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口紅の数=惚れた相手の数×3みたいな方程式

リップってその日の気分とか雰囲気を左右するアイテムだと思うし、唇は1個だけなのにリップがお家に何本もある、みたいなことはあるあるだと思うんです。
可憐な印象を纏いたいから青みピンクでツヤ感、無敵になりたいから赤のマットリップ、オシャレ顔で女ウケしたいからベージュのシアー、食べ頃の女の子になりたいから濡れた粘膜色。
そんなふうにしてリップでその日の”モード”を選ぶ、小さな魔法の変身スティック。

恋をするとリップを買いたくなる。なぜだろう。その人好みの女になろうとかそういう魂胆ではないんですよね。だってそんなこといったら、かわいいモテ色ピンクしかつけられなくなっちゃう。
私の周りの男性陣に、「カワイイ系と綺麗系、どっちの女の子が好き?」って聞くと8割強の男性が「カワイイ系」と答えるんです。
心優しく、意志の強さはほどほどに、一人で生きていけないような守ってあげたくなる女の子が圧倒的にモテる社会に生きてるのは重々承知なんですけど。
モテ色ピンクとか、実際そんなにかわいくないじゃん!ありきたりじゃん!って私の反骨精神が騒ぐ。

人を好きになると、1番なりたい自分に近い色のリップが欲しくなる。1番理想の自分、自分が自分に自信を持てる姿に近づこうと思う。
好きな人の趣味嗜好に合わせるとかそんなんじゃなくて、自分がいちばん愛せる自分。
聡明で高潔、消えてしまいそうで、それでいて艶やか。
そんな風に理想を並べて、そんな自分に近づくためのリップに出会うとついつい買ってしまう。そんなことしてるうちにメイクポーチにはリップ×2とグロス×1を入れてしまうから、「惚れた男×3」の口紅数式が出来上がっちゃう。惚れた男×α、皆さんは当てはまります?

媚びたくない、八方美人なんてしたくない。あなたに愛されたいけど、自分が愛せる私を愛してほしい。気難しい憂鬱と甘い感情を鏡の前に並べて、真っ直ぐ鏡の中を見つめてリップを塗る。鏡の中の自分をいつもより少しだけ愛しく思える。
化粧直しのついでに髪を整えて、仕上げに鏡の中の自分にガンつけてお化粧室を後にする女性って、最高にいじらしいなと思ってしまう私のお話でした。


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