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スピッツ / 空の飛び方 (1994)

スピッツの5作目のアルバムにして、初のオリコンチャート入りを果たした出世作。90年代を代表する名曲「空も飛べるはず」や、キャリアにおいても屈指の名曲「青い車」などの強力なシングル曲を中心に、清涼感のあるポップ・ソングをいくつも収録した本作は、その後の彼らの方向性を決定づけることとなった。

これまでに取り組んできたストリングスなどのアレンジは抑えめに、よりクリアで抜けの良いバンド・サウンドをメインに据えた本作の音は、初期における象徴的なシューゲイザー・サウンドだけでなく、90年代UKロックの香りとギター・ポップの甘美さや華やかさも纏い、ポップで爽やかな”スピッツ印”として確立。
一方で、時折露悪的で倒錯した雰囲気を醸し出す詞の世界観は初期からのスピッツらしさが健在。

女性コーラスとのデュエット曲やメンバー全員のコーラスを入れた曲など新たな挑戦も試みつつ、スピッツらしくひねくれながら繊細に揺らぎながら、多彩な楽曲はどれもポップ・ソングとしての魅力が満載。
大ブレイクの前に一つの完成形を作り上げたといえる。






9月リリースの作品ながら、春から夏にかけてのイメージが強い楽曲が並ぶ中、最後の「サンシャイン」の翳りのある甘美さや、寒風が切なく通り過ぎていく感じが堪らなく心地良く、今の気分にフィットした。

昨夜遅くまで飲みすぎたせいで今でもなんだか頭がぼんやりしている。
あまり書けなかったけど、メロディとバンド・サウンドが良い按配で融合した名盤だと思う。

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