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Jeff Buckley / Grace (1994)

30歳でこの世を去った夭逝のシンガー・ソングライター、ジェフ・バックリィが生前に遺した唯一のスタジオ・アルバム。

その神々しいまでに圧倒的に美しく凄みのある歌声は、同じく若くして亡くなった父、ティム・バックリィに勝るとも劣らない存在感を放っている。

時は1994年。USオルタナティヴ全盛の時代を感じさせるバンド・サウンドに、彼が影響を受けてきたというレッド・ツェッペリンのハードさと、レナード・コーエンのカヴァーとして有名な"Halleluyah"に代表される荘厳さを、孤高の歌声で一つのエモーショナルな芸術作品に昇華させている。

一声で人の心を惹きつけるジェフによる、一瞬で浮世を突き抜けていくようなヴォーカリゼーションの凄まじさは唯一無二で、レディオヘッドやマシュー・ベラミーといったUK屈指の実力派達にも多大な影響を与えた。

鬼気迫るほどの緊張感を孕んだこの名盤は、最初で最後という悲劇的な宿命も相まって、永遠の価値を持ち続けることになる。






ロックの名盤揃いの1994年において、現在でも孤高の位置を占めているのが、ジェフ・バックリィのデビュー作であり生前最後のアルバム「グレース」。

メロディもサウンドも演奏もさることながら、何よりも本作はジェフの歌唱に尽きる。
圧巻、荘厳、壮絶、神秘。そういった言葉が(たとえクリシェだとしても)自然に浮かんでくるようなこの歌声は、彼が若くしてこの世を去ったこととは関係なく、掛け値無しに素晴らしい。

そして静寂の中に屹立した存在感を放つギターの音色もまた素晴らしい。

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