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【ねこ好きの本棚】#2 あなたの人生を彩る『センス・オブ・ワンダー』
猫好きの本棚へようこそ
本日紹介する本は
『センス・オブ・ワンダー 』 レイチェルカーソン著
です。
レイチェルカールソンはアメリカの海洋生物学者で
晩年は野生動物・環境保全に人生をささげ
代表作にはDDTとう殺虫剤による環境汚染を訴えた
『沈黙の春』
があります。
今回紹介する本書は沈黙の春の次に執筆されたもので
彼女が病によって病死した翌年、友人知人たちの手によって1965年アメリカで出版された本になります。
こんな人におススメ
子供を感性豊かな子に育てたい
子供の教育に興味がある / 教育を変えたい
環境保全、野生動物保護に興味がある
カメラで日常や誰かの思いなどの一瞬や煌めきを撮影している人
現代を生きる私たちはスマートフォンなどのテクノロジーに依存し
インスタグラムなどのSNSに飼いならされ
人間もまた自然の中で生きていることや
子供の頃の鋭敏な感性を久しく忘れてしまっているのではないでしょうか?
![](https://assets.st-note.com/img/1697374525967-iUfNO5hCUY.png?width=1200)
この本は作者であるカーソンと当時まだ1歳8カ月であったその甥であるロジャーが夜の海でその大自然の感動を味わうところから始まります。
本編自体は自然や生き物を切り取った美しい写真たちとともに紡がれた
約60ページほどの短い、絵日記のような作りになってるので
非常に読みやすい構成になっています。
彼女たちが見て、触れて、感じてきた景色と生き物の美しさをぜひ体感してみてください!
さっそくお話の内容に入っていきましょう!
どんなお話?
簡単に言うと
人間も自然の一部で
大自然やそこに生きる生き物たちの生命の輝き、美しさとともに
私たち人間が持つ感性の素晴らしさやそれらが子供の発育にどのような影響があるのかを教えてくれる
そんなお話です。
![](https://assets.st-note.com/img/1697376711355-CJxzUC0GxF.png?width=1200)
センス・オブ・ワンダーとは?
あまり聞きなじみのない言葉かもしれません。
しかし私たちは幼いころ、または大人になってからもその体験を
かすかに味わってるかもしれないのです。
まず「センス・オブ・ワンダー」とは
神秘さや不思議さに目を見はる感性
のこと。
例えば子供のころで言えば
夏休みセミやカブトムシをとって無邪気に喜ぶ
キャンプで川遊びをしてはしゃぐ
大人であれば
ダイビングをして海の中の綺麗さや、カラフルな魚たちに目を奪われる
富士山などの登山で頂上に登った時目にした絶景に言葉に言い表せない何かを感じる
あれらが正に【センス・オブ・ワンダー】にあたります。
カーソンはこのセンス・オブ・ワンダーを開きましょうと言っているのです。
ではどうしてこれを開こうと言っているのか。
それは、五感を研ぎ澄まし、自然の揺らぎや命の輝きに目を止めることで
「人生に飽きることなく、孤独にさいなまれることもなくなる」
とカーソンは言っています。
普段の日常の些細な変化を楽しみ、時には満天の星空や、
自然が織りなす絶景を楽しみ、
生命をいつくしんでいれば、どこに飽きる暇があるのだろうかと
そういうことです。
私も趣味でフィルムカメラで写真を撮りますが、
コンクリートジャングルである東京に暮らしていても
朝の河川敷、夜明けと朝のはざまの空の表情の変化を見たり
いつもと同じ、仕事に行く道でも猫がいたりするとワクワクします。
![](https://assets.st-note.com/img/1697375557130-bQAmnLeObd.jpg?width=1200)
毎日が退屈だったり味気ないなと思う人はほんの少し五感をすますだけでもその退屈からは抜け出せるはずです。
ではなぜ人生を飽きさせないのか、それついては次で説明します。
不朽の名作アニメとセンスオブワンダー
実は私たちの身近にもセンスオブワンダーを落とし込んでいるであろうモノがあります。大人も子供も大好き
『ジブリ作品』
です。
『となりのトトロ』の1シーンを見てみましょう。
古民家に越してきたとき、メイはまっくろくろすけの気配を感じ
好奇心からまっくろくろすけを捕まえようとし、手が真っ黒になったことで
まっくろくろすけがいることを確信します。
またトトロと出会うシーンのきっかけも、メイが道に落ちていたどんぐりを見つけたところから中トトロを追いかけ、トトロに出会います。
どんぐりが落ちていても普通の大人ならスルーしてしまうかもしれません。
そこを好奇心と興味で行動していくメイはまさにセンスオブワンダー爆発と言ったところでしょう。
『耳をすませば』なんて
タイトルからしてもうセンス・オブ・ワンダーですよね。
図書室で借りた本の巻末の「天沢聖司」に気づくところなんて五感を働かせていないと気づこうともしないでしょう。
このようにセンスオブワンダーを分かりやすい形にチューニングしたものは
