心に扇状的で挑発的なサウンドを作り上げ、凶暴に荒れ狂う硬質でエッジの効いたビートと不穏なノ
The Beatles / A Hard Day's Night (1964)
ザ・ビートルズのサード・アルバムにして初期の最高傑作。
1964年、アメリカ進出に成功したビートルズが、帰国後すぐに取り組んだ初主演映画「ハード・デイズ・ナイト」のサウンドトラックから派生した本作は、初の全曲オリジナル、さらにディスコグラフィ唯一の全曲レノン=マッカートニー名義となっている。
なんといっても全13曲中10曲をメインで手掛け、うち9曲でリード・ヴォーカル(1曲だけジョージ・ハリス
The Killers / Live from the Royal Albert Hall (2009)
3作のスタジオ・アルバムで英米ともに人気バンドとなったザ・キラーズによる、イギリスはロイヤル・アルバート・ホールでの2009年7月5日〜6日の公演を収録した(現時点でバンド唯一の)ライヴ・アルバム。
前年のサード・アルバムも手掛けた”ポップ職人”スチュワート・プライスが本作でもプロデューサーを務めている。
ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダー、ザ・キュアーらに影響を受けたニュー・ウェイヴの美
Nick Drake / Five Leaves Left (1969)
夭逝のシンガー・ソングライター、ニック・ドレイクのデビュー・アルバムには、孤独で繊細な青年の魂が、触れれば壊れそうなほど脆く、胸が苦しくなるほど美しく哀しい音色の中に屹立して響いている。
当時まだ20歳だったニックがそれまでに書き溜めてきた楽曲の中から、選び抜かれた珠玉の10曲を収録した本作は、フォーク系ミュージシャンを手掛ける若手プロデューサーのジョー・ボイドの下、ニックの大学の友人で当時無名
The Rolling Stones / Aftermath (1966)
初めて全曲をジャガー/リチャーズによって書き上げた記念すべきアルバムは、ストーンズらしいリズム&グルーヴとキャッチーなメロディ作りの妙が詰まった彼らの最初の傑作であり、キャリアの大きな転換期を刻んだレコードとなった。
全14曲52分(UK盤)と当時としては異例の長さの作品で、その中にリズム&ブルーズやフォーク、カントリー、ジャムになだれ込む10分以上の楽曲などが収められ、来たるサイケ時代の前兆を
The Beach Boys / Shut Down Volume 2 (1964)
ザ・ビーチ・ボーイズ名義のディスコグラフィとしては唐突な「ヴォリューム2」が付いた奇妙なタイトル、コメディ・タッチの会話を含む風変わりな曲も入った5作目のアルバム。
しかし、遊びの企画ものではなく、ブリティッシュ・インヴェイジョンが始まった当初のアメリカにおいて、メイン・ソングライターであるブライアン・ウィルソンが憧れのフィル・スペクターへの敬愛を込めてウォール・オブ・サウンドに接近した意味では
The Jeff Beck Group / Beck-Ola (1969)
ロック界屈指のキーボード・プレイヤーであるニッキー・ホプキンスの正式加入、ドラマーの交代、ロン・ウッドの脱退(解雇)&復帰を経て、万全の体制で挑んだ本作は、ジェフ・ベック・グループ名義では初めてのアルバム。
エルヴィス・プレスリーの代表曲"All Shook Up"と"Jailhouse Rock"のカヴァー以外の5曲はオリジナル。3曲目のみホプキンスによる異色のピアノ・インスト曲(これがまた美
Nirvana / Bleach (1989)
90年代に一大ムーヴメントを巻き起こした”グランジ”の中でも神話となったニルヴァーナ。
80年代末にリリースされたこのデビュー・アルバムでは、来たる90年代グランジ・ブーム前夜、シアトル郊外の片田舎に住む若者たちが、退屈で鬱屈とした日常から逃れようともがき、唯一手にした音楽をもって自由と解放を手に入れようと格闘する姿をありありと感じることができる。
パンクやその後のポスト・パンク、そして80年代
Lana Del Rey / Ultraviolence (2014)
ラナ・デル・レイのセカンド・アルバムは、全米・全英チャートともに1位を獲得するなど大きな評価を得るとともに、アーティストとしても深化を刻んだ意欲作。
ブラック・キーズのダン・オーバックをメイン・プロデューサーに迎え、本人曰く「前作よりも削ぎ落とされてシネマティックでダーク」という本作は、デビュー作でのややチープなレトロさや軽薄さは抑え、貫禄すら感じさせるクラシックさと重厚でどっしりとしたサウンド