~タテ・ヨコ・ナナメ。クラシックチラシを大研究!~|公演チラシ考察のすすめ
ようこそ、クラシックの世界へ ♬
こんにちは!おちらしさんスタッフの臼田です。おちらしさんラジオのパーソナリティの、ななみんでもあります。
おちらしさんWEB「公演チラシ考察のススメ」シリーズ。チラシが大好きなおちらしさんスタッフが、テーマとなるチラシについて探究し、その魅力に迫ります。
これまで、このシリーズでは演劇チラシの気になるポイントに迫っていきました。やはり行きつくのはいつも、興味深い「デザイン(イラスト)」の魅力です。
4回目となる今回のテーマは、冒頭でも登場した「クラシック」!!
おちらしさんでは、演劇公演のチラシだけでなく、落語やミュージカル、バレエなど、幅広いジャンルのチラシをお届けしています。クラシックもその一つです。冒頭でご紹介したクラシックコンサートのチラシは、最新号のおちらしさん10月号でお送りしました。
「デザイン(イラスト)」に惹かれて興味をもつことが多い演劇チラシに比べて、クラシックチラシは、どこに興味をもち、「行きたい!」と思うのか。クラシックコンサートが大好きなスタッフ3名と、あまり馴染みのないスタッフ2名が集まり、チラシを机に広げ、タテ・ヨコ・ナナメ……様々な方向から研究会を始めます!!
★クラシックチラシ研究【タテ】〜人がいるチラシといないチラシ〜
伊藤:チラシを広げてみましたが、演奏者や指揮者の方が大きく写るチラシが多いですね。有名な方々なんですよね?
しみず:プロで活躍されている指揮者や演奏者の皆さんですね!チラシを見るとき、誰が指揮しているかはよくチェックしているかも。「〇〇さんが指揮を振るんだ!」と知って行きたくなるコンサートが結構あります。
臼田:このチラシは人がいないチラシです!左のソニー吹奏楽団のチラシは、ホルンが赤・白・青の3色でグラデーションされていて、お洒落で目を惹きますね~!
水口:プロの楽団に対して、学生楽団や企業の楽団は、写真よりイラストを使っていることが多いかもしれないですね。
臼田 : 確かに!あ、でもこのチラシは、プロのアーティストも出演されているけれど、イラストが多いチラシ!
伊藤:ほんとだ!このコンサート、気になります。「ボンクリって何?」と不思議に思い、裏面を読みたくなりました。クラシックは高尚なものというイメージがあって、なかなか聴きにいく機会がないんです。指揮者の写真が載っていても、誰だろう?となってしまう。でもこれは、イラストに惹かれて裏をめくりたくなりました。
水口:いろいろな企画が組まれているコンサートは、クラシックに馴染みがない人も、最初の一歩を踏み出しやすいですよね!
★クラシックチラシ研究【ヨコ】〜コピーを並べてみる〜
しみちゃん:私は曲名や指揮者の方のことをよく知らないので、コピーがとても目につきます!
しみず:気になるコピーを、並べてみましょう!!
「ブラームス&メンデルスゾーン
二つの名曲を聴く、休日の午後の至福の時!」
伊藤 : 「至福の時」って言葉にぴったりな、水色のチラシデザインが爽やかで素敵ですね!
臼田:文字のフォントまで、とっても爽やか!爽やかな曲なのかなぁ…と、想像が膨らみます。
「極上のスタインウェイに乗せてお届けする、珠玉のシャンソン」
しみず : スタインウェイは有名なピアノのメーカーですよね!雪景色を想像させるような白くて鮮やかなチラシ……。「極上」のひと言が似合います!来月開催されるのかぁ……あ!大貫さん!
しみちゃん : わぁ!大貫さん!ピアノを演奏される大貫祐一郎さんは、ミュージカルのピアノ伴奏をよく担当されているので、ミュージカルファンに大人気の方なんですよー!
「一心不乱」
水口:すごいひと言!モーツァルトで一心不乱ってなんだろう……?
しみちゃん : ミュージカルにも『モーツァルト!』という作品がありますけど、そのモーツァルトは”一心不乱”に曲を書いているイメージですよねぇ!
