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サガワヨウ。究極的な自分のこと。

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記事一覧

死んでいる、というのは不思議なことなのかも知れない

久しぶりの予定がない連休。することもなくて、ずっとごちゃごちゃと頭の中を混ぜ返すようなことばかり考えていた。それで、私が例えば明日死んだって、誰も気づかないんだ…

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1年前
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TSUTAYAと青春の終わり

深夜2時前のTSUTAYAは妙に空気が透き通る。エスカレーターに降りて、シャッターだらけの店の間をすり抜けて、控えめな音量でofficial髭男dism が流れる店内へ入る。客足は…

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1年前
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君みたいな良い人なんてのは何一つ得がないよな。誰かを傷付けるより傷付けられた方が良いなんてさ。鋭いナイフで斬りかかる世の中の不条理って奴を、君は武器も持たずに受…

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1年前
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「仮にこの世界に一番好きなものは教えない。なぜなら一番好きだから。と言う人がいたとして、その人に、好きだよ、と言われたら、それは私が2番目ってことになるのかな。…

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2年前
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化物

どうにかこうにか、必死に掴む。私の手を掴む。乗り物酔いみたいな気持ち悪さが何度も私に襲いかかる。いつからか、でも、もう学生の頃から、想像もできない化物を私は自分…

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2年前
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ep.2

「私は、遠くに逃げるよ」 といった。 貴女の背中には翼が生えていたんだ。 淡く蒼い空にふわりと羽を広げて、その言葉のとおりに遠くに消えた貴女に、僕は会う術を持たな…

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2年前
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こんなこともできなければ、人として終わりだ。 と言われて、出来ない自分がひどく恥ずかしくて人間として終わりだと思った。 実際、そんなことでは終わりはしないのだけ…

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2年前
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09

数年ぶりにBOOKOFFに行った。そして、一直線に漫画コーナーへ行く12歳の私はこの中にはもう居無いことに気付いて、小型テレビを見て一万円しないのか安いな、なんて思って…

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2年前
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08

どんな人間でもプラスのことはいくらでも言えるんだよ。大丈夫も頑張るも楽しいも誰の口からだって、思ってなくたって、言えるよ。本当に言えないのはもっとマイナスの感情…

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2年前
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ep. 1

「私が消えてしまったら、それを君はどう受け入れるのか、受け入れられないのか、気になる」 と言った。君は自分以外の何かや誰かばかりを気にしていた。 「君が消えたら僕…

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2年前
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だれかに限界を伝えたことは無い。出来ないなんて言ったことがない。適度に甘くなれないし甘えられないし。大丈夫が口癖なんて思いたくなかったし頑張りすぎているなんて言…

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2年前
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06

無神経に生きていきたいしたいことをしたい幸せになりたいたぶん幸せになりたい幸せになりたいんだよ私は

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3年前
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もうずっと、誰かに依存していたい。誰かにもたれ掛かっていたい。誰かに夢中になっていたい。 そしてその誰かは、 私のことなんてどうでもいいと思っていてほしいのだ。…

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3年前
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04

「『僕らが永遠に一緒なんてことはない』よりも確実なことを教えて。」 「『僕らは別に、出会わなくても生きていけた。』」

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3年前
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03

誰にも頼らないで、誰にも縋らないで、誰にも甘えないで、ただ地獄のような人生を、真っ暗闇の世界を、私は私の見出した光だけで、真っ直ぐに歩いていきたいの。 誰も、あ…

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3年前
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初乗り運賃で手に入れられる幸せを共有できはしない話

例えば、タクシーの運転手さんに、 「あなたが一番幸せだった場所へ連れて行って欲しい」 といいたい。辿り着いたその場所で、けれど、そこがどんな思い出なのかは聞きた…

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3年前
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死んでいる、というのは不思議なことなのかも知れない

