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30代男。書きたい衝動と書けない苦悩の間で葛藤した末、SNSからは逃げてるけどnote…

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30代男。書きたい衝動と書けない苦悩の間で葛藤した末、SNSからは逃げてるけどnoteで文を書いてみる。前からずっと(仕事以外は)ステイホームな(社会参加型)ひきこもり。主に音楽・映画・文学・芸人・飲酒・孤独を愛する融通が利かない人間。自己陶酔と自己憐憫への自己嫌悪も好き。

最近の記事

Passion Pit / Manners (2009)

マイケル・アンジェラコスを中心としたエレクトロ・ポップ・バンド、パッション・ピットのデビュー・アルバムは、USインディの多彩で逞しい成長を通して迎えた'00年代最後の2009年にリリースされた。 「バレンタイン・デーのプレゼント」としてマイケルのベッドルーム・プロジェクトから始まり、やがて5人組のバンドとなった彼らは、インディの姿勢のまま”大文字のPOP”サウンドで時勢をがっちりと掴んだ。 この突き抜けるようなポップさと昂揚感のあるサイケデリアは、一方で核心の部分は苦味や

    • Neil Young with Crazy Horse / Everybody Knows This Is Nowhere (1969)

      バンドをやめてソロ活動に専念すると決めたニール・ヤングが巡り合った運命のバンドがクレイジー・ホース。 ギターのダニー・ホイットン、ベースのビリー・タルボット、ドラムのラルフ・モリーナによるバンド(当時はザ・ロケッツという名前だった)にニールが加わりクレイジー・ホースと名付けられ、このセカンド・アルバム全編にバンドとして臨んだ。 今でもニールの代表曲であり続ける”Cinnamon Girl”や”Down By The River”、”Cowgirl In The Sand”な

      • Foxes / Glorious (2014)

        イギリスはサウサンプトン出身、フォクシーズことルイーザ・ローズ・アレンのデビュー・アルバム。 同い年のDJ、ゼッドのヒット曲"Clarity"にヴォーカルとしてフィーチャーされたことで注目された彼女は、ハスキーな声と歌唱力の高さに人気が集まるのだが、本作を聴くと共作とはいえソングライターとしての才能も感じさせる。 昨今のポップスらしく9人ものプロデューサーと組んでその魅力を引き出されている一方で、全曲のクレジットに名を連ねている。 10年前当時の時代性を反映したEDM風の

        • Keane / Hopes and Fears (2004)

          BBCの「2004年最注目新人バンド」にも選ばれたキーンのファースト・アルバムは、トラヴィス〜コールドプレイと続いた”UK叙情派”ロックの系譜を継いで見事全英1位(売り上げでは同年旋風を巻き起こしたフランツ・フェルディナンドをも上回ったそう)を達成し、王道のメロディが混迷の2000年代にあっても有効であることを示した。 コールドプレイからも加入を打診されたことがあるティム・ライス=オクスリーの叙情的なキーボード/ピアノの旋律を主体としたギターレスかつベースレスの布陣で、トム

        Passion Pit / Manners (2009)

          The Cure / Three Imaginary Boys (1979)

          「土曜の夜10:15」から始まるザ・キュアーのファースト・アルバムは、ロバート・スミスを中心とした3ピース・バンド時代の作品。 当時の彼らはレーベル側の指示に従わされ制作の主導権を握られていたそうで、レコード単位でのまとまりに欠けるものの、荒削りな中にキュアーらしい奇怪さと妖しさと冷酷さ、一方でのブリリアントなポップさというアンビヴァレントな対比が不思議な魅力を放っている。 家電のみが置かれたシュールなジャケット(冷蔵庫の扉がちょっとだけ開いてるのも怖い…)、全体を漂う狂

          The Cure / Three Imaginary Boys (1979)

          New York Dolls / Too Much Too Soon (1974)

          「遅れてきたグラム・ロック」「早すぎたパンク」として伝説的なニューヨーク・ドールズの本質は、あくまで純粋でストレートなロックンロール。 初期ストーンズのようにオリジナルもR&Bのカヴァーも丸ごと飲み込んで自らのロックンロールとして吐き出す本作は、彼らの本領発揮のセカンド・アルバムにして最後のアルバム。 ヴォーカルのデヴィッド・ヨハンセンとギターのジョニー・サンダースの2人のソングライティングをメインに、ときにヘロヘロしながらもスタジオ・ライヴの生々しさと荒々しさが迸る、芯

          New York Dolls / Too Much Too Soon (1974)

          St. Vincent / Actor (2009)

          アメリカが誇る気鋭のシンガー・ソングライター/ギタリストであるセイント・ヴィンセント(ことアニー・クラーク)による、ディズニーやウディ・アレン作品の音楽にインスパイアされたというセカンド・アルバムは、名門4ADへの移籍後の第1作。 本作からプロデューサーのジョン・コングルトンとのタッグが始まり、彼女の鋭い知性とエキセントリックで刺激的なサウンドにさらに磨きがかかっていく。 前作よりも素顔に近い自らのポートレートと”役者”のタイトルを持つ本作は、彼女の素性と趣向、アーティス

          St. Vincent / Actor (2009)

          Animal Collective / Sung Tongs (2004)

          ボルティモア発、ニューヨークを拠点に活動する4人組変動型エクスペリメンタル・ポップ・バンド、アニマル・コレクティヴの通算5作目は、エイヴィー・テアとパンダ・ベアのコア・メンバー2人によって作られた。 ダブル・アコースティック・ギターが織り成すミニマルでプリミティヴな演奏と浮遊感のあるサウンド、コラージュされたようなヴォーカルが、呪術的でサイケなトリップ感覚を生み出すと同時に、不思議と人肌の温かみも感じられる。 売れる前の時期だけにまだ実験色が強く、決して大衆受けするもので

