積まれた洋書

沖縄、函館、恋愛。【読書記録】【201902】

2019年2月の読書記録です。

noteをはじめてから4ヶ月連続で読書記録を更新できました。単に自分が読んだ冊数とおすすめ本を簡単に紹介してる記事ですが、毎回コンスタントに読んで頂けています。ありがとうございます。

本編では、読んだ本から特におすすめの3冊を紹介します。本編で紹介しきれなかった本は、数冊ピックアップしておまけの有料部分で簡単に紹介します。

先月、2019年1月の読書記録は、こちらをご覧ください。

2月に読み終えた本は、18冊でした。

では、読んだ本の中からおすすめを3冊紹介します!

宝島(真藤順丈)

直木賞受賞作です。「沖縄と米軍」という今も様々な意見が交わされるデリケートなテーマを扱っています。しかし、だからといって忌避するのは、もったいないです。息をつく間もないスピーディーなエンタメ作品に仕上がっています。ページ数は多いですが、ザブンと勢いで一気に読むのがおすすめです。

沖縄戦、米軍戦闘機の小学校墜落、米兵による女児暴行殺人事件、コザ騒動など、実際に沖縄であった出来事が物語の中では語られます。暗いシーンも多いです。でも、その暗さの中にどこか明るさを感じます。理由は、物語を語る上で使われている沖縄の方言です。この方言がどこか底抜けた明るさや、描写のやわらかさを生んでいます。一気に読める面白さを持つ反面、現代に続く問題をじっくり考えさせる優れた作品です。

【あわせて読みたい本】

沖縄現代史(櫻澤誠)

第二次大戦後の沖縄の歴史を丁寧に解説した本です。主義・主張に左右されない冷静な記述が特徴で、信頼して読めます。「沖縄を語るならまずこれを読め」と言っても過言ではありません。

函館水上警察(高城高)

明治の北海道・函館が舞台の作品です。函館は、江戸時代末期に開港して以来、外国船が多く寄港します。日本人も外国人も入り乱れて起きる事件を颯爽と解決するのは、この土地が舞台ならではの内容です。

登場人物の感情をおさえつつ淡々と進む物語ほど、描写の技量が問われます。この本は、とにかく描写が丁寧かつ細かいです。例えば、船の構造や、函館の街並み、人々の服装があります。当時の函館の情景と、登場人物が生き生きと動く姿が目に浮かんでくるようです。是非、続編にあたる『冬に散る華』も合わせて読んでください。

【あわせて読みたい本】

かまさん 榎本武揚と箱館共和国(門井慶喜)

同じく函館が舞台の作品です。主人公の榎本武揚は、『函館水上警察』の主人公・五條警部と違い、感情豊かです。2人の主人公を対比して読んでみるのも面白いかもしれません。

恋愛制度、束縛の2500年史(鈴木隆美)

「恋愛は制度であり、その制度に人々は拘束される」と筆者は述べています。今、僕たちが当たり前にイメージする恋愛の常識も、所詮はちょっと昔に確立された制度に過ぎないのです。社会の常識・非常識が、時代によって移り変わるものであり、絶対ではないことを改めて学べます。

また、恋愛という制度は、明治になり日本へ輸入されたものです。しかし、日本人は「恋愛」の意味をヨーロッパ人の解釈で正しく理解できないまま恋愛を日本の文化に入れてしまいます。その結果、日本の恋愛制度はガラパゴス化を起こしているのです。海外の文化や考え方を日本に取り入れる際の問題点が、恋愛という身近なテーマを通して浮き彫りになります。本の後半部分がやや難解ですが、じっくり読む価値のある一冊です。

【あわせて読みたい本】

私とは何か(平野啓一郎)

『恋愛制度、束縛の2500年史』の最終章では、「キャラクター」と「キャラ」の違いが大きな話題の一つに挙がります。この違いについて、鈴木さんとは別の解釈を示しているのが平野さんです。

4ヶ月も続けるとフォーマットもだいぶ固まってきました。ただの記録でも、より多くの人に読んで頂けるよう少しでも改善できたらと思っています。「ちょっとここ直してみたら?」と思うところがあれば是非教えてください。よろしくお願いします。

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今回は、本編では紹介しきれなかった本を簡単に何冊か紹介します。

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