久しぶりの予定がない連休。することもなくて、ずっとごちゃごちゃと頭の中を混ぜ返すようなことばかり考えていた。それで、私が例えば明日死んだって、誰も気づかないんだよなあって。不意に思った。明後日は仕事だから、そこで初めて気付くんだ。「ああ、あいつ、遅刻かな?」って思われて、まずは職場の上司が私に電話をする。繋がらない電話に苛々させるんだろうな。それで、何度かけても電話に出なくて、暫くは諦められて、お昼か、夕方くらいに家族に連絡がいく。家族に。って、誰に連絡されるんだろう。母か、

TSUTAYAと青春の終わり

深夜2時前のTSUTAYAは妙に空気が透き通る。エスカレーターに降りて、シャッターだらけの店の間をすり抜けて、控えめな音量でofficial髭男dism が流れる店内へ入る。客足は昼間より減った。けれど人1人の存在感はその分増したような気がして、結局のところ窮屈な店内に変わりはない。大阪の金曜日はきっと夜からがはじまりだ。 店内の左半分はレンタルコミックのコーナー。まだ入ったことはない。中性的な髭男の、名前も知らないボーカルの声が真っ直ぐで切ない愛を歌うから深夜2時の眠れな

君みたいな良い人なんてのは何一つ得がないよな。誰かを傷付けるより傷付けられた方が良いなんてさ。鋭いナイフで斬りかかる世の中の不条理って奴を、君は武器も持たずに受け止めてさ。平気そうに傷を薄く摩って、そんな顔で笑ってるけど痛みも傷も感じてないわけないよな。 君みたいな良い人なんて何一つ得がないんだよ。人の為に生きることができない僕からすればさ。でもだから僕をそばに置いておいて欲しいんだよ。僕は僕のことしか考えられないけど、それでも君に降りかかる雨を一緒に被るくらいは出来るんだよ

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「仮にこの世界に一番好きなものは教えない。なぜなら一番好きだから。と言う人がいたとして、その人に、好きだよ、と言われたら、それは私が2番目ってことになるのかな。」と言う私にとって2番目でもましてや一番目でもない人。と呑む居酒屋。やっぱり前の店の肉屋の方が美味かったなあと思いながら食べるだし巻き卵。小麦粉と米断ちをしているから食べられないたこ焼きが美味そう。「そうなるのかもねえ」と曖昧な相槌をしたら、「これ美味しいよ」と関係のないイカ焼きを勧められて、「イカ焼き好きだよ」「2番

化物

どうにかこうにか、必死に掴む。私の手を掴む。乗り物酔いみたいな気持ち悪さが何度も私に襲いかかる。いつからか、でも、もう学生の頃から、想像もできない化物を私は自分の中に飼っているのだ。ぐにゃりと歪んだ視界、一瞬の浮遊感、空っぽの胃の中身を無理に吐き出そうとした時みたいな吐き気。不快に揺れる頭の中で何度も思う。生き辛い、なんで私だけこんなに面倒な化物を相手に生きてるんだろう、ここにいちゃいけないんだろうか、私は私を生きていちゃだめなんだろうか。蹲って目を閉じて、ただただやり過ごす

ep.2

「私は、遠くに逃げるよ」 といった。 貴女の背中には翼が生えていたんだ。 淡く蒼い空にふわりと羽を広げて、その言葉のとおりに遠くに消えた貴女に、僕は会う術を持たない。 勝手だった。貴女は酷く勝手で、だけど空を飛ぶ貴女は、どうしようなく綺麗だった。 蒼色に溶け込む透明な羽を僕はまだ覚えているんだ。 「遠くに逃げよう」 と言ってくれればよかった。 僕には翼が無いけれど、行けるところまで貴女と行きたかった。 どうして置いていくの、とは聞けなかったから、 だから黙って、俯いたんだ

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こんなこともできなければ、人として終わりだ。 と言われて、出来ない自分がひどく恥ずかしくて人間として終わりだと思った。 実際、そんなことでは終わりはしないのだけれど。 やり直しの効くものだ、大抵のものが。 けれどその言葉は、一瞬で劣った醜い私をどろどろに溶かしてしまうのだ。自尊心なんてなく。 無遠慮に。 人として終わり。 人としてオワリ。 ヒトトシテオワリ。 今振り返ればわかる。 私が人として終わるとしたら、 信じる言葉を間違えた時だ。

