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本レビュー

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読んできた本、おすすめ本はこちら。 漫画も含むことにする(細分化し過ぎると、雑多になる)
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#哲学

『暇と退屈の倫理学』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 國分功一郎著 『暇と退屈の倫理学』 (新潮社、2021) 読んでみたかった本の1つ。 偉大なる、哲学の大先生が各章に引用され、彼らの主張を著者が分かりやすく解説している。 解説が丁寧過ぎて、支えられながら読んでいるような感覚になる書き方である(本書の最後には、結論まで書かれている)。 それにも関わらず、本を開いてから、読み終わるまで、私の頭にちらついていたのは、人の持つ虚しさである。 「考え続ける」こと

『鹿の王 水底の橋』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、本の紹介をします。 上橋菜穂子著 『鹿の王 水底の橋』 (KADOKAWA 、2020) ※感想から、ネタバレありで書きます。 『鹿の王』4巻まで読んだ後、最も考えさせられた「生き方」の思想の違い。 医術師ホッサルが「救いたい」と願う、その根本の違いに世界観が揺らいだ。 ホッサルは今作でも、救うことに関して異なる思想を持つ、清心教の祭司師に批判的であった。 私が最も深掘りして考えたかったところが、本という形になっている!! タイト

10月に読んだ本(漫画など含む)

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、10月に読んだ本などを紹介します。 今月読んだ本は、ここ数ヶ月を振り返ると少し増えたので嬉しい。 読んだ本は毎度ながら、文明の力を借りまくることにする。 アウトプットが難しくて、記事に出来なかった本がいくつもあります。 難しい!!!! アウトプット自体が、追いつかない本が多々ありました。 記事にした本大城道則/芝田幸一郎/角道亮介著 『考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話』 (ポプラ社 、2023) 岸見一郎/古賀史健著

『凍りのくじら』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、積読の1冊を紹介します。 辻村深月 『凍りのくじら』 (講談社 、2008) 辻村先生の本は、軽い気持ちで入ったらすごい所だった。 毎回、そういう気持ちになる。 例えば、こんな感じだ。 少しお腹が空いたからカフェに行ったら、皿に乗りきらないほど、 大きなナンがセットのカレー2人前を出されていた、というような。 本のシーンによって、今はもう読みたくないともなるし、消化不良を起こすこともある。 そうなるくらい、毎回満足作品に出会うのだ。

『幸せになる勇気』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、『幸せになる勇気 』を読んだので紹介します。 岸見一郎/古賀史健 『幸せになる勇気』 (ダイヤモンド社第1版、2016) これもまた、いつ買ったのか覚えてさえいない積読の1冊。 これの前作、『嫌われる勇気』も読んだんだけどなー(ほとんど記憶にない)。 さて、本書。 改めて本を見て思ったのが、幸せになることにも”勇気”が必要とされること。 読む前から正直、気が滅入ってしまった。 読んでみると哲学的考察に同意しつつも、やはりアドラーの提

(漫画)『光が死んだ夏』(1〜3巻)

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、『光が死んだ夏』の1巻から3巻まで読み、思ったことを書きます。 モクモク れん著 『光が死んだ夏』 (KADOKAWA 、2022) 初めて本屋でこの漫画を見た時、タイトルに驚いた。 タイトルから、終わってる?(最終巻的な) しかし、2巻が隣に飾ってある。 登場人物が、最初から欠けている物語? どのように進むのだろう? (誰かが死ぬシーン→過去から現代に物語が進み、最終巻で1巻に戻る?) 漫画のタイトルは、『光が死んだ夏』。 しかし

『逆ソクラテス』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、積読と化していた1冊を紹介します。 伊坂 幸太郎 『逆ソクラテス』 (集英社 、2023) 面白かったけど、人におすすめするかと言われたら、ためらう本書。 心の中に少年がいる、その思いを「わかるー」って思う方は楽しいかもしれない。 ざっくり内容 本書は大きく5つに分かれている。 逆ソクラテス スロウではない 非オプティマス アンスポーツマンライク 逆ワシントン 短編集の集成のような物語。 短編集だけど、登場人物や場所に共通事項が

『本を守ろうとする猫の話』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、最近読んだ本を紹介します。 夏川 草介 著 『本を守ろうとする猫の話』 (小学館 、2017) 猫と人、相反するこの表紙。 そして、猫が本を守ろうとする。 何度も迷ったけど、読み終わったら買って良かったと思えました。 ざっくり内容序章。 主人公(林太郎)の祖父(じいちゃん)が亡くなる。 じいちゃんは古書店を営んでいた。 両親も失っている主人公は、葬儀の時に初めて会う叔母と これから暮らすと言われる。 学校も休み、じいちゃんが亡くな

『メメンとモリ』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、ヨシタケシンスケさんの絵本を紹介します。 ヨシタケシンスケ著 『メメンとモリ』 (KADOKAWA 、2023) ざっくり内容3部構成です。 メメンとモリとちいさいおさら メメンとモリときたないゆきだるま メメンとモリとつまんないえいが メメンとモリとちいさいおさら メメンの弟、モリがお皿を割るところから始まる。 メメンは弟を責めない。 それが1つしかなくても、いつかは壊れたり、なくなるものだから。 長く続くか、すぐに終わるか分

『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる ―答えを急がず立ち止まる力 』トークイベントに参加してみた

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、初めて書店のトークイベント(オンライン)に 参加した本を紹介します。 谷川嘉浩/朱喜哲/ 杉谷和哉著 『ネガティヴ・ケイパビリティで生きる ―答えを急がず立ち止まる力 』 (さくら舎、2023) トピックが膨大すぎて消化出来ていません。 よって、今回の記事で、この本について掘り下げていません。 トークショーについて書きます。 もうね、楽し過ぎてしまって…メモ取りまくって、その字が読み返せない… いつものパターン回避のため、PCでメモり

『ぼくのメジャースプーン』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、どこかで「哲学」だと紹介されいた本について書く。 辻村深月著 『ぼくのメジャースプーン』 (2023、講談社) 哲学と言われる理由は、これかー!!!! 心理学的要素もあるし、感情(喜怒哀楽)も大忙し。 またもや、とんでもない本を読んでしまった…!! もちろん、良い意味で。 辻村先生、トークショーとかやってくれないでしょうか。 オンラインでもなんでも。 その頭の中の世界を、私はもっと知りたいです。 お聞きしたいです。 このタイトル、物

『君の膵臓をたべたい』

住野よる著『君の膵臓をたべたい』(双葉、2017) 久しぶりに何度読み返したか分からない、この本を引っ張り出してきた。 当時は「流行ってるから読まない」 今なら「あー流行ったよね」て。 友人におすすめしたけど、返ってくる言葉は大体こんな感じ。 そういう気持ちが超分かるから、それ言われると何も言えんくなる(´・ω・`) だが、私は流行っているのを知らなかった!!!!(どこ見て歩いてんだかな?) タイトルが読めなくて、本屋で調べた思い出…ついでに英単語も覚えた。 色んな「な

『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』

ダニエル・ケールマン著『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』 瀬川 裕司訳 (三修社、2008) 今回掃除をしていて、急にこの本についての話が出た。 大雑把にしか覚えていないが、サラッとあらすじを書いてみる。 2人の学者ガウスとフンボルト。 2人の違いは、ガウスが机の上で世界を広げていくことに対して フンボルトは自分の足で世界を見ることだ。 この異なる2人の対談が進む。 研究者であり、探究することは同じ。 しかし、まったく気が合わない。 一方は動かず、一方は世界を動き回