見出し画像

『長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているんですか?』の感想

『長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているんですか?
~絶対に後悔しないがん治療~』/長尾 和宏
 
 
がん治療の、「実際のところはどうなのか?」という疑問に、様々な立場を
踏まえた上で、長尾医師の観点から答えたQ&A本。
 
がん治療不要論を唱えた近藤医師の思想発想の、本音のところがかなりよく
分かった気がする。(ーωー;
 
私が、がん対応の仕方について興味があるのは、その急場において医療や
患者自身の本音が出るからなんだけれども。
 
この本は、そこらへんの普段は絶対に聞けないような医師側の本音、あるいはがん対応における医師間のモメゴトなどが聞けてとても良かった。
 
 
 
近藤氏の本を読んでると、「そういうこともあるのかなぁ…?」と思えて、
『抗がん剤=悪』みたいな考え方にはまり込みそうになるんだけれども。
 
長尾氏のこの本を読んでると、近藤氏の分かりやすい理論体系が、むしろ
「分かりやすすぎてどうなの」と思えてくる。
 
『常に何事も盲信せず、違う視点を持ってダメ出しし続けろ』という話
なんだろうけれども。
 
 
心臓発作でもうすでに他界された近藤氏が、あの世で自分のしたことを
後悔しているのか、それとも納得しているのかと、そんなことを思った。
 
医師は帯刀しているようなものなので、人を切ることが出来るけれど、
そこには責任がともなうわけで。
 
そこに私心(エゴ)があれば、必ずその刀は世間に災いをもたらす魔剣と
化すわけで。
 
「ここらへんは、創作に関わる者も全く変わらんのよなぁ…」と思ったり。
 
 
本がたくさん売れたとしても、魔剣を振り回して世間を騒がせた結果に
終わるのならば、これほど空しいことはないわけで…。
 
『本当のことはどうなのか?』という単純なことが、あらゆる意味において
問われる時代になってきていると思う、今日この頃です。(ーωー
 
それにしても、この本の152ページあたり、『医療とは失敗学の積み重ね
である』というような内容の話を読んでいて、ギョっとさせられました。
 
大きな視点で観てみれば、失敗も成功も等しく必要なものでしかなく、
それら全ての総量をもってして、医療の歴史は練度を上げてきたのだと。
 
 
「科学ってオモローーーーーーーーーーーーーー…。wwww」
 
 
 
みたいなことに気がついたんですが。(ーωー*(遅い)
 
これは、あらゆることにいえることだわなと。
 
 
 
私の肺炎になったデータとかも、多分どこかの何かで役に立っているん
でしょう。
 
失敗してもいいのか!!! Σ(°ω °;」と私は思ったのでした。
 
 
 
歩むべき道を、迷いながらも求め、歩みたいものですね。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?