マガジンのカバー画像

本レビュー

148
読んできた本、おすすめ本はこちら。 漫画も含むことにする(細分化し過ぎると、雑多になる)
運営しているクリエイター

#小説

『消滅世界』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本を紹介します。 村田沙耶香著 『消滅世界』 (河出書房新社 、2018) どの本にも共通して言えることではあるが、この本は読者を選ぶ。 村田沙耶香さんの本は新しい切り口の視点と、 異世界ものとも異なるぶっ飛んだ世界観が魅力的だ。 本書には終始、必要以上だと思ってしまうような、描写の緻密な説明がある。 繰り返し行われる、同じような描写説明に必要性を感じない。 主人公の考える、「正常」と「異常」。 世界の考える、「正常」と「異

『成瀬は信じた道をいく』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 宮島未奈著 『成瀬は信じた道をいく』 (新潮社 、2024) 今作も地元ネタが炸裂。 1作目である前作「成瀬は天下を取りにいく」の内容が「成瀬あかりとは…」であるならば、本書は「その成瀬が…」というような内容だ。 前作よりさらに、全体的にスピード感のあるテンポの流れとなっている。 個人的に、2作目は笑い要素が多くなっている気がする。 あらすじ ときめきっ子タイム ときめきっ子タイムとは、大津市立ときめき

『凜として弓を引く 初陣篇』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 碧野圭著 『凜として弓を引く 初陣篇』 (講談社 、2024) ついに3冊目!! 初試合!! 登場人物を9割忘れていたけれど、今回もめちゃくちゃ面白かった。 ざっくり内容 弓道同好会を立ち上げたばかりの高校2年生、楓(主人公、部長)。 部員6人で、初めての試合に出ることに。 それと同時に、文化祭があったり、進路に悩んだり。 審査(級や段を取得する)もあり、楓が弓道を始めることになった弓道会の先輩、乙矢が流鏑

『一人称単数』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の感想を書きます。 村上春樹著 『一人称単数』 (文藝春秋、2023) 名前は知っているけれど、1度も作品を読んだことのない作家。 言語好きとして、気になるタイトルだと思いながら、何度も買うことをやめた本。 ついに買って、読んでみた。 8つの短編集。 石のまくらに クリーム チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles 「ヤクルト・スワローズ詩集」 謝肉祭(Carnav

『キャクストン私設図書館』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、読んだ本の紹介をします。 ジョン・コナリー著 『キャクストン私設図書館』 田内志文訳 (東京創元社 、2021) 本書の帯に、書いてある文章。 ハムレット、ホームズ、ドラキュラ。 登場人物が実体化して 図書館に住んでいたら・・・・・・? 読む前から面白い決定じゃないか!! しかし、懸念事項もあり。 登場人物が物語の実体化ということは、それぞれの物語を深く読み込んでいないと面白さが分からないか?問題。 もちろん、話がわかっていた方がさ

『鹿の王 水底の橋』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、本の紹介をします。 上橋菜穂子著 『鹿の王 水底の橋』 (KADOKAWA 、2020) ※感想から、ネタバレありで書きます。 『鹿の王』4巻まで読んだ後、最も考えさせられた「生き方」の思想の違い。 医術師ホッサルが「救いたい」と願う、その根本の違いに世界観が揺らいだ。 ホッサルは今作でも、救うことに関して異なる思想を持つ、清心教の祭司師に批判的であった。 私が最も深掘りして考えたかったところが、本という形になっている!! タイト

10月に読んだ本(漫画など含む)

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、10月に読んだ本などを紹介します。 今月読んだ本は、ここ数ヶ月を振り返ると少し増えたので嬉しい。 読んだ本は毎度ながら、文明の力を借りまくることにする。 アウトプットが難しくて、記事に出来なかった本がいくつもあります。 難しい!!!! アウトプット自体が、追いつかない本が多々ありました。 記事にした本大城道則/芝田幸一郎/角道亮介著 『考古学者が発掘調査をしていたら、怖い目にあった話』 (ポプラ社 、2023) 岸見一郎/古賀史健著

