webマガジン「ねむよし」

「みんなねむくなる。けんかせずなかよしになれ。」をコンセプトに、エッセイや小説、詩など…

webマガジン「ねむよし」

「みんなねむくなる。けんかせずなかよしになれ。」をコンセプトに、エッセイや小説、詩などを掲載しています。不定期更新。作品を掲載したい方を募集しています。よくねむり、なかよくしましょう。【mail : nemuinakayoshi@gmail.com】

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はじめに

 あなたは、ねむいですか?  私はねむいです。いつでもねむいです。好きな人とデートをしているときも、好きな映画を見ているときも、大学で勉強をしているときも、食事をしているときも、友だちとおしゃべりしているときも、大事な会議のときも、朝日が昇るときも、星が瞬くときも、桜が散るときも、この文章を書いているときも。ねむっているときでさえ、ねむいです。  あなたも私と同様、ねむい人かもしれません。または、あまりねむくない人かもしれません。それでも人はみんなねむります。ねむる前には

    • noteからはてなブログへ移行しました。

      こんばんは。清水優輝です。 Webマガジン「ねむよし」をnoteからはてなブログへお引越しすることにしました。 お引越し先は以下のリンクより、ご確認くださいませ。 場所が変わっても、ねむよしのコンセプトは変わりません。 これからも引き続き仲良くしていただければうれしいです。 noteは今回で更新を停止し、2020年末に完全削除する予定です。 ご理解のほどよろしくお願いします。 それでは、また。

      • ねむよしが本になります。

        皆さん、ご無沙汰しております。清水優輝です。最近はよくねむれていますか。不安な夜を過ごしていませんか。 さて、今回はお知らせがございます。 タイトルのとおり、Webマガジン『ねむよし』が今冬、本になります! 現在、複数の方にお声がけして、絶賛執筆中となっております。詩や小説、短歌など、さまざまな作品を集めて「ねむよし」らしいあたたかな作品集となりそうです。詳細な情報につきましては追って公開いたしますので、ぜひお楽しみに。 販売方法はBOOTHを利用した通販を想定してお

        • 【第21回】 最近のわたし

          こんにちは。清水優輝です。みなさま、おげんきですか? 前回の更新から日が開いてしまい申し訳ありません。今週より更新を再開したいと思いますので、引き続きご愛読いただけると幸いです。肩に力を入れずにあくびをしながらやっていきます。 さて、新年度から例年通りにいかない日々が続いていますね。 私は緊急事態宣言に伴って在宅勤務になり、ほとんど家から出ない生活をしています。今まで当たり前だったことが当たり前でなくなり、外出時はマスク必須、人との距離を2メートル開けましょうなどと新しい当

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        記事

          【第20回】チーズケーキ

           ここはとても寒い土地です。  氷で出来た大地にどこまでも白い空、海は黒々といつも怒っています。  ここで暮らす生き物たちは大抵、雪に似せて真っ白か、海に似せて真っ黒かのどちらかでしたが、白くもなく、黒くもない1匹のクマがいました。  クマは鼻歌を歌って、家に帰っているようです。  雪のレンガを積み重ねて作られたドーム型のおうちに、良い香りが漂います。 「うーん、今日も美味しくできたみたいだ」と、クマはうっとりとした顔で舌なめずりしました。  クマが手に持った荷物を片付けて

          【第20回】チーズケーキ

          【第19回】別れの朝

           頭の辺りで何かが動いたので、私は眠い目を擦って目を開けた。枕の脇にあるコンセントから伸びた充電ケーブルを、彼が引っこ抜いたようだった。彼は私が起きたことに気づいていない。慣れたようにうちのシャワーやドライヤーを使ってせかせかと身支度を整えていた。準備が終わったのか、時計を見て「うーん、微妙だなあ」と一人ごちる。その横顔を私は虚ろに眺めている。  寝起きの働いていない頭で、私は昨晩のことを思い出した。彼は朝から予定があると言っていた。いつもだったら昼過ぎまでうちで寝て過ごすけ

          【第19回】別れの朝

          【第18回】 ひとり暮らし

           住んでいる部屋の賃貸契約を結んでから1年が経とうとしている。あっという間だった。料理も掃除も大してやったことのない私だったが、今ではすっかりひとり暮らしを楽しんでいる。  初めから楽しくひとりで暮らせていたわけではない。  引っ越して初めての夜のこと。まだベッドが届いておらず、床に布団を敷いて眠ろうとした。テレビがなく、WiFiもまだなかった。家でやれることと言えば、編み物、妄想、読書くらい。それで十分だと思った。本を読んで過ごした。だんだんとあくびが出てきた。ねむい。私は

          【第18回】 ひとり暮らし

          【第17回】 泥と人

          仕事を辞める。 新卒で入って、一年……いや、11ヶ月働いた会社を辞める。 なかなか就活がうまくいかなかった私に、最後の最後で決まった、世間体のいいところだった。 拾ってもらったこの会社で粉骨砕身しようと、家を出た。初めてのひとり暮らしだった。 数カ月経つと、職場環境の異様さが目につくようになった。 横行する裏金作り。ある一人には社長でさえ、誰も逆らえない組織体系。繰り返される不正、その度の責任転嫁。日に5時間、6時間のサービス残業、手当のない休日出勤。新人へのセクハラ、パ