水口:たしかにー!!イラストの爽やかさとコピーの印象のギャップがあり、気になりました。
臼田 : さっきの大貫さんのお話だったり、モーツァルトのお話だったり、クラシックコンサートとミュージカルには、接点がたくさんあるんですねっ!
「ヴィオラ界に若きスター登場!」
臼田:「若きスター登場!!」ストレートでかっこいいコピー!!チラシの色も、ヴィオラの楽器の色に合っていて、落ち着いたチラシだなぁ。
しみちゃん:上品なチョコレート色ですよねー!ヨーロッパの街並みが思い浮かぶような……。このコンサートの演奏者、ティモシー・リダウトも、ロンドン(ヨーロッパ)生まれのアーティストなんですね。
★クラシックチラシ研究【ナナメ】〜ぜんぶ裏返してみた〜
伊藤:(ひとつチラシを裏返して)プロフィールの文章が充実している!!
臼田:全部、裏返してみましょう!
全員:文字量!!
水口:クラシックのチラシは、楽団紹介や指揮者紹介、曲目紹介など、演奏会の詳細がチラシの時点で充実していますよね。
臼田 : 私だけかもしれないですが……演奏会が終わったあとに、どんな人が演奏していたのだろう…と、後でチラシを見返したりすることもあります。見返して、その演奏者の次回公演をチェックしたり。
水口 : たしかに!私もです!演奏会に行ったときに、その公演のチラシを持ち帰りたいと、スタッフさんに尋ねている方を見かけたことがあります。
伊藤 : 情報が充実している分、チラシが”振り返り”の役割りも果たしているんですね!
しみちゃん:演劇のチラシは、情報よりデザイン(イラスト)が多くの面を占めていることが多い気がするなぁ。
しみず : クラシック(昔の曲)を演奏するコンサートに比べて演劇は、新作を上演したり、古典でも大胆な脚色をすることがあるから、舞台の内容を文章でのせるよりは、ビジュアルで想像を膨らませるほうが、上演の楽しみが増すのかも!
★クラシックチラシ研究結果!!
【タテ】〜人がいるチラシといないチラシ〜
「人がいるチラシ」は、プロで活躍されている楽団が、指揮者や演奏者の写真を載せていることが多い一方で、「人がいないチラシ(イラストメインのチラシ)」は、学生楽団や企業の楽団に多いようです。
プロで活躍されている楽団の演奏会でも、様々な企画が組まれているコンサートだと、イラストが多く使われていました。企画全体のイメージを表現するには、イラストのほうが伝わりやすいのかもしれません。
【ヨコ】〜コピーを並べてみる〜
曲目の雰囲気を表現するコピーや、演奏者を紹介するコピーなど、コピーとして取り上げる内容は様々。そのコピーに合わせたチラシデザインでコンサートへの興味をそそるものもあれば、デザインの印象とギャップのあるコピーによって、興味がひかれるチラシもありました。
【ナナメ】〜ぜんぶ裏返してみた〜
クラシックコンサートのチラシは、指揮者や曲目の文字情報が充実していました。どんな人が演奏をしていたのか、後で振り返るための役割も果たしているのかもしれません。
一方、演劇のチラシは、デザイン(イラスト)が大きく配置されていることが多いです。解釈がより多様な演劇公演は、詳細を語らずにイラストを多く配置することで、公演内容へのイメージを膨らませ、観に行きたいと思わせる作戦に富んでいるように感じました……!
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タテ・ヨコ・ナナメ……3方向からクラシックコンサートのチラシに迫った結果、
「デザイン(イラスト)」のインパクトが目をひく演劇チラシに比べ、クラシックコンサートのチラシは、「デザイン(イラスト)」に留まらず、①写真②コピー③文字を使い、「情報」を豊富に記載しているチラシが多い傾向にあるようです!
「情報」が充実していると、クラシックに馴染みのある人は、コンサートの雰囲気を豊かに想像することができますね。
馴染みが無い人にとっても、「情報」が充実していることはコンサートへのイメージを豊かにさせますが、デザイン(イラスト)が充実していることで、より鑑賞への最初の一歩が踏み出しやすいようです。
芸術の秋、クラシックコンサートは各地で開催されます。チラシを見かける機会も多くなるでしょう!気になる演奏会のチラシを見つけたら、ぜひ足を運んでみてくださいね!
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