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べじさん
2024年1月30日 00:15
あなたが負けたおかげで誰かが勝つだろうあなたが泣いたおかげで誰かが笑うだろうあなたの涙がしみるとき誰かが笑顔で手をふるだろうあなたが額に汗したおかげで誰かが潤うだろうあなたが物言わぬおかげで誰かが発言できるだろうそのうちあなたは言われるようになるだろう『おかげさまで』とまったく言われるようになるだろう報われぬことなどなにひとつないあなたに関わる全ての人び
とし総子
2024年1月26日 22:34
書くことは汚れない私の手がどれほど汚れても生きることは汚れることそれはとても大らかにその汚れを受け入れよう雲に月が灯る蝶に花は広がる連なった声は名を結び目として長くなるそれらすべてを書いていたい書いていたいのだ 私のままでどんなに汚れが身を燃やそうと私のペン先は静かに
加澄ひろし|走る詩人
2024年1月13日 00:00
浜辺を、トンボが飛んでいるガラスの翅を、震わせて右へ、左へ、餌食を追ってトンボの群れが、飛んでいる岸辺に寄せる波の音時に烈しく、時にやさしく飽くことなく、叩きつづけるやるせなく、ひびきわたる咆哮に深い暗い水底で、空に焦がれていた頃の陸を目指して、息を切らしていた頃の潮の匂いが、懐かしいトンボの空を、燕が通りすぎていく羽ばたいて、風を追いかけている飛ぶことは、叶わなか