          Animal Collective / Sung Tongs (2004)

          The Stone Roses / The Stone Roses (1989)

          言わずと知れたUKギター・ロックにおける最高傑作と名高い、名盤中の名盤。 ザ・ストーン・ローゼズのファースト・アルバムにして実質唯一のアルバム(といってしまっていいかしら。セカンドも嫌いじゃないけどほとんど別物だし)。 リリースから35年経った今、何百回と聴いた耳でこうしてあらためて聴いてみても、やはりここには”全て”がある。 どこを取ってもエヴァーグリーンな輝きと瑞々しさと荒々しさを漲らせた名曲だらけで、イアン・ブラウンの不安定なヴォーカルが生み出す不思議な浮遊感と、ジ

          The Stone Roses / The Stone Roses (1989)

          Joni Mitchell / Clouds (1969)

          可憐さと意志の強さが同居した、存在感のあるセルフ・ポートレートのジャケットが印象的なジョニ・ミッチェルのセカンド・アルバム。 前作同様にシンプル極まりない弾き語りスタイルで綴られた楽曲はしかし、ソングライターとしての表現力とシンガーとしての凄みを増した彼女の詩情と情念が濃密に刻まれており、決して簡素には聴こえず、ときに重厚感すら感じさせる。 来たる70年代SSWブームを先取りしたような透徹したフォーク・ソングだけでなく、NYへの”上京当初”の初々しい気持ちを描いた一際ポッ

          Joni Mitchell / Clouds (1969)

          スピッツ / 名前をつけてやる (1991)

          スピッツのセカンド・アルバム。 「ライド歌謡」を目指したという本作は、草野マサムネが当時影響を受けていたライドやMBVあたりのシューゲイザー風サウンドに、繊細なアコースティック・サウンド、日本のポップスのメロディを組み合わせたことで、2作目にしてオルタナティヴ・ロックとしての独自の音楽性を獲得。 ザクザクとした質感と淡い残響を心地良く共存させたギター、太く角張ったベース、シンプルな響きのドラムスに、切なさを強がりながら搾り出すような繊細なヴォーカルと、甘酸っぱさと侘しさを含

          スピッツ / 名前をつけてやる (1991)

          blur / Parklife (1994)

          ブラーの最高傑作にして、ブリットポップの金字塔というべき名盤となったサード・アルバム。本作で初の全英チャート1位を獲得。 前作で志向した”英国回帰路線”をさらに強力に押し進め、古のミュージック・ホールから60年代以降のブリティッシュ・ロック、70年代のパンク、ニュー・ウェイヴ、そして80年代エレクトロ・ポップまで取り込んだ上で、ブラーらしく知性的でウィットに富み、滑稽でどこか哀愁の漂う詩情と、捻くれながらもどこを取ってもキャッチーなメロディ、ギター・ポップの弾けるリズム感に

          blur / Parklife (1994)

          The Horrors / Primary Colours (2009)

          ゴスとガレージ・パンクに振り切ったデビュー作が一部で評価を得つつも、見た目も音も佇まいもキワモノ扱いされる向きがあったザ・ホラーズは、この2作目で”突然変異”を果たし、各誌が選ぶ2009年ベスト・アルバムでは、NME誌で1位、MOJO誌で2位に選ばれるなど、各所から賛辞を受けた。 UKインディ・ロック界隈の最大勢力であるXL Recordingsにレーベル移籍し、ポーティスヘッドのジェフ・バーロウをプロデューサーに迎えた本作は、ジョイ・ディヴィジョンやザ・キュアー直系のニュ

          The Horrors / Primary Colours (2009)

          The Pop Group / Y (1979)

          英ブリストル出身のザ・ポップ・グループの衝撃のデビュー・アルバムにして、ポスト・パンクの時代を代表する傑作。 パンクの影響で音楽を始めた彼らは、黒人やジャマイカ移民の多いブリストルの土地柄もあって、パンクにファンク、ダブ、フリー・ジャズなどを飲み込んでごちゃ混ぜにし、ヴォーカルのマーク・スチュワートの過激な主張を絶叫&煽りとともに叩きつけ、ジャケットのパプア・ニューギニアの先住民族の写真のイメージどおり、プリミティヴで呪術的で不穏で、それでもどこかポップな音を鳴らしている。

          The Pop Group / Y (1979)

          Pulp / His 'n' Hers (1994)

          英シェフィールド出身、ジャーヴィス・コッカーを中心に結成され、1970年代末から(細々と)活動してきたパルプ。 デビュー作から実に10年、紆余曲折を経てのシングル曲のヒット、メジャー・レーベルとの契約、そしてメジャー・デビュー作となるこの4作目で全英チャート9位を記録するとともに、マーキュリー賞ノミネートまで果たし、彼らは苦節15年で一躍UKトップ・バンドの一つへと成り上がった。 これまでも彼らの特徴であった、ジャーヴィスの語り口調だったり演劇調だったりする歌唱や80年代

          Pulp / His 'n' Hers (1994)

          Dusty Springfield / A Girl Called Dusty (1964)

          英国が誇る世界最高の女性シンガーの一人、ダスティ・スプリングフィールド。 兄らと組んだグループから脱退後ソロ・デビューし、シングル曲のヒット後にリリースされたファースト・アルバムは、彼女のフェイヴァリットからのカヴァーをメインに据えており、藍色の背景にデニム・シャツを着たダスティの立ち姿がモダンなジャケット写真も印象的。 デビュー作にして早くも風格が漂い、その伸びやかでハスキーで艶のある歌声と、原曲のニュアンスを芯で捉えた表現力豊かなヴォーカリゼーションは凄みすら感じさせ

          Dusty Springfield / A Girl Called Dusty (1964)