見出し画像

オルゴールの音色(1分マガジン)

今日は女の子のお誕生日。

しかし世間的には今日はクリスマス。

女の子のお家はケーキ屋さん。
両親はその日は毎年忙しい。
帰ってくるまで女の子はいつも一人ぼっち。

待つ間、ピアノの鍵盤を人差し指で一つずつ押す。
自分で奏でるバースデーソングほど悲しいものはない。
「はぁ…」
そして突然両手でバンッと鍵盤を叩いた。

その瞬間、鍵盤の端から「きゃっ!」と声が。

見るとそこには小さな妖精。

「あなた誰?」

妖精は何も言わず自分のスカートをパンパンとはたいて
鍵盤の上で踊りながらメロディーを奏で始めた。

(どうせクリスマスソングだわ…)

しかし女の子は何かに気づき、踊っている妖精を見た。

違う。

妖精が奏でていたのはバースデーソングだった。

そう思った次の瞬間、急に曲が終わり
妖精はバイバイと手を振って消えてしまった。
もうどこを探してもいなかった。

「ありがとう、言えなかったなぁ…」


その夜急いで帰ってきた両親はお誕生日会を開いてくれた。
両親から女の子へのプレゼント。

それは「オルゴール」だった。

ネジを回して開けてみると、可愛らしい妖精が
真ん中でくるくると回りながら踊っていた。

「Happy birthday to you」を奏でながら。


***

最後まで読んでいただきありがとうございました。
(二作目同様また制限ぎりぎり、まさかの499文字でした!)

小牧さんのこちらの企画に参加させて頂きました。

「記事の制限をお1人様 2記事→3記事に拡大しました。」

とのことだったので、また懲りずに書かせていただきました~♪
だって、楽しくて楽しくて( ´ ▽ ` )

今回の作品をこの企画最後の参加作品と
させていただきたいと思います。

最後まで本当にありがとうございました!

《一作目》

《二作目》



ではまた。


この記事が参加している募集

noteでよかったこと

私の作品紹介

最後まで読んでいただきありがとうございます🐨! いただいたサポートは創作の為に大切に使わせていただきます🍀