          【第16回】2020年1月11日

           卵をふたつ、ウインナーを5つ焼く。お味噌汁はいつもインスタント。お湯を電気ケトルで沸かして、注いでかき混ぜるだけ。一口コンロのキッチンでは、お味噌汁を作るのが難しい。ごはんは昨晩、恋人が炊いてくれた。目玉焼きとウインナーをお皿に移し、お茶碗にごはんを盛って、お箸を出した。狭い部屋に合わせた小さいローテーブルは食器でぎゅうぎゅうになる。おなかを空かせていた私たちは、ごはんを目の前にして焦るように手を合わせる。「いただきます!」と言って朝ごはんを食べた。目玉焼きにはソースをかけ

          【第16回】2020年1月11日

          【第15回】寝正月

           気づいたらもう三が日が過ぎていた。初詣に行っておらず、おみくじで今年の運勢を占っていない。まあ、きっと良いことだらけになるだろう。去年のおみくじの内容を全く覚えていない。当たっていたのかな。  初詣に行かず、実家に帰らず、旅行もせず、おせちを作らず、親戚に会わず、お年玉をあげず、掃除をせず、テレビを見ず、おもちを食べず、私はひたすらベッドで横になっていた。小説を読んではねむり、起きては小説を読んでねむった。とはいえ、小説に夢中になっているとも言い難い。文章を読んで、書かれて

          【番外編】2019年まとめ

           大晦日ですね。我が家にはテレビがないので、例年に比べて大晦日の雰囲気が薄いのですが、それでも年の瀬の慌ただしさと寂しさ、温もりを感じています。  今回は番外編と称して、2019年のねむよしを振り返りたいと思います。はじめましての方はここで紹介する記事から読むといいかもしれません。  2019年夏、ねむよしを始めました。  一番、評判があったのはのぅさんのこの記事。本当に素敵なお話ですので、未読の方はぜひ読んでみてくださいね。  個人的に思い出のある記事です。ねむよし

          【番外編】2019年まとめ

          【第14回】眠りに生きる子供たち

           こんばんは。前回の更新から日が空いてしまいました。  ご無沙汰しております。みなさま、おげんきですか。  さて、年末ですね。  私は昨日、仕事納めでした。今日から待ちに待った冬休みです。  観たい映画が何本か上映されているのですが、ねむくてねむくてお布団から出られません。自分へのクリスマスプレゼントとして気になっていた本を購入したのですが、目が霞んでもやもやと夢の中へ吸い込まれてばかりいます。冬になり、ますますねむい時間が増えたように思います。8時間たっぷり寝ても足りない

          【第14回】眠りに生きる子供たち

          Web詩誌『傘と包帯 第八集』公開されました。

          おしらせです。 早乙女まぶたさんが主催されているWeb詩誌『傘と包帯』の第八集が公開されました。こちらに清水優輝も参加しております。素敵な詩が載っています。ぜひ、ご覧ください。 ▽傘と包帯 第八集 ▽幸福/清水優輝

          Web詩誌『傘と包帯 第八集』公開されました。

          【第13回】通り過ぎる

           アニー・ディラート『アメリカン・チャイルドフッド』に書かれている話で印象に残っているものがある。  一九五〇年、ピッツバーグで幼年時代を過していたころ、私はベッドへ行くのをとてもいやがった。なにかが部屋に入ってくるからだった。これは、そのなにかと私との間の秘密だった。もし私が話したら、それは私を殺すにちがいなかった。  それが私をつかまえようとして部屋の隅々を探し回っているとき、息などできるものではなかった。もう二度と再びのびのびと息をすることはできないだろうと思った。私

          【第13回】通り過ぎる

          新しいマガジンが公開されました。

          Webマガジン「ねむよし」に新しいマガジンができました。 「おすすめ」です。書き手の好きなものを紹介します。具体的には小説や映画などの紹介になるかと思います。「ねむよし」でねむくなかよしなお話を書くだけでなく、実際に好きなものを紹介して読んでいるあなたと仲良くなれたらうれしいです。 そして、ぜひあなたの好きなものも教えてくださいね。こちらでも掲載者を募集しております。気軽にお声がけください。 更新は不定期です。おそらく「ねむよし」よりもゆっくりになるかと思います。併せて読

          新しいマガジンが公開されました。

          【BOOK】『世界のすべての朝は』

           突然始まった新企画です。本を紹介をします。本に限らずなんでも好きなものを紹介します。きまぐれでも第2回、第3回と続けていけたらいいなと思います。 今回はパスカル・キニャール『世界のすべての朝は』を紹介する。 ■あらすじ  1650年、ヴィオルを弾く音楽家サント・コロンブは最愛の妻を亡くす。残されたのは2歳と6歳の娘。彼は僅かな土地収入と弟子から渡される謝礼で慎ましく暮らしていた。サント・コロンブは何年もヴィオルの稽古にはげみ、人間の声のあらゆる抑揚を模倣できるほどの名手

          【BOOK】『世界のすべての朝は』