『凍りのくじら』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、積読の1冊を紹介します。 辻村深月 『凍りのくじら』 (講談社 、2008) 辻村先生の本は、軽い気持ちで入ったらすごい所だった。 毎回、そういう気持ちになる。 例えば、こんな感じだ。 少しお腹が空いたからカフェに行ったら、皿に乗りきらないほど、 大きなナンがセットのカレー2人前を出されていた、というような。 本のシーンによって、今はもう読みたくないともなるし、消化不良を起こすこともある。 そうなるくらい、毎回満足作品に出会うのだ。

『世界でいちばん透きとおった物語』

やふぅー٩( 'ω' )و 今回は、積読本の1つを紹介します。 杉井光 『世界でいちばん透きとおった物語』 (新潮社 、2023) この本、やーっと読めました。 タイトルの意味が分かった時、そういうことかー!!と鳥肌が立ちました。ストーリーは、ミステリ調で、それほど驚くようなものではありませんでした。 感想はネタバレしか思い浮かばないので、途中ネタバレ注意報してから、好き放題書きます。 そうでないと、「すごい!!」しか出てこないんで。 ざっくりあらすじ 主人公は、母と

5月に読んだ本(漫画含む)まとめ

やふぅー٩( 'ω' )و 今月は、読書記事で2回驚いたー(OvO) ①これら本を読んだの今月なのか!!(恐るべし) ②繰り返し読む本で、印象が変わるとき。 ①は、仕様だとして。 ②は、なんだか意外。同じ文章なのに、なぜこんなに変わるんだ?! さて。 毎度ながら、便利な文明の力に頼る!! そいやーーーー(ぶん投げ) 1.住野よる著『君の膵臓をたべたい』(双葉、2017) 2.又吉直樹 /田中象雨著 『新・四字熟語』 (幻冬舎 、2015) 3.小津夜景著 『漢詩の

レインツリーの国

有川浩著『レインツリーの国』 (KADOKAWA、2022) これ良さそう。 そういう安直な理由で手に取りました。 用事がてら、逃避のために少しばかりカフェへ。 最近、こういう時間が非常に貴重な時。 カフェで席をゲットして、ホッと一息して読書タイム。 し  あ  わ  せ 最初は、漫画「聲の形」を思い出した。 後半は、えぇ…それで納得するの?っていう気持ち。 ちなみに上記漫画だけでなく、この歌も思い出した。 (メールで知り合った相手に「結婚しない?」っていう歌) 以

白銀の墟 玄の月

やっと第四巻を読み終えたー!! 読み終えた爆発テンションで書いてみようと思う。 ※ネタバレあり まず、読み終えた!! 『十二国記』をいつから読み始めたのか忘れたけど、 新刊を所持しているのにもかかわらず、 読むのにこんなに時間がかかった本はない。 色々あったからもあるんですけど。 読み終えた達成感と、終わってしまった悲しい感じ。 でもページの最後は、続きがありそうな終わり方をしている?よね? まず、泰麒!!!! 一体いつから作戦が始まっていたんだ?! こういうキャラが

『二木先生』

夏木志朋著 『二木先生』 (ポプラ社、2022) 滅多にない、ジャケ買いした本。 狂った世の中では、狂って生きていくしかないんだ。 そもそも何が狂ってんだかな? 現代社会は、基準が分からなくなりそうだ。 何が合っていて間違ってるかなんて、時代によって変わるもの。 (価値観、政治経済状況…) 誰にでも、おすすめしたくなる本だった。 自分なんか大嫌いだと思ったり、他の誰かになりたいと思ったり。 そして「こんな本読むのは…」と思う方にも。 1.本のあらすじ 普通になりたく

『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』

ダニエル・ケールマン著『世界の測量 ガウスとフンボルトの物語』 瀬川 裕司訳 (三修社、2008) 今回掃除をしていて、急にこの本についての話が出た。 大雑把にしか覚えていないが、サラッとあらすじを書いてみる。 2人の学者ガウスとフンボルト。 2人の違いは、ガウスが机の上で世界を広げていくことに対して フンボルトは自分の足で世界を見ることだ。 この異なる2人の対談が進む。 研究者であり、探究することは同じ。 しかし、まったく気が合わない。 一方は動かず、一方は世界を動き回