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数年ぶりにBOOKOFFに行った。そして、一直線に漫画コーナーへ行く12歳の私はこの中にはもう居無いことに気付いて、小型テレビを見て一万円しないのか安いな、なんて思って、小説コーナーに行って、穂村弘の詩集を見つけて、嬉しくなって、そうして200円で売られていることに悲しくなった。200円を払うことが惜しかった12歳の私ももう居なかった。ふいに、BOOKOFFが遠い距離になった。寂しさだけが残って、店を出た。

08

どんな人間でもプラスのことはいくらでも言えるんだよ。大丈夫も頑張るも楽しいも誰の口からだって、思ってなくたって、言えるよ。本当に言えないのはもっとマイナスの感情で。辛いとか寂しいとか助けてとか、そういう言葉を口から吐ける人は、それだけで幸せなんだって思わなきゃいけない。人に甘えられるのは、甘えられる環境を作ってくれる周りの人間のお陰だってこと、ちゃんと気づかなきゃいけない。

ep. 1

「私が消えてしまったら、それを君はどう受け入れるのか、受け入れられないのか、気になる」 と言った。君は自分以外の何かや誰かばかりを気にしていた。 「君が消えたら僕も」 消えるよ。受け入れる、受け入れないの話じゃないんだよ、と僕は言いかけてやめた。試されているのかもしれなかったから。僕が存在を許されているのは、この世界に生かされているのは、君がいるからだと思った。本気で思ったのだ。けれど、それに、その感情に、なんの根拠もなくて、言語に出来そうにもなくて、やめた。

07

だれかに限界を伝えたことは無い。出来ないなんて言ったことがない。適度に甘くなれないし甘えられないし。大丈夫が口癖なんて思いたくなかったし頑張りすぎているなんて言われたくなかった。

06

無神経に生きていきたいしたいことをしたい幸せになりたいたぶん幸せになりたい幸せになりたいんだよ私は

05

もうずっと、誰かに依存していたい。誰かにもたれ掛かっていたい。誰かに夢中になっていたい。 そしてその誰かは、 私のことなんてどうでもいいと思っていてほしいのだ。 私のことなんて放っておいて、私のことなんて興味なくて、私のことなんて見ていない。 対価なんて求めていないし、勝手に私にみつめられていてほしい。なんて、私が抱いている感情すら気付かないまま、私の知らない誰かと笑いあって欲しい。 それほどまでの、狂信的な愛を私の中に作り出して欲しいのだ。 簡単に捨てられる関係

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「『僕らが永遠に一緒なんてことはない』よりも確実なことを教えて。」 「『僕らは別に、出会わなくても生きていけた。』」

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誰にも頼らないで、誰にも縋らないで、誰にも甘えないで、ただ地獄のような人生を、真っ暗闇の世界を、私は私の見出した光だけで、真っ直ぐに歩いていきたいの。 誰も、あなたも、知らない場所で私は強く強く生きていたいの。 私の苦痛も苦悩も苦労も、怖い辛いと呟いた声も、あなたには決して聞こえない場所で、私は私を超えていきたいの。 平気な顔していたい、大丈夫だと笑っていたい、傷付いたあなたを慰められるくらいの余裕を持っていたい、ずっと笑顔でいたい、理不尽にも「仕方ないな」って頷いてい

初乗り運賃で手に入れられる幸せを共有できはしない話

例えば、タクシーの運転手さんに、 「あなたが一番幸せだった場所へ連れて行って欲しい」 といいたい。辿り着いたその場所で、けれど、そこがどんな思い出なのかは聞きたくない。他人の幸せなんて糞食らえだと思っている。ただ、その人にとって幸せなその場所が、自分にとってはくだらない田舎道だったり、埃っぽい路地裏だったり、変哲も無いビルの屋上だったり、シャッターだらけの商店街だったり、そういうものであってほしい。 例えばあの空き家だらけの集合団地の一号棟。 402号室前の階段の踊り