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地方移住 保育料が都会より高いことも! #働くを考える イベントレポート(中)

地方移住や、収入源を分散する「複業」が注目を集めていますが、実際にそうした働き方・生き方をしている人はどのように日々を過ごしているのでしょうか? 私が司会を務め、10月24日に開催したオンラインイベント「多拠点&パラレルキャリアで人生をデザインする~働くを考えるvol.1」(毎日みらい創造ラボ、Next Style Lab共催)では、体験者にリアルな今の生活を聞きました。当日の様子をお伝えします!

(イベントレポート(上)からの続きです)

地方はパーソナルスペース広く 職住近接で心の余裕

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 イベント中盤では、東京のIT企業でリモート勤務を続けながら長野で暮らす篠原智美さん(38)が「移住して分かった長野のリアルライフ」と題して、地方暮らしについて語りました。篠原さんは夫の転勤を機に東京から長野に引っ越し、本業のかたわらフリーランスで企業の新規事業開発などを担っています。さらに出身地の群馬で子育て支援NPOの理事を務めるなど、3拠点で活動するパラレルワーカーです。

 4歳の息子を育てるワーキングマザーでもあり、平日の朝はオンラインヨガレッスンからスタート。本業の仕事の前後にフリーランスの業務をこなし、午後9時からは息子を寝かしつけながら、スマホで仕事をする「残業タイム」です。

 多忙な日々を過ごしていますが、東京に比べ地方での暮らしは「夫婦ともに通勤時間が短いので、心の余裕があります」。

 「都内に住んでいたときは子どもが2歳だったので、スーパーや飲食店でも『すみません、すみません』と謝る場面が多かった。でも、地方ではそういうことがありません。人と人とのパーソナルスペースが広く、みんなが子どもに寛容。都心部だと職住分離だったけれど、地方では職住近接になり、家族ともに良かったかな」

コロナ禍でより働きやすく

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 新型コロナウィルス感染が拡大する前は、東京のIT企業に月1、2回出社していた篠原さん。コロナ禍により働き方はフルリモート勤務になり、「月の98%は長野、残り2%が地方や東京にいる生活に。1日の60%以上テレカン(遠隔会議)しています」。

 多拠点居住にも影響が出ました。「3歳児検診では、2週間以内に都心部に行った人は報告が必要だったり」、長野在住でも車のナンバーが県外の人のため「『わたしは長野県に住んでいます』というステッカーが販売されていたり」と、都市部との往来に敏感な地方の現状を共有してくれました。

 一方、本業の働き方には良い作用があったそうです。社員全員の働き方がオンライン中心になった結果、「決起会や、社内外のミーティングの議事録など、公開される情報量が増えて働きやすくなりました」。

 従来は物理的にその場にいる人が主となる会議進行や議事録作成だったが、関係者全員がその場にいないことが前提となったため、記録される情報量が増え、運営もリモート進行に適したものになったそうです。

 「事業立ち上げもオンラインで出来たり、地方から地方は出張がしやすかったり」と、新しい働き方の浸透で仕事がより円滑にできるようになったと話しました。

密結合社会はリアルからバーチャルへ

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資料出典:㈱ドリームインキュベータ「アフターコロナにおける成⻑・事業創造について」

 さらに、感染拡大を防ぐニューノーマル時代の到来により、リアルとバーチャルの人の集まりが逆転したと指摘しました。

 「今までは密結合社会がリアルにあり、バーチャルは分散していました。けれどコロナを機に、リアルな場は新しい生活様式により距離ができ、一方でオンラインセミナーでは全国の人が集まれたりと、バーチャルが密結合社会になりました」

 また、自身の経験から地方移住を検討する人へのアドバイスも。移住には観光レベルで現地を訪れる「検討期」、月1回ほど現地に行き住む地域などを探す「移行期」、月2、3回現地を訪問し知人をつくる「多拠点期」、実際に住む「移住期」の4段階があると説明します。

 「私は移行期が短く、(地域の人と)関係性ができる前に縁もゆかりもない地域に来てしまったので、孤独を感じました」と打ち明け、「移行期」が大事だと力説しました。勤務先との労働条件の交渉や、移住先を家族と下見するためにも、「急がず移行期を長めにとったほうがいい」と推奨しました。

 地域の人やコミュニティとつながるために役立つとして、「人でつながる」ワークプレイスプラットフォーム「TeamPlace」も紹介。「(移住前に)地域に通う移行期をつくり、仕事もコミュニティもある中で、移住における家族の良いバランスを探ることが必要です」と強調しました。

(イベント後半のディスカッションは後日掲載します!)

次回イベントは11/16ランチタイム、テーマはワーケーションです!興味あればぜひ★

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