大人も子供も広く楽しまれており、何年も毎年夏に放送されていても飽きられることなくみられている。
これこそセンスオブワンダーが人生を飽きさせないことの何よりの証明だと思わずにはいられません。
そして筆者がこの本で最も伝えたいであろう
子供の成長とセンスオブワンダー
についてです。
![](https://assets.st-note.com/img/1697375569465-1XGFZOCIjq.png?width=1200)
センスオブワンダーが人生を飽きさせない最高の感覚であることはわかりました。
では子供の成長にどうかかわってくるのか。
作中で次のような文があります。
私は子供にとっても、どのようにして子供を教育すべきか頭を悩ませている親にとっても「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと信じています。
(中略)
美しいものを美しいと感じ新しいものに触れた時の感激、憐み、思いやりなど様々な形の感情がひとたび呼び起こされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。
そのようにして見つけ出した知識はしっかりと身につきます。
消化する能力が備わっていない子供に事実を鵜呑みにさせるより、子供が知りたがるような道を切り開いてやることの方がどんなに大切であるかわかりません。
つまり
自然や未知の体験をして感じることで
知りたいと自発的に思い、興味をもって知りえたことはしっかりと身につく
そう言っています。
いやーもっともですよね。分かりやすい例を挙げると
もしかしたら皆さんも
学校の授業でやりたくもないテスト勉強を必死になってやって高得点をとっても1年後に数学の公式を覚えていない
なんてこともあったんじゃないでしょうか。
![](https://assets.st-note.com/img/1697375488357-b1isCerZ7k.jpg?width=1200)
反対にスマブラなんかのゲームの操作方法なんて小学生の頃に覚えたのに大人になっても全然プレイできる。
そういうことです。
大人はすべきは子供の成長・教育には子供が自発的に学びたいと思えるように、新しいもの、未知なるものに触れられる環境を用意する必要があり
その最も身近なものは自然だとカーソンは言っています。
なにも離島にいってデジタルデトックスしなくてもいい、
おうちのベランダでハーブを育てたり、川に行って釣りをしたり
満月を見ながらお月見、そんな身近なことでもいいと、そう言っています。
親も別に知識はなくてもいいんです。
ただ子供に共感して一緒に楽しめばいい、それだけで感覚は親子とも磨かれるのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1697375714175-EGqQXnibZ1.png?width=1200)
因みにスタンフォード大学オンラインハイスクールの星校長が書かれている
『自己肯定感の育て方』
という本の中にも
偶然か必然かセンスオブワンダーに共通する考え方が登場しています。
それは 自発性、有能感、繋がり です。
センスオブワンダーに置き換えると
自発性=未知なるものに触れ、知りたいと自ら思うこと
有能感=知ったという感覚
繋がり=五感を通した自然や大地、地球とのつながり
また親とのセンスオブワンダーの感覚の共有
1900年代に提唱されたことが教育の最先端に立つ教育者も提唱している
もうそういうことです。
子供の教育に悩まれている方はぜひセンスオブワンダーを実践してみるのはいかがでしょうか。
ペットとセンスオブワンダー
![](https://assets.st-note.com/img/1697376735219-VC2smn8d0a.png?width=1200)
この本を読んで
ペットもセンスオブワンダーの一つなのではと思いました。
犬猫をはじめとする動物たちは常に五感を開き研ぎ澄ませています。
人間の不安や安心などの心の動きや気配までも感じ取ります。
また犬や猫を撫でるとオキシトシンという幸せホルモンが出ることも分かっています。
人もペットとの触れ合いを通して癒しをもらったり、またはパートナーであるペットを観察し気持ちを知ろうとしたり、時には不調を察知したりと
感覚を自然と研ぎ澄ませているのではないかと思います。
はい、センスオブワンダーいかがでしたでしょうか。
人生を飽きさせない秘訣や、子供の教育に活かせること、など学ぶことがたくさんあった本でした。
個人的にはフィルムカメラで日常を残したい、ふとした瞬間景色を残したいと思うのはこういうことだったのかもな、と思えたこともよかったです。
本自体も挿絵的な美しい写真とともに本編60ページ程度+あとがきと、
かなり読みやすいものになっており、新潮社さんから出ている文庫タイプありますので本が苦手な方もぜひお手に取ってみてください。
それではまた来週~ฅ"
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