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白銀の墟 玄の月

やっと第四巻を読み終えたー!!
読み終えた爆発テンションで書いてみようと思う。

※ネタバレあり



まず、読み終えた!!
『十二国記』をいつから読み始めたのか忘れたけど、
新刊を所持しているのにもかかわらず、
読むのにこんなに時間がかかった本はない。
色々あったからもあるんですけど。

読み終えた達成感と、終わってしまった悲しい感じ。
でもページの最後は、続きがありそうな終わり方をしている?よね?


まず、泰麒!!!!
一体いつから作戦が始まっていたんだ?!
こういうキャラがめちゃくちゃ好き。
私もすっかり騙されたような、それでいて成功するんだから
嬉しいこと、嬉しいこと。

麒麟の髪は金色で、それが特徴。
しかし、その姿を実際に見たことのある民はほとんどいない。
泰麒の髪色は黒いので、黒麒となる。
知らなければ、麒麟だと信じられないかもしれない。
そんな時は読んでいて、内心ドキドキした。
確かに知識でしか知らないものは、実際目にしても分からない。


あぁ、本当にしんどい4巻(白銀の墟 玄の月)だった。
最後にドカンと一発持ってくるから良かったけど。
本当に!!今まで読んでいてしんどかったよ。
だからこそ、どんな歌かは分からない例の歌の歌詞と
最後の園糸と栗のところも含めて全部良かった。

十二国記は、陽子と泰麒が主軸になって、
延王がバッサリ空気を変える感じ。なのかな?
続編があるならば次は陽子がメイン?
すでに次を待ってしまう!!

とりあえず、第四巻まで読んだから泰麒をメインに感想を書こう。

泰麒、麒麟でありながら見事に戦いました…
覚悟を決めて動き出した時に「先生」って言うところ、
泣いちゃうかと思いました。

そして、角が治っていたのは私まで驚いた。
転変のところでは、息が一瞬止まった!!!!よ!!!!
もう、これは絶対に勝つやつ!!!!
だって誓約したから!!天から与えられた麒麟と、その麒麟に選ばれる王。
鳥肌が立つ。

「よくやった。ーーもう良い」

小野不由美著『白銀の墟 玄の月』 (新潮文庫、2019)、386頁。

泰麒だけでなく驍宗王には、自分にまで言われているような気持ちに
なりました。
私だって、王の帰還を本当に待ってたんだよ!!!!
そして、この後に泰麒が麒麟になるからああああああああ
あああああああああああ…
あああああああああああ…
やっぱり王は、驍宗だし主従の誓約を許されたのは泰麒なんだよおおおおお

それにしても泰麒、最後まで「とら」って言うの変わらないんだなぁ。
これも蓬莱が長過ぎたせいなのか。
地味に気になったけど、漢字変換しなくて良いのは楽です。

泰は、国も冬になれば厳しい冬が到来する。
泰麒の出てくるシーンは、雪や冷たいところが多い。
寒くて暗い、そういうイメージ。
どうしても、赤い髪の毛の陽子と真逆だと思わせる。

「私は民に--この世界だけでなく、別の世界でもーーたくさんの犠牲を出してきました。無力なだけでなく、とんだ厄介者だったんです」
耶利は無言で泰麒を見つめた。なんとなく、泰麒が何を言い出そうとしているのか、想像がついた。
「民のためにできることは、もう一つだけしか残されていません」
静かなーー雪のように静かな声だった。

小野不由美著『白銀の墟 玄の月』 (新潮文庫、2019)、354頁。


『魔性の子』もプロローグでは、雪が降っていた。
『風の海 迷宮の岸』のプロローグでも同じく、雪が降っていた描写から始まる。
やっぱり寒々しく、暗い。
雪の降る時の空は暗く、空気も暗い。

『風の海 迷宮の岸』では、本来そこで過ごすはずであった場での
あたたかい場で、可愛らしい泰麒が書かれていた。

しかしだよ、しかしだ。
本来いるべき場にいない間も、ものすごく暗くて辛い時期が多い。
それは、前後するけど『魔性の子』で書かれている。
『魔性の子』を最初に読んだ時には、なんだよこれ!!って思ってたけど、だって人間じゃないもの。
泰麒は麒麟だもの。

あぁ、それにしても良かった。
今後も、どうか無事であって欲しい。
そして李斎をはじめとする、途方もなく長いと感じたであろう時間を
ただひたすら王と麒麟の帰還を待ち、忍耐して戦った方々。
どうか幸せになってください。


さて、ここから急に視点を変えてみる。

あの可愛い泰麒が…!!と思いつつ、ちょいちょい読みながら
脳内で想像してしまった。
リアル年齢を物語にぶち込んじゃうやつ。

高校生ですよ?
いくら麒麟といえど。
小4が、高校生。

たくさんの人が泰麒を知っていた時は「何も分からないの。」って
言ってたわけですよ。
それが恐ろしい麒麟だ!!となるのは、蓬莱にいたからで。
年齢の重ね方や時間の流れが変わっていても、そりゃ変わるのでは?
とはいえね、高校生1人があんなに多くの死者を「ぼく、厄介者でして」だけでは済ませられまいよ。
(分からないよ!!って方は、『魔性の子』を読んでください。よろしくお願いいたします)
辛さと、記憶のない数年の葛藤から、有史始まって以来の麒麟を生み出した。
あの作戦と、戦い方を可能とした。
人の世は強くなるのに、もってこいの場所なわけだ。

待っていただけに、その長さをこちらも知らされることとなりました。
読むのをためらうほどのしんどさは、その分王の帰還を喜ばせてくれました。

あぁ、本当に良かった( ^ω^ )








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