ネコハル

気まぐれに詩やショートストーリーなどを投稿しています。気が向いたら遊びに来てくれると嬉…

ネコハル

気まぐれに詩やショートストーリーなどを投稿しています。気が向いたら遊びに来てくれると嬉しいです。noteを始めて一年ですが、まだまだ不慣れなことばかり。どうぞ皆さま、よろしくお願いします。

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自己紹介

ネコハルです。某サイトでの長いローマ字のネームをこう読んで、しかも私の拙い文を褒めて下さった方がいらしたので、それ以来ちょこちょことこの名前を使わせてもらってい…

ネコハル
1年前
284

〔ショートストーリー〕風薫る

風薫る。昔、日本という国には、そんな言葉があったそうだ。五月ごろ、若葉の間を吹き抜ける風のイメージらしい。とても美しい言葉だと思う。 僕らの遠い故郷、地球という…

ネコハル
1日前
20

今朝、母をかかりつけ医へ乗せていった。「診察が終わった」との電話で迎えに行くと、入り口でしょんぼりした母が。
「どうしたの」と聞くと「杖がない」。姉が母に贈った、ツヤツヤで赤い花柄のお洒落な杖がなくなって、残っていたのは木目の無骨な杖。間違えたとは思えず、悔しいし悲しい…

ネコハル
1日前
24

〔ショートストーリー〕エマ

森の入り口にあるエマの家まで、夢中で自転車を漕いできた。この辺りは夜になるとずいぶん暗い。息も整わないままチャイムを鳴らすと、驚いた顔のエマが出てきた。私は黙っ…

ネコハル
2日前
34

〔雑記帳〕悪いのは誰

子どもの頃から童話が好きだった。日本の童話も、海外の童話も、まあまあ読んでいる方だと思う。何らかの教えを含む話、ただの悪ふざけのような話、怖い話、悲しい話、ワク…

ネコハル
4日前
33

〔詩〕蒼い夜

一人で見上げる星空 夜はどこまでも蒼い 忘れたいこと 忘れたくないこと 遠く離れても消えはしない 空を飾る星屑のように 無数にきらめく硝子の破片 色のない風は 化学反…

ネコハル
4日前
35

今日の仕事帰りの車中、お昼のラジオはリクエスト特集!
「明日はきっといい日になる」「浪漫飛行」「さよーなら、またいつか」…。半日出勤でも疲れていたけど、一気にテンションが上がった♪ラジオに感謝です。

ネコハル
6日前
26

〔ショートショート〕真夜中の万華鏡

真夜中にこの万華鏡を覗いてはいけないと、先生は言っていた。物静かで、細い指が綺麗だった美術の先生。昔、外国のフリマで買ったという万華鏡は、深い藍色が美しい。 突…

ネコハル
6日前
41

今年のゴールデンウィーク、前半は久し振りに弟が1泊して帰った。後半は息子が2泊して、さっき出発。
昨日から急に冷蔵庫の調子が悪くなり、夕方は息子に付き合って貰って電気屋さんへ。配送の都合で、来週末設置に。
「ごめん、今は無理やけど、次の買い替えは俺が払う」と息子。覚えておこう♪

ネコハル
7日前
25

〔ショートホラー〕足音

夜道は嫌いだ。特に静かな住宅地で、シンとした空間に自分の足音だけが響くのは、不気味だし心細い。だが、それよりイヤなのは… カツン、カツン、カツン… やはり来た。1…

ネコハル
8日前
31

〔ショートストーリー〕こどもの日

「子どもの日、どこか行きたい所ある?」 母が私に問う。高校生にもなって『子どもの日』というのも何だか面映ゆいが、この機会を逃すまいと私は弾んだ声で答えた。 「じゃ…

ネコハル
9日前
34

〔詩〕蛍

明日はどんな良いことがあるだろう そう思って眠りについたのは 遠い昔のこと 時は容赦なく流れ 輝いて見えた未来はどこにも無く 散らかった夢を拾っては折り畳む 息をす…

ネコハル
11日前
35

〔ショートストーリー〕小さなオルゴール

きっかけはYouTubeだった。大学で付き合いだした有香とふたり、いつものように廃墟や心霊スポットの潜入レポートを見ていると、見覚えのある建物が映った。 「あれ?これ近…

ネコハル
12日前
39

〔ショートストーリー〕黒い鍵

アパートで目覚めると、もう正午近くになっていた。平日の昼間、天気も良い。理由もなくこんな時間まで寝ているのは、真っ当な大人とは言えないな。その筆頭は俺か。 昨夜…

