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【夜宵★日記103】『インドラネット』(桐野夏生)

2023/8/29

平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……

KADOKAWA HP

一気読み。

登場人物の誰もが怪しくて、ストーリーがどこに連れていってくれるのか、ぐんぐん引き込まれる。

主人公のダメぶりも一つのおもしろさかもしれない。

ラストシーンは、カンボジアの雑多な喧噪から一転、静謐な聖所に行きついたかのような感覚になる。

それでいて大胆で衝撃的な結末に、名状しがたい余韻に包まれる。

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