ネコハル
2週間前
29

〔詩〕朧

春の夢は朧 どこまでが現実 どこから幻 浅い眠りは不規則なリズムで ゆらりゆらりと行ったり来たり 言って欲しかった言葉に 思いがけずときめき 言われたくなかった言葉に…

ネコハル
2週間前
39

何でもハラスメントと騒ぐのは好きじゃない。
ただ、今日辞職した2人の町長は、どちらも酷すぎる。とっくに辞めていないといけない人たちだったのでは。
昭和だろうが平成だろうが令和だろうが、この人たちの言動は許されてはならない。

ネコハル
2週間前
26
自己紹介

自己紹介

ネコハルです。某サイトでの長いローマ字のネームをこう読んで、しかも私の拙い文を褒めて下さった方がいらしたので、それ以来ちょこちょことこの名前を使わせてもらっています。

思い返せば、小学校の頃から詩を書き始め、もう半世紀近くなりました。きっかけは、宿題で出た「自由学習」。ノート2ページとか3ページとか、好きに使って良いから埋めてね、という後光が差すような内容だったので、一番効率の良い(?)詩を書い

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〔ショートストーリー〕風薫る

〔ショートストーリー〕風薫る

風薫る。昔、日本という国には、そんな言葉があったそうだ。五月ごろ、若葉の間を吹き抜ける風のイメージらしい。とても美しい言葉だと思う。

僕らの遠い故郷、地球という星は変わってしまったそうだ。度重なる戦争や自然災害で、土壌も空気も水も汚染され、生き残った人間は地球を捨てた。いや、人間が地球に捨てられたのかも知れない。

僕らの祖先はこの星に移住し、それ以来、ずっと人工的に作られた狭い居住スペースで生

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今朝、母をかかりつけ医へ乗せていった。「診察が終わった」との電話で迎えに行くと、入り口でしょんぼりした母が。
「どうしたの」と聞くと「杖がない」。姉が母に贈った、ツヤツヤで赤い花柄のお洒落な杖がなくなって、残っていたのは木目の無骨な杖。間違えたとは思えず、悔しいし悲しい…

〔ショートストーリー〕エマ

〔ショートストーリー〕エマ

森の入り口にあるエマの家まで、夢中で自転車を漕いできた。この辺りは夜になるとずいぶん暗い。息も整わないままチャイムを鳴らすと、驚いた顔のエマが出てきた。私は黙ったまま、彼女に生花で作った花束を差し出す。
「えっ?私、アレルギーだって…」
少し後ずさりながら戸惑うエマ。私は無表情のままで言う。
「嘘だよね、それ。この間、森で見たから」
エマの顔から微笑みが消えた。まだ冷たさの残る夜風が吹き抜ける。

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〔雑記帳〕悪いのは誰

〔雑記帳〕悪いのは誰

子どもの頃から童話が好きだった。日本の童話も、海外の童話も、まあまあ読んでいる方だと思う。何らかの教えを含む話、ただの悪ふざけのような話、怖い話、悲しい話、ワクワクする話…それぞれに良さがあって好きだ。

だが時々、疑問を抱く話もある。そのうちの一つは、日本の童話の「舌切り雀」。皆さんご存知だろうが、念のためざっくりと紹介しよう。

お爺さんが弱った雀を拾ってきて、つきっきりで世話をする。おかげで

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〔詩〕蒼い夜

〔詩〕蒼い夜

一人で見上げる星空
夜はどこまでも蒼い

忘れたいこと
忘れたくないこと
遠く離れても消えはしない
空を飾る星屑のように
無数にきらめく硝子の破片

色のない風は
化学反応のように私を蒼く染める
私は途方に暮れて
失くしたオルゴールの調べだけを
いつまでも口遊んでいる

こんばんは。こちらに参加させていただきます。

暗めの色になりましたが、三羽さま、よろしくお願いいたします。
読んでくださった方

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今日の仕事帰りの車中、お昼のラジオはリクエスト特集!
「明日はきっといい日になる」「浪漫飛行」「さよーなら、またいつか」…。半日出勤でも疲れていたけど、一気にテンションが上がった♪ラジオに感謝です。

〔ショートショート〕真夜中の万華鏡

〔ショートショート〕真夜中の万華鏡

真夜中にこの万華鏡を覗いてはいけないと、先生は言っていた。物静かで、細い指が綺麗だった美術の先生。昔、外国のフリマで買ったという万華鏡は、深い藍色が美しい。

突然、先生は消えた。教師間の虐めで病んだとか、誰かと駆け落ちしたとか、噂だけが駆け巡る。彩に残されたのは、この万華鏡だけ。「彩へ」と書かれていたと、先生のご家族から渡された。

どこにも居場所が無い者同士、唯一心を許せたのに。放課後の美術室

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今年のゴールデンウィーク、前半は久し振りに弟が1泊して帰った。後半は息子が2泊して、さっき出発。
昨日から急に冷蔵庫の調子が悪くなり、夕方は息子に付き合って貰って電気屋さんへ。配送の都合で、来週末設置に。
「ごめん、今は無理やけど、次の買い替えは俺が払う」と息子。覚えておこう♪

〔ショートホラー〕足音

〔ショートホラー〕足音

夜道は嫌いだ。特に静かな住宅地で、シンとした空間に自分の足音だけが響くのは、不気味だし心細い。だが、それよりイヤなのは…
カツン、カツン、カツン…
やはり来た。1年ほど前からだろうか。この小さな橋の辺りになると、いつももうひとつ足音が重なる。硬そうな靴底の音だが、重い感じではない。パンプスやスニーカーではなく、革靴のようなその音は、こちらに合わせるように同じペースでついてくる。

街灯はあるものの

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〔ショートストーリー〕こどもの日

〔ショートストーリー〕こどもの日

「子どもの日、どこか行きたい所ある?」
母が私に問う。高校生にもなって『子どもの日』というのも何だか面映ゆいが、この機会を逃すまいと私は弾んだ声で答えた。
「じゃあ、2カ月前に隣町にできた、巨大迷路に行きたい!」
母の顔がサッと強張る。そりゃそうだろう、母は極度の方向音痴だ。学校の三者面談でも、来るときは教室に表示された『〇年△組』を頼りに何とか来られるが、帰りは放っておくと玄関までなかなかたどり

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〔詩〕蛍

〔詩〕蛍

明日はどんな良いことがあるだろう
そう思って眠りについたのは
遠い昔のこと

時は容赦なく流れ
輝いて見えた未来はどこにも無く
散らかった夢を拾っては折り畳む
息をするように
当たり前の顔をして

誰かのせいなんかじゃない
時代なんかのせいでもない
足りなかった物は
全部自分のせいだって知ってる

それでも

ポケットには折り畳まれた夢が眠る
輝しくなくても
蛍のように微かに光る今がある
やっと分

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〔ショートストーリー〕小さなオルゴール

〔ショートストーリー〕小さなオルゴール

きっかけはYouTubeだった。大学で付き合いだした有香とふたり、いつものように廃墟や心霊スポットの潜入レポートを見ていると、見覚えのある建物が映った。
「あれ?これ近いよ!川沿いにある廃病院じゃん」
「あ、ほんとだ!私、夜になると真っ暗で怖いんだよね、あの辺…」
普段は強気な有香が、心底怯えたように言う。
そのYouTuberは「恐怖度5」とランク付けし、「行くなら2階まで、3階はヤバい」とか、

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〔ショートストーリー〕黒い鍵

〔ショートストーリー〕黒い鍵

アパートで目覚めると、もう正午近くになっていた。平日の昼間、天気も良い。理由もなくこんな時間まで寝ているのは、真っ当な大人とは言えないな。その筆頭は俺か。

昨夜はしこたま飲んだ。最初の居酒屋で隣に座った男と意気投合し、その後ふたりで何軒かハシゴしたが、はっきりとは覚えていない。
ちょっとしたケンカで工事現場のバイトをクビになり、ヤケ酒を飲んで荒れていた俺の愚痴を、どこか学者風のその男は頷きながら

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〔詩〕朧

〔詩〕朧

春の夢は朧
どこまでが現実
どこから幻
浅い眠りは不規則なリズムで
ゆらりゆらりと行ったり来たり

言って欲しかった言葉に
思いがけずときめき
言われたくなかった言葉に
一瞬息が止まる
記憶のような
幻想のような
ただの夢に翻弄されて

目覚めれば真夜中
カーテンの隙間から朧月が誘う

甘い罠なら埋もれるように
もう一度目を閉じてしまえばいい
私の輪郭が柔らかく崩れ
朧の闇に消えてしまうまで

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何でもハラスメントと騒ぐのは好きじゃない。
ただ、今日辞職した2人の町長は、どちらも酷すぎる。とっくに辞めていないといけない人たちだったのでは。
昭和だろうが平成だろうが令和だろうが、この人たちの言動は許されてはならない。